YouTubeがサービス内容を改訂してそれなりに揉めているようです

山本一郎です。揉め事が嫌いです。

ところで、Googleが動画サービス「YouTube」のコメント投稿に際してGoogle+のアカウントでログイン必須となる施策を9月に発表をしていましたが、ようやく先週実施されたようです。

YouTube、コメント品質向上対策でGoogle+との統合が必須に(ITmedia 2013/9/25)

YouTubeへの投稿は匿名ででき、チャンネル側に柔軟なモデレート機能がないこともあって、攻撃的なコメントや中傷が問題になることがある。Google+との統合で匿名性を弱めること(Google+のアカウントはFacebookのような厳格な実名制はとっていない)で、無責任な投稿は減るだろう。

出典:ITmedia

YouTube のコメントが使いやすくなります(日本版YouTubeクリエイターブログ 2013/9/26)

より会話を楽しむために - コメント機能が新しくなりました(日本版YouTubeクリエイターブログ 2013/11/7)

特定のキーワードのブロックや、不快な発言の削除、特定の人の事前承認など、会話をより充実させるための機能も増えます。

出典:日本版YouTubeクリエイターブログ

ネット上での中傷や攻撃というのは世界的な問題ですから、こうした施策が導入されることによってユーザーが気持ち良くサービスを利用できるようになることはポジティブに受け止めるべきでしょう。しかしながら、Googleの思惑が単なるコメント問題の改善だけにあるのかどうかは謎です。もっと深謀遠慮な思いがあるのではないかという憶測ももちろんあります。

Google、YouTubeのコメント・システムを全面リニューアルへ―Google+アカウントが必須になる(TechCrunch Japan 2013/9/26)

2011年にGoogle+がローンチされた。「ソーシャルネットワーク」という建前だったが、実際にはユーザーから自分自身についての大量の情報を引き出すことが最大の狙いだったはずだ。(中略)Google+がYouTubeコメントのインフラになるのはGoogleにとって計り知れないメリットがある。

出典:TechCrunch Japan

で、実際にYouTubeとGoogle+の統合が始まったわけですが、ネット民による反応がなかなか興味深いです。

これはヤバい、今すぐ削除を! YouTubeで公開を想定していないコメントが氾濫 Google+と統合の結果(アプリオ 2013/11/7)

YouTube動画をGoogle+へ共有すると、投稿内容やコメントがYouTubeのコメント欄にも反映される!対処方法についてまとめてみた(見て歩く者 by 鷹野凌 2013/11/8)

YouTubeとGoogle+の接続で出てくる過去のコメントを効率よく消す方法(+PlusOneWorld 2013/11/8)

今回のYouTubeとGoogle+の統合によって、過去にGoogle+に一般公開で共有した動画につけたコメントが、全て公開状態となっている可能性があるのだ。(中略)一般公開投稿に対するコメントなので、それをどう調理しようがGoogleの勝手なのかもしれない。しかし、Google+とYouTubeではネット上における存在感が違いすぎるため、自らのコメントが過去に遡ってYouTubeに表示されることを想定していなかったユーザ(おそらく、ほとんどのユーザが当てはまると思われる)にとっては、まさに不意打ちの仕様変更だろう。

出典:アプリオ

過去に恥ずかしい書き込みをしていた!死にたい!!

出典:見て歩く者 by 鷹野凌

SNS上で勝手に好き勝手書いて楽しんでいたコメントが、過去に遡って相互リンクされてしまうというのは、人によってはさながら公開処刑と感じてしまうのでしょう。まぁこの辺りはもしかしたら、無責任なコメントをネット上で一般公開設定にしてばらまくユーザーへのGoogleのちょっとした警告なのかもしれませんね。Twitterで不適切な発言をして炎上するのと同じで、一般公開で書き込んでしまった内容が世界中から閲覧されることに文句を言っても仕方ありませんから。

で、もう少し普遍的な話としては、Google+アカウントが無ければコメント出来なくなったという点に対する批判が出てきています。

YouTubeとGoogle+のアカウント統合にYouTube共同創業者も苦言?(ITmedia 2013/11/11)

Google傘下のYouTubeが先週ローリングアウトした新しいコメントシステムに関し、YouTubeの共同創業者、ジョード・カリム氏とみられるユーザーが自身のチャンネルに「動画にコメントするためになんでGoogle+のアカウントが必要なんだ?」と投稿した。

出典:ITmedia

ただし、この発言が本当にYouTube共同創業者によるものなのかどうかは確認されていないそうです。また、かなりネタな感じですがさらに積極的な抗議もありネットで話題になっているようです。

“死んじまえGoogle+”―YouTubeの新しいコメント方式を怒るかわゆい歌声(TechCrunch Japan 2013/11/9)

いずれにしても、一定のユーザー数を抱え確立したWebサービスが特定SNSに取り込まれ、それまで誰でも利用できた機能がSNSユーザー以外には提供されなくなるという方針変更は、余程に上手な導線を作らない限り既存ユーザーから総スカンを食らう可能性があるという分かりやすい事例かもしれませんね。

まあ、一番積極的で完璧な対処法は「youtubeを観るだけ観て、SNSに何も書かないこと」なんですけどね。