Facebook、今度は「友達追跡アプリ」リリースで騒動

山本一郎です。お疲れ様です。

Facebookがまた新しいソーシャルな機能を提供する可能性があるという報道がありました。元々のソースは「Bloomberg」で、2名の事情通から得た話を元にした記事。それをCNETが取り上げ、日本では以下の抄訳が公開されています。

Facebook、友達を追跡する新たなアプリを開発中か(CNET Japan 2013/2/5)

Bloombergは、まだ名前の付けられていないこのアプリが、3月に開催されるSouth by Southwest(SXSW)に間に合うようにリリースされる予定だと報じている。同アプリは、開いてない状態であっても、バックグラウンドでユーザーの居場所を追跡し、その居場所を近くにいる友達に知らせるようになっているという。

注目したいのは、同機能を既存のFacebookアプリには内包せず、単独アプリで別途提供しようという点です。CNETの記事では以下のような考察が記されていますが、まさに、アプリをインストールした時点ですべてはユーザーの自己責任ということになるのでしょう。何か事故が起きても、その新しいアプリ単独の問題として切り離してFacebook全体がBANされないようにしたいという大人の工夫が感じられます。

プライバシーに対する明らかな懸念があることを考えると、ユーザーがダウンロードというかたちで明確な参加表明を行うアプリでこの機能をテストする方が賢明かもしれない。

もっとも、Facebookはそんなことをせずとも、いくらでもどんどん個人のプライバシーを深掘りできるような機能を本体で追加していて、最近も「グラフ検索」という新機能がベータ版として米国向けに限定公開されました。基本的には「いいね!」に連動して動作するのですが、個人の嗜好をダイレクトにキーワード検索できることから、米国内では色々と波紋を呼んでいます。こんな適当な感じで大丈夫か? という論調が多いのが特徴です。

フェイスブックの「グラフ検索」が突きつけた「プライバシー管理の責任所在」(Computerworld 2013/1/28)

Facebookのグラフ検索はあなたのプライバシー設定を無視していない。そう感じるだけだ(TechCrunch Japan 2013/2//5)

あなたは大丈夫? Facebookグラフ検索で本性むき出しになった人々(ギズモード・ジャパン 2013/1/17)

フェイスブック「グラフサーチ」は例によって怖い(ニューズウィーク日本版 2013/1/19)

フェイスブックのグラフ検索は両刃の剣(現代ビジネス 2013/1/24)

Facebook「グラフ検索」に、セキュリティ各社から懸念の声(RBB TODAY 2013/1/30)

この他にも、グラフ検索に関する論考はネット上に多数見つけることができ、さすがFacebookという感じです。もはや物議を醸すためにわざと成長したネット企業の鑑と言えましょう。

Facebookのコンプライアンスというのは、なかなか既存の常識ではとらえきれないところがあり、なかなか興味深いわけですが、そんな有り様に鋭くツッコミを入れ、広くユーザーのセキュリティ意識向上を訴え続けているサイトがありましたので、最近の記事をいくつかご紹介しておきます。

【警告】日本のFacebookは悪の温床。クレジットカード登録の方は即チェックを!!(More Access,More Fun! 2013/1/25)

ようやく見えてきた、Facebook架空中華美女IDの狙いはこれか・・(More Access,More Fun! 2013/1/29)

じっちゃんの名にかけて、Facebookで大量生産されるクローン架空IDの謎を解いてみた(More Access,More Fun! 2013/2/1)

【iOS防御設定方法付】今度はFacebookアカウント乗っ取りで住所録引っ張って架空請求。(More Access,More Fun! 2013/2/5)

上記の一連の記事は、Facebookから個人情報が漏洩した結果、詐欺などの被害が発生する可能性を考察しているのですが、新しいグラフ検索を利用できればこういう事態がさらに拡大する可能性も検討する必要があるかもしれません。もっとも、同じサイトではFacebookがオワコンという話も展開されていまして、そちらの方はまだ早計ではないかなという気もしますし、あくまでも一つのご意見として読ませていただくのが良いかとは思います。さすがに会員数の伸びが頭打ちになったからいきなりオワコン宣言するのもどうかと感じますし。

さて、Facebookは本当に友達追跡アプリを公開するのでしょうか? まぁ、あのFacebookならば、出してきてもあまり驚かないというところではあります。別アプリで出す理由も、より効率的にバックグラウンドで動作させるためには、Facebookアプリとは別にした方が良いといったところでしょうか。

まあ、個人的にはどっかで派手に問題を起こして、この手のサービス全般にゆるい規制がなされたり、個人情報の認証についてもう少しみんな神経質に考えるようになるとネット社会も少しは「公共」の概念が出てきていいんじゃないかと思うんですが。