Tizenは生きていた(ともっぱらの噂です)

 山本一郎です。知的好奇心が満たされまくった仕事に圧殺されそうですが、生きています。

 ところで、しばらく音信不通でいまだ生きているのかどうかも定かでなかった我らがTizenですが、ここにきてにわかにまた盛り上がりそうな気配が報じられております。

Samsung Elec to launch Tizen smartphone in India - S.Korea paper(Reuters 14/12/1)

 やった! これは勝つる!

 このロイターのニュースは国内向けには翻訳されていないようですが、韓国紙の報道を引用する形でSamsungがTizenスマホをインド向けに発表するのではないかとしています。

The paper, a local business daily, said Samsung will hold a press conference on Dec. 10 to launch its first Tizen smartphone, to be called the Z1. A Samsung Electronics spokeswoman declined to comment.

出典:Reuters

 12月10日にはプレス向け発表会もある模様ですが、Samsung側はコメントを控えているとあります。まあ、今年の夏にも同じような経緯でロシアから発売するという話題が盛り上がりながら、実際には発売延期が伝えられるだけということもあったので、今回も実際の発表がない限りは信用ならんという感ではありますが。

我らがTizenスマホがまた発売延期となったようです(14/7/14)

 まあ、ロシアの場合は国内の情報保全のためにApple製品その他クラウドを活用する機器の締め出しをしようとしていますから、ちょっと「Tizenいいんじゃね」と思ってしまっただけというのが実情のようです。

 で、上記の韓国紙の報道をソースにした記事については他にもいくつか出ており、日本のスマホ情報系サイトでもこの話題を取り上げているところがありました。

Tizen OS搭載の「SAMSUNG Z1」、100ドル以下の低価格でインド市場に殴り込みか(すまほん!! 14/12/1)

Tizen OSは、当初の予定よりも市場投入が遅れています。さらに先進国ではAndroidやAndroid、Windows Phoneといった勢力が基盤を固めており、既にTizen OSが参入する余地はほとんど無くなりつつあります。そこで先進国ではなく、まだまだ伸びしろの大きい新興国市場、つまりインドにTizen搭載機を投入していくとの観測が有力視されてきましたので、今回のローエンド・低価格は、既定路線といえるかもしれません。

出典:すまほん!!

 「殴り込み」というか、欧米アジアの主要市場から「蹴り出され」泣きながらインド市場へという流れではないかと思いますが、私のような根っからのTizen好きには関係ありません。

 当初SamsungではTizenをハイエンド市場でガッツリ行くというニュアンスでしたが、ドコモなどからも事実上の三行半を叩きつけられてしまいました。そして、今年の夏にロシア市場で云々というあたりからは既に新興国市場向けへシフトした感を醸し出しつつもここも話がうまくまとまらず、ここに来ていよいよインドでのローエンド参入という方針が強く打ち出されてきたというのはありそうです。

Samsungが,ターゲットを新興国に変更して,ついにTizenスマートフォンを販売するらしい(Cartan's Blog 14/12/3)

Android One, FIrefox OSが,先行して,エコシステムを広げている市場にSamsungがこれから飛び込びます.Samsungは,インド携帯電話市場でNo.1シェアを持ちますが,この知名度を利用して,Samsungは,どのようにTizenエコシステムを築くのでしょうか.

出典:Cartan's Blog

 確かにSamsungはインド市場でシェア1位を獲得していますが、その実態は安泰という状況からは遠いようです。

グーグルがインドで低価格スマホ展開、サムスンは前途多難(ロイター 14/9/4)

サムスン電子はインドの携帯市場でなお主導的な立場にあるとはいえ、支配力は弱まっているようだ。サムスンの第2・四半期のシェアが前期の33.3%から25.3%に低下したのに対して、第2位のマイクロマックスは16.7%から19.1%に上昇した。

出典:ロイター

 グーグルが真面目にインドでベンダーファイナンスを自力でやり始めるとサムスンでは太刀打ちできないのは仕方ないですね。

 また、上記記事でSamsungの強力なライバルになるであろうと目されていたGoogleの新興国向け戦略モデルのAndroid Oneにしても、いざ蓋を開けてみたらあまり売れていないというのが現状のようです。

米グーグル「Android One」、インド市場でのシェア拡大に苦戦(ガジェット速報 14/11/23)

約2ヶ月程前、インド市場にてデビューを果たした米グーグル肝煎りのプロジェクト「Android One」プログラム。新興国市場を中心に「低価格さ」と「そこそこのスペック」とのバランスの良さを売りに、シェアを拡大させる算段でしたが、どうやらその雲行きはあまり芳しくない模様です。

出典:ガジェット速報

 Android One苦戦の理由としては、小売店にとって利ざやが低いということが一因として挙げられています。やはり販路を強くしようとしたらリベートを厚く持てよって話なんでしょうか。

 こうした状況でSamsungはTizenをインド市場へ投入することにどのような勝算があるのか気になるところです。もしかしたら、TizenであればAndroidのような巨額の特許ライセンス料を節約できるみたいな皮算用もあるやもしれません。

サムスン、マイクロソフトに年間10億ドルのAndroid関連特許料支払い(WirelssWire News 14/10/6)

 なお、今回インドへ投入されると考えられるモデルについては、既にBluetooth認証が通過しているという情報もあるので、一応モノとしては存在するようです。

Tizen 2.3を搭載したスマートフォンSamsung Z1 (SM-Z130H/DS)がBluetooth認証通過(blog of mobile 14/12/1)

 今から12月10日に行われるとされる発表会が楽しみですね。是非「Tizenは生きていた!」ということを実証してほしいものです。

 私は多忙で死んでいるので行きませんが。