アメリカNSAが中国ファーウェイ(Huawei)に侵入、長年監視していた件で

山本一郎です。そろそろ半ズボンで過ごしたい季節になってまいりました。

ときが経つのは早いもので、元CIA/NSA職員エドワード・スノーデン氏による世紀の暴露事件が起きてから9か月以上が経ちました。事が起きた直後はありがちな与太話かとも思ったのですが、暴露された話がどれもまずまず事実らしいと判明して、それはそれで驚いたものです。しかも、事件発覚からこれだけ時が過ぎても、いまだにその余波は収まることなく次から次へと新しい情報が出てくるあたり、スノーデン氏は一体どれだけのネタを抱えているのかという話でもあります。

で、つい先日もまた興味深い話が一つ出てきたのでメモがてら拾っておくことにします。

米NSA、中国「華為技術」に侵入し情報監視(読売新聞 2014/3/23)

米NSA、中国首脳の情報も収集―華為技術を標的に=独誌(WSJ.com 2014/3/23)

米NSA、ファーウェイのネットワークに不正侵入 -胡錦濤前首席などもスパイ活動の標的に(WirelessWire News 2014/3/24)

NYTimesと独Der Spiegelによれば、NSAは2009年からファーウェイを標的とした「Shotgiant」という監視プログラムを実施し、同社と中国人民解放軍とのつながりを探ろうとしていたという。また、当時の胡錦濤首席や中国政府の対外貿易部門、中国国内の複数の銀行や通信事業者などに対しても、NSAはスパイ活動を行っていたという。

出典:WirelessWire News

今回のスクープも元々の情報の出所はスノーデン文書とのことで、毎度のことながらなかなかにセンセーショナルな内容であります。

もっとも、ファーウェイは以前からその背後に中国政府の影があると懸念されていますし、同社製品の取扱いを禁止する国もあるくらいです。拙ブログでも何度かこの手の話題は取り上げました。

ファーウェイの米国撤退騒ぎは実際のところどうなんでしょうか

そんな訳ですから、今さらでNSAがこのような諜報活動を行っていたと言われても全く意外でもなんでもないのですが、こうして公に指摘されるとやはり色々と感慨深いものもあります。

で、当然のことながら、こういった話の裏を取るのはなかなかに困難でありまして、端から答えを得られるとは思っていないのでしょうが、ウォール・ストリート・ジャーナルでは一応ホワイトハウスとファーウェイにコメントを求めるべく動いたようです。

ホワイトハウスに22日、コメントを要請したが、現段階で回答はない。華為技術にもコメントを求めようとしたが、連絡がつかなかった。

出典:WSJ.com

まあ、そうですよね、ホワイトハウスとしてはコメントしようがないでしょう。

あるとしても「コメントはダメント」といったような大爆笑ギャグしか思いつきません。

一方で、ファーウェイの方は環球時報を通じてしっかりと非難の声を上げております。こちらもこの機会をみすみす見逃す手はないという感じでしょうか。

米NSAが中国・華為技術のサーバーに侵入、中国軍との関係探る―中国報道(XINHUA.JP 2014/3/24)

華為は23日、環球時報に宛てた声明で、「ニューヨーク・タイムズの報道が事実であれば、われわれはこうした行為を強く非難する。華為はネットワーク上の安全を侵す一切の行為に反対の立場だ。最も開放的かつ透明な方法で各国政府、各産業、各ユーザーと協力して、世界のネットワーク上の安全を脅かす動きに対応したい」と表明した。

出典:XINHUA.JP

なんといいますか、まさに狐と狸の化かし合いといった趣にあふれる美談といったところでしょうか。

ただ、このNSAによる監視の話が本当だとすると、ファーウェイの中でもこんな間抜けな事態が起きたのは誰の責任かで色々と人事が大変だったりするのかもしれませんね。まさかにスノーデン事件で自分達のところにまでとばっちりを受けるとは彼らも想像だにしなかったのではないでしょうか。いやはや人生何が起きるか分からないものです。

そもそも、ファーウェイの中の人がまったく気づかず長いこと監視され放題だったともちょっと考えづらく、いわゆる米中間のサイバー戦争状態についてはもう少し日本も当事者意識を持って見守る真剣さが必要だと思うんですよね。

ここで間違っても「監視はいかんし」とかギャグを放つような緩んだ精神では我が国はやっていけません。真面目にやりましょう、真面目に。