今年のドコモに熱い夏はやってくるのか

山本一郎です。凄い風でしたが、一過、晴天になって、清々しいですね。

清々しいといえば、先週末、日経と産経がほぼ同じようなタイミングで、ドコモの不振にまつわる記事を掲載しました。しかも、単なる不振ぶりを報告するというだけではなかった点が話題となりました。

ドコモ、顧客流出続く iPhone導入検討(日本経済新聞 2013/4/5)

ドコモ、今夏にもiPhone投入へ 劣勢挽回狙う(産経新聞 2013/4/5)

いずれの記事も、2012年度のドコモの転出超過数が140万件を越える過去最大の数字を記録したという事実を述べつつ、これだけ不振となっては、もはやiPhoneを始めるしかないだろうといった憶測へ結びつける内容です。

ドコモは劣勢挽回にはiPhone投入が不可欠と判断したようだ。アップルとの交渉が最終決着すれば、米国で6月の発表がうわさされているiPhoneの新機種を発売する見通し。現行の米グーグル社製基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載スマホの機種を絞り込む一方、iPhoneの投入で巻き返しを図りたい考えだ。

「~したようだ」「~見通し」といった言葉づかいで一体誰がそういう意向を表明しているのか不明なまま、「iPhone」という単語を見出しに使い、今夏には導入かという論旨の記事を掲載するなど、1紙だけならともかく、大手新聞2紙がほぼ同じタイミングでとなると、これはなかなか偶然では起こりえないと思われます。なにがしかの力が動いての観測気球打ち上げという感じでしょうか。空中戦といっても限度があります。関係各所の皆さんは色々と大変そうで、おつかれさまです。

ところで、ドコモによるiPhone導入説にまつわる話で最近一番興味深いのは、Appleの携帯電話端末が国内の技術基準適合証明、いわゆる「技適」で新たな周波数帯の認証を昨年末に受けているというものです。

iPhoneとiPadがドコモのW-CDMA 800(XIX) MHzを追加で技適を通過(Blog of Mobile!!~最新ケータイ情報~ 2013/4/8)

世界中でドコモのみが使っている周波数帯をわざわざ追加したというのですから、Apple側でもドコモへの対応を具体的に進めていると考えるのは確かに自然なのではないでしょうか。

はたして、ここに至る経緯が誰のどういった思惑によるものなのか、色々と裏を考えてしまいます。どうせなら、ドコモ社内でも混乱に次ぐ混乱で意思統一が出来ないまま、勝手に一部勢力が動いて今ここに至り、さらに大混乱みたいなパターンが一番面白いですね。社内では当然のようにAndroid組やTizen組も暗躍しているはずですから、まだまだ先は見えません。

ドコモ販売店の中の人も混乱ぎみなようです。

「ドコモからiPhone」についての話。

僕もドコモショップで堂々とiPhoneを販売できる日を楽しみに待とうと思います。

Yahoo!知恵袋に、ドコモのiPhoneにまつわるこれまでの迷走ぶりをまとめた記事がありました。そういえば「DoCoMo 2.0」なんていうキャンペーンも昔ありましたね。あの混乱ぶりが今年の夏また起きるのでしょうか? 今から熱いものを期待したいところです。

NTTドコモの公式会見から 「iPhoneは、出ない」 理由を集めるノート(Yahoo!知恵袋)

良くも悪くも、リーダーの出現と命令系統の一本化というのはここまで大事なことなのだなあと改めて分かる事件となってしまいました。市場がある程度ゆっくりと流れている時代であれば、半国営でも問題なかったのかもしれませんが、ここまで海外市場との技術、市場、製品のクロスが発生し始めると、ビジネスモデルの再構築も含めて真の意味での組織力が試される、ということなのかもしれません。