山本一郎です。スーツを着ている日に限って雨が降ります。

ところで、どこまで本当なのかはともかく新型iPhone関連で情報がダダ漏れしまくりの最近のAppleですが、遂にようやくという感じで「何か」の発表会を9月10日に開催すると発表しました。

Apple、9月10日の発表会を予告 新iPhone登場か(ITmedia 2013/9/4)

発表会で何が明らかにされるのか、Appleは全く言及していないが、iPhone 5の発表から1年近く経っているため、iPhoneの新製品が登場するものとみられる。

出典:ITmedia

この時点になっても、いまだに新しいiPhoneを出すとは公式に表明しないあたりがまことにAppleらしいのですが、ただ今回に関しては従来に比べてあまりにも新型iPhoneにまつわるリークの数が多く、またそのリークされた情報の内容も確度が高いと思われるものばかりで、ここ数年の厳格な秘密主義で通してきたAppleらしさが微塵もありません。この事実については少し前にも「iPhoneの噂が巷に溢れていますが、ドコモは結局どうするのでしょうか」というブログ記事の中で触れましたが、やはりスマホをめぐる世界市場の厳しさの前ではAppleも悠長にやっていられないという事情があるのではないかと思います。

とくにこの1~2か月は、どんな与太話でもiPhoneという単語が露出すればAppleとしてはPRになりましたし、今回の発表会へ向けてのバズを作るという意味では大成功でしょう。Appleは関係各者に対する情報統制について意図的にかなり緩くしていた、もしくはさらにリークを暗に認めるような施策をとっていたのではないかとも感じます。

先日行われたKDDIの田中社長のメディアを対象とした説明会でも、従来であればありえなかったような発言があったようです。

LTEエリア競争は「auが断トツで勝てるのでは」──KDDI 田中社長 その理由は「新iPhone」(ITmedia 2013/9/2)

次期iPhoneが本当に800MHz帯LTEに対応するか否かについては「ちょっとここでは言えないです」と言葉を濁す田中社長だが、その表情には笑みが。「もしiPhoneが800MHzに対応するなら、LTEのエリア競争にピリオドが打てるのでは」と自信をみせる。

出典:ITmedia

Appleは公式に発表されていない製品やサービスについては憶測であっても言及されることを極度に嫌いますし、そうした発言をした関係者に対しては非常に厳しいペナルティを課すことで有名ですが、今回の田中社長による800MHz対応を示唆するような発言はまさにそうしたAppleの逆鱗に触れてもおかしくないレベルでしょう。これは単なるいつもの田中社長の暴走なのか、それともAppleお墨付きのリップサービスだったのか気になるところですが、やはりなんらかのApple側からの後押しがあったと解釈するのが妥当かと思う次第です。

こうしてみると、Appleも今のスマホ戦線を勝ち抜くためには必死だなと眺めていたわけですが、ここにきて突如Googleもなりふり構わぬ攻勢に転じてきて驚くばかりです。

次期AndroidリリースはAndroid 4.4 KitKat。ネスレのキットカットと公式コラボ(Engadget日本版 2013/9/4)

Android 4.4 KitKat 公式コラボのキットカット登場、Nexus 7他が当たるキャンペーンも実施(Engadget日本版 2013/9/4)

GoogleはAndroidのコードネームにずっとお菓子の名前を付けてきてまして、次期バージョンについては「Key Lime Pie」が想定されているのはずいぶん前からAndroidコミュニティーでは周知の事実でした。ところが、ここにきて従来のような一般名称ではなく、世界的に有名なチョコの商標を持ち出してきたというわけです。まさに大型タイアップ。

ちなみにキットカットという製品はWikipediaによると、世界中で製造販売されているのですが、米国だけ過去のライセンス契約の関係からネスレのライバル会社であるハーシーによって製造されているという面白い話が分かりました。

Kit Kat bars are produced in 13 countries by Nestle: UK, Canada, Australia, South Africa, Germany, Russia, Japan, China, Malaysia, India, Turkey, United Arab Emirates, and Bulgaria. Kit Kat bars in the United States are produced under licence by The Hershey Company, a Nestle competitor, due to a prior licensing agreement with Rowntree.

出典:Wikipedia

キットカットがどこで作られているかはともかく、世界中で知られているお菓子ブランドとタイアップを組むというのは、やはりスマホ戦線で勝たねばならないというGoogleの必死ぶりが伝わってくるようです。

そういえば、MicrosoftもWindows Phoneで苦戦していると思っていたら、Nokiaの携帯電話事業を買収という動きに出てやはり必死なようですが、こちらはAppleやGoogleに比べるとどうも地味な展開となっております。

米マイクロソフト、ノキアと株価明暗 携帯買収めぐり(日本経済新聞 2013/9/4)

マイクロソフトがノキアの携帯電話事業を買うしかなかった理由(TechCrunch Japan 2013/9/4)

いずれにしても、スマホ市場は今年後半から来年に向けて、各事業者の勝ち負けを決定づけるような重大案件がいくつも発生しそうな予感がします。しっかりと注視していきたいところです。

ところで、今回のiPhone騒動ですが、国内ではKDDIとドコモがそれぞれ華々しく話題を振りまいておりますが、いつものソフトバンクがまったくもって静かです。孫正義氏のTwitterもなしのつぶて。お元気なのでしょうか。