「まとめサイト」ブームのお陰でNAVER訪問者がTwitterを抜く

やまもといちろうです。喉が痛いです。皆さん、乾燥と風邪にはくれぐれもご留意をと思います。

風邪とは無関係ですが、ネット解析野郎御用達のニールセンがインターネット視聴率データ「Nielsen NetView」の2012年12月データを一部公開し、簡単な概要を発表していまして、興味深い記事が出ておりましたのでご紹介したいと思います。

「NAVER まとめ」の月間訪問者数が1,300万人を突破(ニールセン 2013/2/25)

これによると、NHN Japanが提供するサイト「NAVERまとめ」への訪問者数が前年同月比で2.3倍の増加を記録し、PCでネットを利用する5人に1人が月に1回以上、同サイトを閲覧していることになるそうです。

また、前年からの増加幅ではFacebookを上回り、月間訪問者数はTwitterを超えています。

この調査で特に興味深いのは、訪問者がNAVERまとめへ訪れる直前と直後に閲覧しているドメインの傾向で、直前は「yahoo.co.jp が46%、google.co.jp が28%、yahoo.co.jp、google.co.jpの2ドメインを合わせると71%」となっていることです。そして、閲覧後の訪問先はまんべんなく分散されていることから以下のような考察がされています。

ユーザーは検索により各まとめ記事に直接訪問し、その後、必要に応じて、まとめ記事からリンクされている外部のサイトに流出している様子がわかります

以前であれば、多くのネットユーザーにとっては、ヤフーのような巨大ポータルサイトこそが、ネット上のすべての情報への窓口となって、そこから各種トピックスへユーザーの興味の赴くままに閲覧にいくというスタイルが一般的でした。

ポータルサイト ベスト10を選ぶ(個人Webサイト記事)

Yahoo!とGoogle以外のポータルサイトってどう?(スラッシュドット・ジャパン 2008/2/8)

ポータルサイトという考え方が多くの人に受け入れられた理由の一つには、PCのWebブラウザに「ホームページ」という機能があり、そこにとりあえずポータルサイトのURLを入れておき、ブラウザを立ち上げると最初に見るという行動パターンが定着したことがあるでしょう。いまなお、ネットユーザーのマジョリティ層で相応の割合がこのホームURLにヤフーなどを登録しているユーザーになっているようです。

しかし、ここ近年はSNSの普及も手伝って、どこかで見たり聞いたりしたキーワードをそのまま検索エンジンに放り込み、そこでヒットした検索結果から情報を見るという利用形態が増えてきており、その結果旧来のポータルサイトを経由しないことや、利用も検索のみが中心というユーザー行動も当たり前になってきました。

そうした中で、検索時にある程度の情報がひとかたまりになった「まとめ記事」を見つけると、ついつい便利そうだから閲覧してしまう傾向があるのは理解できます。

NAVERまとめを筆頭としたまとめサイトのメリットは、大手ポータルサイトでは対応できないような細々とした話題がユーザー視点でまとめられ、知りたい情報をピンポイントに近い形で一覧できる点にあるでしょう。検索時に知りたいキーワードと一緒に「まとめ」という言葉を使えば、ぞろぞろとまとめ記事を見つけられます。

しかし、一方で、まとめサイトの情報には恣意的な編集が行われている可能性があったり、他のサイトにある情報の単なるコピーであったりと、数々の問題点も指摘されています。

そのまとめ、転載だよ。知らないのかい? 悪質な「転載まとめ」に非難の声 リツイート数は元記事の40倍(ねとらぼ 2012/6/20)

NAVERが人のまとめを模倣ばっかしている輩に「お灸をすえちゃうぞこのやろー」と生暖かくアドバイス(Careless Remark plus 2013/2/10)

NAVERまとめだけの問題ではないですが、誰かの書いた記事をそのまま転載してもアクセスを大量に得られればアフィリエイトで稼げてしまうという現実が、今のネットの問題でもあります。そういった作業がいかに簡単かをやや皮肉まじりで紹介しているブログもあります。

自分でコンテンツを作らない「パクリまとめサイト」の作り方(WEB情報資産の研究ブログ)

大手ポータルサイトがプロの「ネットサーファー」を雇って、記事の中身を精査しながら読者へ情報を紹介していたのはもはや昔話でしかありませんが、手軽な小遣い稼ぎ目的でデタラメな情報をまき散らすまとめサイト・記事ばかりが横行してしまう状況も歓迎しかねるものがあります。一時期は、2ちゃんねる系まとめサイトも、その管理人の嗜好や見解をまとめの中に色濃く反映させることで印象操作を図っていると批難されるケースが散見されました。

わかりやすくて読みやすいといった、バランスの良い情報の流れが求められる時代ですが、その情報の質をしっかりと担保しながら実現するのはなかなか難しいなぁと痛感する次第です。結局は、まとめをする人の意識や編集の能力次第なところはあるのでしょうが、ここまでまとめサイトという文化が日本の中に定着すると、適正な引用や望まれる編集のあり方といった、別の意味でのリテラシーが求められるようになるでしょう。

これらのまとめサイトブームが一過性のものなのか、ある程度ネット文化の中で一角を占める以上の定着をするものなのか、ちょっとまだ分からないところはあります。あまりに野放図な引用や、煽りタイトルで釣る人も続出していますし、いまは流行っていても、ある程度の揺り戻しはあるんじゃなかろうかと感じます。

さらにスマホへと主戦場が動く途上にありますし、どのような形に変わっていくのか興味深く見守っていく必要がありそうです。あまりにもユーザーが好むサイトの形が爆速すぎて、何だか良く分からないです、正直。