「Angry Birds」開発元のRovioがちょっと辛いようですね

 山本一郎です。このところ腰が辛いです。

 ところで、「Angry Birds」はスマホのタッチパネルを活かしたアクションパズルを確立し、ゲームのあり方を大きく変えた歴史的作品の一つであると思います。しかし、Angry Birdsの成功があまりに大きすぎた故か、同ゲームの開発会社であるRovio自身もが自ら築き上げたその評判に振り回されてしまった感があります。

 当初から日本ではそれほど大きなブームになりませんでしたが、海外から伝え聞こえる評判を聞いている分にはキャラクタービジネスとしてそれなりの動きがあったのだろうとは思います。子供たちからの人気はかなり高かったように感じられ、2014年の初めにも、日本市場向けのアピールが主眼の招待取材だったのでしょうが、以下のような記事が出ていました。

デジタル発の“ディズニー”になるか--「Angry Birds」のRovioが目指すエンタメ企業の姿(CNET Japan 14/2/25)

――ディズニーを目指しているのか。

 ある意味ではそういえる。ディズニーは長期にわたって続くブランドを構築したという点ですばらしい企業だし、尊敬している。世界に愛されるブランドとキャラクタの構築、そして維持という点では見習うべきことは多い。一方で、我々はディズニーよりももっと広いと思っている。ディズニーは1928年に創業した20世紀の企業だが、我々は21世紀に生まれた企業。デジタルプラットフォームからスタートしたという点も異なる。

出典:CNET Japan

 読みようによってはディズニーを超えるぞという意志を匂わせる発言で、かなり勢いのある感じですが、一方でこの記事から数か月後には同社の業績がやや思わしくないことを伝える報道もありました。

2013年のRovio(Angry Birds)、売り上げは横ばいで利益は半分ほどに減少(TechCrunch 14/4/30)

Angry Birdsで有名なRovioにとって、2013年はやや停滞気味の年となってしまったようだ。社員を大幅に増強して臨んだ年ではあったが、利益が半分ほどとなってしまった。

(中略)

従業員数は500名から800名へと増やしており、純利益でみると7680万ドルから3730万ドルへと、半分ほどに縮小してしまっている。

出典:TechCrunch

 まあ… この手の流行ものはねえ…。

 この時点では、グッズ販売がそれなりに好調であることや、アニメーションスタジオの買収を行いアニメ製作中であることなどが報じられると共に、今後はいわゆるフリーミアム型のゲームで収益を高める方針などが示されていました。ただ、そうした施策はいずれも核となるゲーム事業が盤石であればこそ有効になるのであって、その基礎となる部分でユーザー離れが起こると誰にも訴求できなくなる不安は否めません。

 去年の10月には、アニメ製作が順調に進行中であることを印象付けるための広報記事なども流れていましたが、これも声優のキャスティングが決まったという話だけで実態はいまだよく分かりません。

映画版『Angry Birds』の声優が決定、アナ雪のオラフ役ほか個性豊かなキャストが勢揃い(Game*Spark 14/10/2)

 そうこうしているうちに、今度はこんな報道が。

「Angry Birds」開発元のRovio、大幅な人員削減を実施へ(CNET Japan 14/12/8)

Rovioは、組織「再編」で世界中に約800人いる従業員の110人を解雇し、さらにフィンランドのタンペレにある同社のゲーム開発スタジオも閉鎖することを発表した。

(中略)

今回の動きは、2014年上旬に発表された同社の決算報告を受けて実施された。その決算報告によると、2013年通年の純利益は2690万ユーロ(約3300万ドル)で、前年の5550万ユーロの半分以下に縮小した。最高財務責任者(CFO)のHerkko Soininen氏は利益縮小の理由として、モバイルゲーミング以外の分野に投資を行ったことを挙げた。

出典:CNET Japan

 結局は、TechCrunchの報道していた利益が半分ほどに減少したという件が響いて今に至るということのようですが、「モバイルゲーミング以外の分野」への投資が事業を圧迫したというこの発言を見ると、既に進行中のアニメ製作事業などにどのような影響を与えるのかが気になるところです。実はほんのしばらく前に、日本国内での展開を大々的にアピールし、少女漫画とのタイアップ施策なども始まったばかりだけに、この辺りがあっさりと引き上げになるのかどうか。タイミング的にはかなり微妙な話にも見えますが。

世界的人気を誇る『Angry Birds』が日本で本格始動!その戦略に迫る(ファミ通app 14/10/24)

ブランドを意識した戦略的なマーケティング、360度のエンターテイメントの2軸で展開していきます。アプリ単体の事業ではない点が、弊社の強みであると思っています。まだ伸ばし切れていない部分はありますが、そこにチャンスがあると思っていますので、ぜひ『Angry Birds』が作るエンターテイメントに期待してください。

出典:ファミ通app

「Angry Birds」が「なかよし」の連載漫画に 漫画化は「世界初」 灘高教師監修、英語学習にも(ITmedia 14/9/3)

 色々と大変ではありましょうが、ここは踏ん張っていただいて、ゲーム発のキャラクタービジネスにおける新たな成功事例として、明るい展開となることをお祈りしたいところです。

 まずは手始めにmixiページを開設されては如何でしょうか。