山本一郎です。いろんな意味で元気です。

ところで、皆さんお馴染みのドコモが「脱土管」を目指して色々と頑張っているようです。

ドコモ「dミュージック」「dブック」が他キャリア端末でも利用可能に 「dアニメストア」なども4月から(ITmedia 2014/2/26)

NTTドコモは2月26日、同社のスマートフォン向けサービスポータル「dマーケット」の一部メニューを他キャリアの端末でも利用できるようにした。「dトラベル」「dブック」「dミュージック」など7サービスを他キャリア端末向けにも提供し、今後対象メニューを拡充する予定。

出典:ITmedia

ドコモはすでに昨年11月には自社回線契約ユーザー以外にもdocomo IDを発行して、dゲーム等ではマルチキャリア対応を実現していましたが、今回のその枠を広げたということですね。

ここ近年のドコモはアマゾンや楽天を目指すという思惑の元、事業買収なども含めてかなり積極的な拡大施策を展開していますから、今回のdマーケットの件でも想定路線というところでしょう。

とくに、今回はまだ他キャリア端末に対応していない「dビデオ」などについてはかなり苦戦しているという話もあるようですから、一刻も早いオープン化は社内でも期待されていることと思われます。

ただ、ここんところ利用者は減ってるんですよね。>dビデオ 加入者の増加と加入後の定着量のバランスが以前より悪化している模様。

出典:Munechika Nishida

まぁ、それだけ無理に店頭獲得したり、解約しづらくしてないってことで、この数までくると純減もある程度仕方がないのかなぁとも思います。 RT @mnishi41

出典:Junya ISHINO/石野純也

@june_ya ですね。自社顧客内で増やすのはそろそろ限界なのでオープン化、というのは、サービスレイヤに出てくなら正しい方向性。

出典:Munechika Nishida

@mnishi41 次に打つ手としては、正しいと思います。ここは、ドコモを評価できる部分かなぁと。

出典:Junya ISHINO/石野純也

今回のドコモの発表に対するネットでの反応は、一部で上記のようなツッコミはあったものの、概ね穏やかで緩い反応しかなかったように感じます。

ところがこのドコモの発表から数時間後、LINEがとんでもない発表を行うわけですから、本当に世の中何が起こるか分からないものです。おそらくはLINE側としてもドコモの発表にぶつけるつもりなどは毛頭無かったことでしょうが、これで完全にドコモの発表は霞んでしまいました。

LINE、国内外の固定・携帯電話への通話サービス「LINE電話」を日本・アメリカを含む世界6カ国で開始 国内固定電話への通話は1分2円から(WirelessWire News 2014/2/26)

2月26日、LINEは新サービス発表会「LINE Showcase 2014 Feb.」を表参道ヒルズ スペースオーにて開催し、同社が運営する無料通話・無料メールスマートフォンアプリ「LINE(ライン)」のiPhone版・Android版の新機能として国内外の固定・携帯電話への通話サービス「LINE電話」(海外ではLINE Call)を発表した。

出典:WirelessWire News

ドコモが脱土管を目指す一方で、LINEは新たに土管を目指すという見方も出来そうです。実際、その発言がどういったコンテクストにあったかを注意する必要はありますが、文字通り「LINEは土管に徹する」という言葉がLINE執行役員の田端氏の口から発せられた点などもとても面白いと感じます。

もう企業は公式アプリを作らなくてOK? LINE、企業向けにAPIを提供へ──「LINE ビジネスコネクト」スタート(アプリオ 2014/2/26)

発表の中で、LINE株式会社の田端執行役員は「LINEは土管に徹する。LINE内に顧客データなどを蓄積することはない」と語った。またLINE ビジネスコネクトの意義を「企業が自前アプリでやっていたことを置き換えていくことを可能にする」ものだとの見方も示した。

出典:アプリオ

まあ、同じ場所で別の執行役員からは「通信キャリアとの競争の意図はない」という回答も出ているので、LINE側としても色々と思惑はあるのでしょう。

質疑では、携帯電話の通話料金設定に与えるインパクトが問われたが、同社執行役員の舛田淳氏は「通信キャリアとの競争の意図はない」とし、「これまでのアプリ内に閉じた無料通話に加えて、より豊かな体験をユーザーに提供するためのサービス開発であり、OTTだからこそ出来る利便性・料金設定を追求して行きたい」と答えた。

出典:WirelessWire News

LINEはこのほかにも、いわゆる同人市場などに多大な影響を与えそうな施策も発表しております。

速報:LINEクリエーターズマーケット発表、自作スタンプを販売可能に。売上は50:50で折半(Engadget日本版 2014/2/26)

従来のLINEスタンプは LINEが用意した純正キャラクターものか、企業や有名キャラクターとのコラボ、プロモーションなどに限られていましたが、クリエーターズマーケットでは一般の企業や個人でも申し込みと審査を通れば自作のアートワークをスタンプとしてLINEプラットフォーム上で販売できるようになります。取り分はLINE側が50%、クリエーター側が50%の半々。

出典:Engadget日本版

先のドコモの何やらのんびりした発表内容に比べて、LINEの今回の発表は今のネットビジネスの速度感に見合っただけのインパクトと説得力を持っていたと思います。そして当然ですが、LINEによる「通信キャリアとの競争の意図はない」という言い訳も、キャリア側には通じないことでしょう。その辺りの諸々についてはまた機会を改めて触れてみたいと思います。

微妙なのは、LINEの親会社にあたる韓国ネイバーとの関係であり、また格安通話のログが韓国の情報部門国家情報院に渡ることのないような仕組みをどこまで日本の当局に担保できるのか、といったところでしょうか。変な話が出ると上場どころではなくなってしまうので、引き続きしっかりとしたヲチが必要な状態でありますね。