技適マークの運用がそろそろ意味不明となりつつある件

山本一郎です。今日の東京は蒸し暑いですね。クールビズもなんとなく定着しましたし、早いところ昼ビールも解禁して欲しいところです。

ところで、海外ではいよいよメーカー製の新品タブレットでも1万円台で買える時代がやって来たようです。

激安1万円でクアッドコア・300g未満の7インチタブレット「HP 7 Plus」発売(GIGAZINE 2014/5/23)

他社製のハイスペック機に劣らない性能で値段は半額のスマートフォン「OnePlus One」などが登場するなどスマートフォンの低価格化が急速に進む中、タブレット端末にも激安の波が押し寄せ、ついに約1万円の7インチタブレット「HP 7 Plus」が登場しました。1万円といえば無名メーカー製のいわゆる「中華タブレット」の価格ですが、「HP 7 Plus」はクアッドコアSoCを搭載し軽量な7インチタブレット端末として知られるKindle Fire HDX7よりも軽量なタブレット端末で、その名の通りHPがリリースした端末です。

出典:GIGAZINE

ハイエンドモデルのような至れり尽くせりの高機能は期待できませんが、普通に家庭内で汎用タブレットとして利用する分にはそれなりに実用性のありそうな雰囲気が漂っています。残念ながら今のところ日本国内での販売は未定のようですが気になる製品です。

で、低価格といえば、こちらはスマホですがかなり激安です。訳ありの特殊事情を抱えながらもSIMロックフリーで国内販売されている事例。

実売9,980円のAndroidスマホがイオシスから発売(AKIBA PC Hotline! 2014/5/23)

実売1万円未満のイオシスブランドのSIMロックフリー3.5インチスマートフォン「IODESU」が発売された。店頭価格は税込9,980円

出典:AKIBA PC Hotline!

で、訳ありの特殊事情というのは「対応SIMの保証は一切ない」「技適マークはない」というあたり。そんなものを誰が買うのかという感じでもありますが、上記記事によれば「2日間で合計58台販売した」という実績があるようです。店側では「保証はしないが、SMSサービス付きMVNOでの動作を確認した」ということで、そのあたりを踏まえてギャンブルで買う客がいるということですね。動作保証が無いのはいいとして、技適マークが無い通信機器を公然と売買して良いのかという話でもありますが、建前としては国内で使わなければ問題ないというあたりが言い訳になるのでしょうか。

国際ローミングサービスも当たり前なこの時代に技適マークはどうよという話でもありますが、今のところ同マークの無い機器を通信に使えば例外を除いて立派な電波法違反です。

外国で買ったiPadやXperia 日本でネットに繋ぐと法律違反も(NEWSポストセブン 2014/2/15)

技適マーク表示がない端末でも、国際ローミングして使用する場合は電話事業者が無線局の免許や適合証明を代行していることになるので電波法に違反しないが、Wi-Fiを使用する場合には違反となる。

出典:NEWSポストセブン

例えば外国から日本にやって来た観光客が技適マークの付いていない自分の海外製端末で公衆無線LANに接続すれば、それは違法行為になるということです。しかしながら、海外からの観光客が多い場所では暗黙の了解でこの技適マークの件が無視されているようでもあります。たとえば京都市産業観光局のコメントは以下のようになってます。

技適マーク表示がない端末について、いまのところ指導や順守を強く求められていません。利便性向上が目的のサービスに、それを阻害する形での周知は難しいと思っています。(技適マークがない端末利用に)問題がないとは言い切れないのですが摘発例もないと聞いていますし、積極的に周知するかどうかについては十分に議論されていないというのが現状です。関わる通知が出たら検討することになると思います

出典:NEWSポストセブン

なんともすっきりしない話です。で、先の技適マークの無い端末の売買についても以下のような状況です。

技適マークなしの端末を販売・購入することは違法にならない。そのためSIMフリー端末を個人輸入するケースが増えているが、日本の電波を利用したとたんに法律違反となる。しかし、前出のように今のところ摘発例はない。大きな電波障害を出さないから厳密に取り締まらないらしい。

出典:NEWSポストセブン

売買するのは合法だが使うと御用という建前ながら、現実には誰も取り締まっていないということのようです。なんとも日本のお役所らしいというか、魚心あれば水心という言葉がふと頭の隅を過ぎりました。

このなし崩し根性が日本の風味といったところでしょうか。

海外からやって来る観光客が持つ海外製端末と、日本国内で並行輸入などして流通する海外製端末では、その背景にある事情が全く異なるため同じ土俵で論じるのもどうかとは思いますが、2020年の東京オリンピックを目指して積極的に海外観光客を誘致したい日本としてはこういう分かりづらいグレーな状況はあまり好ましくありません。そろそろ技適マークの扱いについては誰もが納得できるような明快な指針を出すべきなのではないかと思う次第です。

ちなみに、先に挙げた国内で売られている技適マーク無しの端末ですが「SMSサービス付きMVNOでの動作を確認した」ということは、その時点で動作確認した店の人間が電波法違反やってますと公言してるようなものですね。

やはりここは誰かが見せしめになる必要があると思いますので、勇気ある人柱が自首してみるというのがいいのでは、と思いますです、はい。