土屋アンナの面白舞台で抗争案件

山本一郎です。雨が降るのか降らんのかはっきりしやがれ。

ところで、昨日から芸能界方面のニュースが炎上して賑わっております。

土屋アンナさん、無断で稽古不参加 初主演舞台中止に 主催者側は法的措置も検討(産経新聞 2013/729)

土屋アンナさんの初主演舞台、公演中止 主催者が発表(朝日新聞 2013/7/29)

流れとしては、当初は舞台主催者側が出演者の非を一方的に申し立て、それを理由に公演中止を発表したのですが、これに対して出演者側が異議を唱えたという案配でした。報道を読んでいる限りではどちらの言い分が正しいのかさっぱり分からないながらも、これはかなり泥沼の争いになりそうだなぁと見ていたわけです。これはこれで、実に楽しそうな流れです。

そうしたところが、続いて舞台の原作者の濱田朝美女史が新たな火種をブログに発表したんですね。

重大なお話!(日本一ヘタな歌手☆濱田朝美ブログ☆ 2013/7/29)

実は今日、私の舞台の主演である、土屋アンナさんが、自分勝手に舞台練習を休み、そのせいで八月の公演が出来なくなったという内容が、舞台の公式ページに発表されました。 その発表は、全くの事実無根です。 これから、お話する事が真実です。

出典:日本一ヘタな歌手☆濱田朝美ブログ☆

ブログ記事の主旨を非常に乱暴にまとめると、濱田女史は舞台化を許諾した覚えはないということですね。で、この事情を知った主演の土屋アンナが原作者側の意見をくみ取り舞台制作側に異議を唱えたが、制作側は原作者や土屋アンナの意見を受け入れなかったということのようです。

ここで濱田女史のブログを読んでいて気になったのは以下のあたりでしょうか。

本の出版社の元担当と舞台の監督に会う事が出来、事情を説明して頂きました。 すると、既に私から舞台化の許可を取ったと言われ、詳細の説明や正式な謝罪もありませんでした。

出典:日本一ヘタな歌手☆濱田朝美ブログ☆

原作本の元担当者が事情説明とありまして、「元」とつくぐらいなので濱田女史とのコミュニケーションが十分にとれていたのかやや分からない部分もあるのですが、いずれにしても出版社側と原作者側、さらに舞台制作側で交わされた諸契約に関する内容の理解で相互になんらかの齟齬が生じていた可能性があったのではないかと疑われます。

この辺りについては昨今の出版契約事情に造詣のある方達がTwitter上で憶測も含めて色々とコメントされていますが、とくに以下のやりとりが興味深いものでした。

土屋アンナの件は、舞台とか映像化についての権利を原作の版元が出版契約書とか付帯契約書の形で握ってて元担当が原作者に断りなく進めたという可能性もあるんじゃないかなあ。 Jun Sakamoto 坂本淳 @zokkon

出典:Twitter/@zokkon

@zokkon あくまで私の推測ですが、自費出版系で良くやる企画もの出版の可能性があり、その場合は筆者にほとんど権利がありません。最悪、代理筆記者を立てていたなどの話を持ち出し、原作者は筆者ではなく原案者であるとする可能性もありますね。 SKINPOP@仕事厨 @skin_pop

出典:Twitter/@skin_pop

@skin_pop そうそう。原作者が契約書をちゃんと読み込んでる事例のほうが少なそう。 Jun Sakamoto 坂本淳 @zokkon

出典:Twitter/@zokkon

@zokkon WEBで告訴宣言したのはバカだとは思うけどこれは舞台屋の暴走のようなので、出版社側は何か握ってるものがあるからここまで来たと思うんですよね。光文社というか元担当は大変そういうところはしっかりされた方ですので… SKINPOP@仕事厨 @skin_pop

出典:Twitter/@skin_pop

「原作者が契約書をちゃんと読み込んで」いないという事例は星の数ほどありそうですが、それをちゃんと説明するのが仕事という部分もあるだろうし、この辺りは誰が非を問われるべきなのかも悩ましいところです。

さらに、そうした原作からの舞台化に関する契約とは別に、舞台制作側と土屋アンナには雇用契約が発生しており、これがまた今回の問題をややこしくしているわけですが、その辺りを論考したブログ記事もありましたのでそちらもご紹介しておきます。

droit d'auteur:土屋アンナ舞台事件(Matimulog 2013/7/30)

仮に製作者側の言い分が正しいとなると、土屋アンナの立場は微妙である。濱田さんの誤った説明を信じたことが、出演契約を反故にしたことの正当な理由となるかどうかは、なんとも言えない。土屋アンナ側としては、一種の不安の抗弁を主張したいところであろうが。

出典:Matimulog

やはり、ここでも画像には原作者とされるべきところが良く見ると「原案者」として濱田朝美女史が書かれているのが気になるわけですね。

事と次第によっては、土屋アンナの立場が一番微妙なことになりそうではありますが、はたして事の真相はどうなんでしょうか。こうなってしまうと、以下のような話で済むのが一番美しいのかもしれませんねぇ……。

土屋アンナの件、ここまでが壮大なブックだった説をでっち上げて一人悦に浸ってる。監督「これまでの炎上ケースから考えると、この展開だと原作と土屋さんへの脚光すごいと思うんです」原作&土屋「えっそれじゃ監督さん一方的にヨゴレ過ぎじゃ…」監督「数字のためですよ、ハハハ」みたいな。 佐藤浩二 @kojisatooo

出典:Twitter/@kojisatooo

一連の情報を見ていると、一方的に土屋アンナ側を訴えるぞリリースを出した舞台興行者側も問題あるのかもしれませんが、どうやらこの著者に舞台化権の権利がなくて、それを著者が契約書読んでなかった感じなんでしょうか。光文社が許可を出しただけという話であれば、ものすごーく蓋然性のある納得のいく話になるわけですが。

まさか「黒幕は光文社だったのだー」「なんだってー」的世界観だと面白いんですけどね。実はお前は著者じゃないのだ、まとめたゴーストさんに印税は払われた! みたいな。

むしろこの紛争自体を劇にしたらシュールで面白いと思いますけどね。主演はとりあえずトリンドルあたりを使って。