柳美里さん不払いに関する篠田博之さん『創』周辺が面白くて

山本一郎です。職業物書きではありません。

ところで、先般から続いていた作家の柳美里さんと、柳さんに不払いをバラされてしまった篠田博之さんの月刊『創』に関して、ちょっと全体的に素敵なことになっているようであります。

柳美里”原稿料未払い”の月刊「創」、社員が続々退社の末期症状(DMMニュース 14/10/31)

当時、編集部は神保町駅近くにあり、わずか7坪の部屋に山ほど積まれた資料とともに3人の編集者がひしめき合っていた。広告が入らず、600万円の出資金はすぐに溶けてなくなったが、ライター陣にはしっかり稿料が支払われた。編集者たちが身銭を切ることも少なくなかったという。

出典:柳美里”原稿料未払い”の月刊「創」、社員が続々退社の末期症状

確かにあの誌面では経営を支える広告などなかなか入らないであろうし、むしろ不払いしながら良くここまで雑誌を継続してきたものだと思うわけですが、今度はメディア系の批評誌の『メディア クリティーク』に本件騒動のネタが出て、これまた柳さんと篠田さんの間の口論にまで発展しています。

篠田さんは、嘘つきです。(柳美里の今日のできごと 14/10/31)

柳美里さんとの騒動を煽る捏造記事について(ヤフーニュース個人 篠田博之 14/11/1)

篠田さんの説明する内容が正しいとするならば、話の真相は『メディア クリティーク』編集部が話が面白く伝わるように篠田さんのコメントを脚色したという話のようでありまして… なんともはやといったところであります。

騒動の顛末を見る限りはこの話題って瑣末なことなんでしょうが、経営的観点で見ると払えないものは払えないわけで、一般的な出版社の倒産と同じように大半が編集者や社員向けの労働債権と執筆者の稿料なのだから、早々に潰して債権者集会やってお詫びしてしまったほうが傷口も浅く済むだろうし、篠田さんが再出発したいとなれば手を差し伸べる人だってたくさん出ると思うんですけどね。

雑誌「創」、柳美里に何年も原稿料払わず 編集長「『応援してくれている』と考えてしまっていた」と弁解(J-CAST 14/10/14)

出版人としての意地なのかもしれませんが、いきなり支払いがスムーズになるような奇跡など起こらないわけで、黒子のバスケ騒動にしてもそんなラッキパンチが続く前提で出版事業など当然できません。回復の見込みがないのに「なんとかなる」という精神力で誤った努力を続けていけば、柳さんだけでなく支払いを待つ他の執筆者も払われる具体的なアテもないのにずるずると待たせてしまうわけですし、一時の恥を忍んで頭を下げ、再起を期すしか方法はないのかなあと思う次第であります。

私の身の回りでも、mixiという会社が滅び行くサービスを展開して追い出し部屋まで完備させた中で苦し紛れに打ち出したゲームがにわか当たりし業績がたちまち回復するという事例がありますので、篠田さんも意味のある努力をする方向へうまく身を処して欲しいと願っております。