日経のドコモ報道がまた色々と面白かった件

山本一郎です。いろんな意味で、退屈しない人生を送っております。

ところで、先日、日本経済新聞が1面トップ扱いでドコモに関する報道を行いました。

ドコモ、音声通話に定額制 14年度メド月1000円軸(日本経済新聞 2013/6/7)

しかし、その後、ドコモからはこの報道に対するコメントが発表されます。

本日、一部報道機関において、当社の携帯電話の音声通話に定額料金を採用する検討を始めた旨の報道がありましたが、当社が発表したものではございません。また現時点において、決定した事実はございません。

出典:ドコモからのお知らせ

なんといいましょうか、いつものよくある風景です。侘び寂びと申しますか、予定調和といいますか、水戸黄門に喧嘩を売る地方藩のお代官様の心象です。これまでのiPhoneを巡る報道でもそうでしたが、この両者の間だけにある機微のようなものを感じさせるわけですね。

その後、いくつかのメディアでは日経報道とドコモのコメントを並べた記事が掲載されていました。

「来年度メドに定額制」 ドコモ「事実無根」と否定(GoHoo 2013/6/7)

ドコモ、“音声定額”報道に「決定した事実ない」(ITmedia 2013/6/7)

ドコモ、音声通話定額について「決定した事実はない」(ケータイWatch)

ドコモが1000円で通話料金定額制検討中? でもドコモは否定。(ギズモード・ジャパン 2013/6/7)

若干株価に影響があったようですから、これに振り回された人にはいい迷惑だったのではないでしょうか。まあ、これだけ毎度振り回されてなお日経グループの報道を根拠にNTTドコモ株を触る学習能力の不足している投資家も少ないかとは思うわけですけれども。

日経電子版は、7日午前、朝刊の報道を受けて「実質的な値下げになるため、短期的な収益にマイナスに働く」という市場関係者の声とともに、NTTドコモの株価が下落したことを伝えていました。

出典:GoHoo

しかし、ドコモの否定的なコメントが出た後も、改めて日経の報道に追従する記事を載せる強気な報道メディアがありまして、これはこれでなかなか興味深いです。もちろん、記事にするからには日経に対してそのような状況を話す内部の関係者がいるということにも他ならないわけです。Webでの記事掲載時間を真に受けるなら、あえてこのタイミングではなかなか出来ないことで、もしかして、今回も独自の裏取りでもしたのでしょうか。

LTEで定額音声通話、ドコモ導入検討 無料通話アプリに音質で対抗(MSN産経west 2016/6/7 19:58)

このほか、日経とドコモ両者の発言の食い違いにツッコミを入れる体裁のコラム記事もありました。

ドコモの「音声通話定額制」は内部のリーク? それとも日経“恒例”の飛ばし記事?(ビジネスジャーナル 2013/6/9)

ちなみに今回の件について、東京スポーツは「日経さんの報じた音声通話の定額制をまたドコモが否定。iPhone報道のころも思ってたんですけど、これ漫才ではなかろうかもん(´・ω・`)」とツイート。

出典:ビジネスジャーナル

記事中で紹介されている東京スポーツのツイートにはほのぼのしますが、というかなんで東京スポーツやねんという気もしますが、あ、いや東京スポーツは大好きですが、この場合は漫才というよりはプロレスに近いような気もします。漫才は見ている誰もがそこでの会話を事実とは思いませんが、プロレスの場合にはどこまでが真実でどこからが虚構か分からない、まさに虚実皮膜な美しさがありまして、まさにこの日経とドコモの関係がそれを感じさせるわけです。以前にも書きましたが、ドコモはこれから6月18日に定時株主総会が控えています。そこへ向けての観測気球も含めてのアングルが日経の記事には込められているのではないかと、妙な妄想をしてしまうわけですね。他キャリアに比べてドコモはスター的なポジションの人に欠ける嫌いがありますが、その分を組織力で面白い試合に見せてくれるところはさすが業界トップの面目躍如ともいえるでしょう。

まあ、ドコモの中の人は日経が云々に関わらず大変だろうとは思うんですけどね。本当にお疲れ様です。彼らの苦労が良い意味できちんと報われる日が来ることを、ドコモユーザーとしては願うほかありません。

ただSamsung Kiesは完全にスパイウェアなんで、本当にどうにかしてください。