Facebookが「いいね!」の悪用対策でバイラルメディア潰しに本腰

 山本一郎です。人生の時間の大半が悪用されているような気がします。

 ところで、Facebookがこのところ利用規約を細かく改定し、同社プラットフォームでこれまで美味しい商売をしてきた事業者の首を真綿で絞めるような展開となっております。

フェイスブック、「いいね!」と引き換えのコンテンツ提供を禁止(ギズモード・ジャパン 14/8/12)

「いいね!」はプレキャンで買えなくなる時代へ。(アクトゼロ プランナーズブログ 14/8/12)

「いいね!」をお金で買うことは難しくなります。

(中略)

「いいね!」で参加権限を与えられるプレゼントキャンペーンや、一時期爆発的に流行ったFacebook診断系コンテンツなど、「ファンゲート」と呼ばれる仕様が一切使えなくなるほか、フェイスブック連携の外部アプリを通して「いいね!」を直接的に要求することも実質不可能となります。

出典:アクトゼロ プランナーズブログ

 え、なんでしょう、このいきなり発生する飯のうまい展開は。いいぞもっとやれ。

 で、このお達しが出たの受けて早速サービスを終了する事業者も出てきています。

「いいね!」インセンティブ禁止で影響 「Crocosマーケティング」Facebook関連サービス終了(ITmedia 14/8/22)

米フェイスブックのポリシー改定で、アライドがFacebook関連サービスを終了(日経デジタルマーケティング 14/8/26)

 そういえばそんな会社もあったなあ。どこが買収したんでしたっけ。記憶にないでござる。良く知らないなー。

Crocos 企業情報

 まあ、穿った見方をすれば、「いいね!」を金で売買していた連中が困るだけという話でして、多くの真面目なFacebookユーザーにはほとんど影響はないのではないでしょうか。もしかしたら「いいね!」でプレゼントをもらえる機会がなくなって寂しいというのはあるかもしれませんが、また別のことを考えればそれでいいよねという話でもあります。

 そして、Facebookはニュースフィードのスパム対策として以下のような施策も開始しております。

Facebook、ニュースフィードの「クリックベイト」排除でアップデート実施(CNET Japan 14/8/26)

Facebook、釣り見出しの「クリックベイド」コンテンツを排除へ(ITpro 14/8/26)

Facebookは米国時間8月25日、複数のアップデートを実施した。Facebookによると、これにより、ニュースフィードを荒らし続けているスパム的な「クリックベイト」投稿の排除が進むという。

出典:CNET Japan

クリックベイドは、実際にはたいした情報を掲載していないにもかかわらず、人目を引く派手な見出しを付けてリンクを投稿し、ユーザーにクリックを促す手口を指す。この種の投稿は多数のクリックを得る傾向にあり、そのためより多くのユーザーのニュースフィードに表示され、上位に掲載される。

出典:ITpro

 このクリックベイトなる手法によってもっとも潤っていると考えられるのが、昨今話題のバイラルメディアでありまして、まさにFacebookはそうしたバイラルメディアの一掃を目論んでいるのだろうという見方もあります。まあ、バイラルメディアといってもその大半はクリック狙いだ、という認識を持たれがちですからね。

 しかも、Facebookのクリックベイトの場合、単にPVを稼ぎたいというだけの業者であればマシな方でして、もっと悪質な事例も見られるためユーザーも注意が必要です。

盲導犬 「絶対に許せない!」に要注意!(Yahoo!ニュース個人(神田 敏晶)14/8/29)

 我らがKNNポール神田さんの書かれた記事ですが、せっかくの内容なのにこの見出しだけだと何が言いたいのかよく判らずで、折角のFacebookユーザーへ向けた注意喚起が広く行き渡らないのではと他人事ながら心配してしまうのですが、あえてこういう見出しでクリックベイト的な線を狙ったのでしょうか。必読の記事であります。

 それはともかく、Facebookユーザーの感情を弄んで個人情報を騙し取ろうとする投稿が、その思惑通りに大量に「いいね!」されシェアされてしまっているようです。

初めて訪れるサイトへのフェイスブックからの情報提供承認のアラートが登場した。フェイスブックに慣れている人ならば、ピン!と気づくはずだが、この情報サイトの運営者に、フェイスブックに登録しているあなたの、【公開プロフィール】【友達リスト】【メールアドレス】【誕生日】【いいね!】などの情報がすべて伝えられてしまうのだ。たった、1回あなたが「OK」を押してしまうだけで…。

(中略)

万一、あなたがパスワードを誕生日などで設定していたとすると、やすやすとあなたのアカウントは乗っ取られるという最悪の可能性がでてくる。さらにメールアドレスと個人属性がわかり、アクセスしているので「生きているメールアドレス」として、SPAMメール業者等に高価で買い取り、回され、販売される。すると、その名簿は、エロサイト情報から、架空請求詐欺メールに至るまで、あなたにふりかかってくる結果が待っている…。

出典:Yahoo!ニュース個人(神田 敏晶)

 神田さんの危惧するような事態にならないことを切に願うばかりですが、いまだにこんなことが易々と出来てしまうFacebookの仕様もどうなんでしょうか。クリックベイトコンテンツの排除が上手く機能することで、こうした悪質な事例も淘汰されることを期待したいところです。

 Facebookの「いいね!」はその登場以来色々と毀誉褒貶の絶えない機能でもありまして、何の役にも立たないどうでもいい存在である限りは放っておいても良いのでしょう。ただ、さすがにユーザーが泣きを見るような所行に悪用されるのは避けたいところです。

 ところで、先日のエントリーでバイラルメディア同士の糞の投げ合いに注目しておりましたが、バイラル界隈の問題で一番槍をつけたはずのnetgeekが、その発端となったwebtechasia関連の記事を削除、謝罪するという不思議な展開になってきております。

誤報?圧力?netgeekが「BUZZNEWS」「WebTechAsia」関連記事を削除し謝罪(Hagex-Day 14/8/29)

 netgeekの記事においては多少の事実誤認があったのはtwitterでも有識者より指摘がありましたので、そこのところだけお詫びと訂正すれば問題ないんじゃないかと思うわけですが、それまでの彼らの闘争心溢れる書き込みを見てきた中で、ここでベタ降りの格好になっているのは実に奇妙ですね。

 これはこれでステキな話ですので、引き続き皆さまと共にウォッチしてまいりたいと思います。引き続き、よろしくお願い申し上げます。