万引き犯共有ネットワーク報道のその後(追記あり)

山本一郎です。暖かいですね。ぽかぽか陽気の下で、かわいい猫ちゃんがのんびり歩いていたのが印象的です。去っていく後姿を見るとケツの穴丸出しで涼しそうでした。私も暑がりですが、尻の穴をだして外出をしたら犯罪ですよね。改めて、かわいいは正義だなと実感した昼下がりでした。

ところで、既存報道で主にプライバシーフリーク方面のネット界隈で物議を醸した万引き犯店舗共有ネットワーク事件が、変な方向に弾けているようです。

万引き犯共有ネットワークが物議を醸しております(Yahoo!ニュース個人- 山本一郎 14/4/7)

客の顔情報「万引き対策」115店が無断共有(読売新聞 14/4/5)

あまりにも素敵なニュースだったんですが、記事中は別に名指しをされているわけでもないにも関わらず、該当するであろう業者が「ぬっ、俺様のことか?」とビビッドに反応、非常にセクシーでハートウォーミングな事案へと急成長し、俄然注目を浴びております。

平成26年4月5日(土)読売新聞朝刊掲載記事について重要なお知らせです。(リカオン社 14/4/6)

その香ばしい事業の概要については、彼らのサイトの説明文を熟読してその末恐ろしさを読者さまには身をもって体感していただくとしましても、「本人同意のないデータベースは共有しておりません」って、本人って誰だよ、どう同意取ったんだよ、「他店の軽犯罪者でも」ってどういうことだってばよ、などなど心の平安がかき乱されるハードロックな内容には動揺を隠せません。

顔特徴データ共有システムLYKAON share 店舗の場合

ところが、読売新聞が報じた「万引き対策115店が無断共有」との内容ですが、どうも関係者周辺の話を総合すると、このLYKAON Share自体が

店舗での採用実績はゼロだった

ようです。

そんな…。  (やまもと註:以下に追記あり)

「クライアントが一社もないので大丈夫だ」と胸を張られると、私の心に去来する何それ感は払拭しがたいものがあるんですが、それだと今回の読売新聞の報道は一体なんだったのでしょう。

顔データを共有しているのは、名古屋市内のソフト開発会社が昨年10月に発売した万引き防止システムの導入店舗。首都圏や中京圏のスーパーなど50事業者計115店舗で、個人のフランチャイズ経営の大手コンビニなども含まれる。

出典:読売新聞

そうなると、首都圏や中京圏のスーパー、コンビニなどで運用されている当該システム115店舗分では、このリカオン社が納品していないにも拘らずシステムが稼動し、人知れず犯罪者の顔写真が店舗で共有されていたでござるという平成の幽霊物語のような流れになってしまいます。

読売新聞側は、当然ですが誤報ではないという判断のようで、こうなったら両社で両国国技館でも借りて相撲で決着をつけろとしか申し上げようもないのですが… どうもその導入店舗に読売新聞が突撃取材をしたようなので、果たして鬼が出るのか幽霊なのか、続報を液晶画面の前で正座して待ちたいと思います。

結論としては、リカオン社の導入実績を「盛った」数字を真に受けた人が、読売新聞に情報を提供しただけなんじゃないかという気もします。「うちのシステムは採用実績がこれだけあって、こんなに凄いんです」って営業資料は実態と異なるという平凡なあるある話が、凄い勢いでケツの穴丸出しで一人歩きをはじめ、犯罪者の顔写真共有という揮発性の高い文言と共に引火して、リカオン社の面白いセールストークやサイト、ステマ疑惑にSEO会社から社名変更した過去といった、微笑ましくも美しいエピソードで彩られたのでは、と推察する次第でございます。

本当は、公共利用での顔認証とかテーマとしてはものすごく深くて大事なもののはずなんですけどね。

何でお笑いになってしまったのでしょう。

(追記 15:40)

その後、さらに情報が寄せられ、現在も錯綜中ですが… 関係者の話を総合すると、上記問題となったシステム「LYKAON Share」の導入店舗自体は5店舗ないし13店舗存在するが、共有されている犯罪者情報はゼロ件であり、導入実績はあるけど利用実績はないという状況になっております。

どっちにしろゼロじゃねーか!!

もちろん、事態のヤバさに気づいたLYKAON関係者側が、こっそり「犯罪者情報の共有はしていなかったことにしよう」と考えた可能性もありますので、引き続き注意深く動物園を見守ってまいりたいと思っております。

読売新聞が報じた115店舗とは何だったのかは小保方STAP成功200回状態で、良く分かりません。