Apple Watchの価格予想が盛り上がっているようです

 山本一郎です。Apple信者ではありません。

 ところで、当初は話題性先行で盛り上がっていたウェアラブルデバイスですが、いざ市場に製品が出てきてみると、今のところそのほとんどは人々の期待に応えることができないような代物ばかりとなっています。鳴り物入りだったGoogle Glassに至っては、同社CFOが自ら公の場で失敗だったことを認める事態に。

グーグルが「グラス」失敗認める、将来見据えた投資は継続へ(ロイター 15/1/30)

インターネット検索大手の米グーグルは29日発表した第4・四半期決算の席で、眼鏡型端末「グーグル・グラス」の失敗を公の場で初めて認めた。ただ、未来を担う製品への投資は継続する方針だ。

グーグルは決算説明で、グーグル・グラスに重大な問題があるとの認識を示したうえで、今はいったん立ち止まり、戦略を立て直す時だと言及した。同社の共同創業者であるセルゲイ・ブリン氏が長年擁護してきたグーグル・グラスだけに、このパトリック・ピシェット最高財務責任者(CFO)の説明が意味するところは大きい。

 まあ、しょうがないよね。

 そんな状況の中、いまだ具体的なウェアラブルデバイス製品を市場に投下していないAppleへの世間の期待は逆に高まるばかりのようでして、IT系ニュースサイト等を中心に関連記事を目にする機会は相変わらず減ることがありません。で、ようやく同社初のスマートウォッチとなる「Apple Watch」の公式発表イベントが開催されるようです。

Apple Watch発表は3月9日? 米Appleがイベント開催予告(AV Watch 15/2/27)

米Appleは、米国時間の3月9日午前10時(太平洋夏時間:日本時間10日午前2時)からスペシャルイベントを開催すると発表した。Spring Forwardと題したイベントでは、4月出荷が予告されている「Apple Watch」が正式発表されると思われる。

出典:AV Watch

 毎度のことながらAppleはイベントで具体的に何をするのか明確には示さないので、メディア側もこういう憶測でしか書けないわけですが、まあ今回は九割九分Apple Watchの製品お披露目が目的でしょう。そして、同イベントではこれまで明かされていなかった製品価格が発表されるはずでして、巷では一体いくらになるのかを予想するのが流行っているようです。

「Apple Watch」の平均販売価格は約550ドル、アナリストが予測(ITpro 15/3/4)

米Appleが4月に発売予定の腕時計型ウエアラブル端末「Apple Watch」に関して、「平均販売価格(ASP)は約550ドル」とするアナリストの予測を、複数の米メディア(StreetInsider.comやAppleinsiderなど)が現地時間2015年3月3日までに報じた。

(中略)

AppleはApple Watchの最も廉価なモデルが349ドルであることは公表しているが、各モデルの価格帯については明らかにしていない。最上位モデルは1万ドルとの意見もあり、全体のASPは約500ドルと市場では予測している。

出典:ITpro

 この価格予想が盛り上がる理由としては、これまでのMacやiPhoneといったIT製品とは異なりApple Watchに関しては販売戦略を富裕層市場へより一層重きを置いて展開していることから、価格を一体どこまで引き上げてくるのかが注目されているということでしょうか。既に高級ファッション製品としての話題作りも先行しています。

Apple、パリコレでApple Watchイベントを開催。ファッション界に進出(TechCrunch 14/10/1)

Apple Watchが米人気ファッション誌「Vogue」に多数登場(iPhone Mania 15/2/26)

Apple、ファッション誌「Vogue」のパリ版にも「Apple Watch」の広告を掲載 - モデルが「Apple Watch EDITION」を装着(Linkman 15/2/28)

Apple、イギリスの雑誌「STYLE」に「Apple Watch」の広告を掲載(気になる、記になる… 15/3/2)

 価格予想については、今のところ最も高いモデルについては2万ドルという声もあるようです。

Apple Watch ゴールドは1万ドル以上する(MACLALALA2 15/2/23)

昨年9月の Apple Watch 発表直後、「Apple Watch ゴールドは5千ドルするかもしれない」と最初にいいだしたのは John Gruber だった。

その彼が改めて Edition モデルは1万ドルから2万ドルするだろうといっている。

出典:MACLALALA2

 まあ単に高級腕時計ということであれば2万ドルという価格も十分にあり得るのですが、はたしてスマートウォッチで同じ事が成り立つのかどうか。例えば、ロレックスのような機械式腕時計であればオーバーホールすることで何十年も使い続けることはあまり特殊なことではありません。親子孫と何代にもわたって受け継がれるといった例もありそうです。しかし、IT製品で5年10年と長期間使い続けられるものはかなり限られますし、とくにスマホの場合などはOSアップデート対応が製品製造後2~3年というのが実情であり、それ以上長く使い続けることが仮にハード的に可能であったとしてもセキュリティ面からはなかなかむつかしくなってきます。おそらくApple Watchのようなスマートウォッチにしても、たとえば発売から5年後もOSアップデートなどの対応が提供され安心して使い続けることができる可能性は低いのではないでしょうか。もっとも、2万ドルのスマートウォッチを購入できるような富裕層であれば、数年しか使えないからという理由だけで購入を思いとどまることはないのかもしれませんが。

 さて、Appleは一体どんな製品展開でどんな価格設定をしてくるのか。今から楽しみに待ちたいと思いますが、贈答品として面白いという話になると日本では星野仙一モデルとか出かねないので注意が必要です。