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auじぶん銀行「ポイントただ取り」終わる au経済圏への影響は

山口健太ITジャーナリスト
「じぶんプラス」の画面(auじぶん銀行のWebサイトより、筆者撮影)

auじぶん銀行が、ステージ制プログラム「じぶんプラス」のポイント加算条件を5月1日から一部変更します。

その中で、毎月最大1500ポイントの「ただ取り」が塞がれることになりました。変更内容は妥当といえるものですが、au経済圏への影響は気になるところです。

本来の積み立て利用者向けの条件に

じぶんプラスは、約1年前の2022年4月にリニューアルした際、外貨自動積立でPontaポイントを得られる特典が加わりました。

外貨預金では預入と払戻のレートに差があり、auじぶん銀行で米ドルの場合は25銭です。しかし、じぶんプラスのステージによっては、それを上回るポイントがもらえるという、常識を覆す設定になっていました。

たとえば毎月10万円分の米ドルを積み立てる場合、最上位の「プレミアム」ステージでは1500ポイントを獲得できます。じぶんプラスでプレミアムになるための条件も、比較的緩く設定されています。

毎月10万円というのは大きな金額ですが、外貨預金に興味がない人でも、外貨を積み立てた直後に円に払い戻しをすることで、ポイントだけ得るという手法が確立していました。

もちろん、積み立てた直後に為替が大きく動くリスクは無視できないものの、ドル円のレートが動かないと仮定した場合、理論的には約187円で最大1500ポイントを得ることができました。

しかし今回の変更により、5月1日からは「前月または当月に外貨から円への払戻取引がないこと」という条件が加わります。積み立ての直後に払い戻しをすると、ポイント加算の対象外となりそうです。

5月1日からポイント加算に条件が加わる(auじぶん銀行のお知らせより、筆者作成)
5月1日からポイント加算に条件が加わる(auじぶん銀行のお知らせより、筆者作成)

その背景を、auじぶん銀行に聞いてみました。まず、外貨自動積立については、「為替変動に左右されず、無理のない範囲で外貨を積み立て、中長期保有で資産形成を目指すことができる商品」(auじぶん銀行広報)と位置付けています。

その上で、変更の目的は「商品の特徴である長期分散貯蓄のメリットをより感じ、資産形成を目指していただけるようにするため」(同)とのこと。「外貨を積み立てて資産形成を目指すという目的に沿った利用に対してポイント加算することとした」(同)としています。

ポイントのただ取りが「目的に沿った利用」ではないことは明らかといえますが、ここまで1年続いたということは、ある程度は想定の範囲内だったという印象も受けます。

実際のところ、上位のステージを維持するためには、auじぶん銀行やau経済圏のサービスをよく理解し、毎月20日のステージ判定日を意識しながら利用する必要がありました。その効果は十分にあったとも考えられます。

上位ステージを維持するには毎月のサービス利用が必要になる(auじぶん銀行のWebサイトより、筆者作成)
上位ステージを維持するには毎月のサービス利用が必要になる(auじぶん銀行のWebサイトより、筆者作成)

5月からは、ポイント加算対象となる積立金額の上限が10万円から5万円に変更されます。この点については、「お客さま皆さまのご利用状況などから検討した」(auじぶん銀行広報)としています。

なお、新たにじぶん銀行FXでの特典が加わり、たとえば米ドルで1万通貨以上の取引をするとプレミアムステージでは15ポイントが加算されます(月100回が上限)。しかし、スプレッド(2銭)を考慮すると、ポイントを目当てに取引するのは得策ではないでしょう。

このように「ただ取り」は塞がれたものの、月額5万円まで外貨を積み立てたい人にとっては、これまで通りの還元率となる最大750ポイントを得られます。5月以降も、この魅力は変わらないといえそうです。

au経済圏への影響はある?

ポイントのただ取りができなくなるのは、ある意味では本来の姿に戻るだけといえます。

しかし、毎月付与される最大1500ポイントがau経済圏の利用を底上げしていたと考えると、どういう影響があるのかは気になるところです。

また、じぶんプラスで得たポイントは「au Pontaポイントプログラム」の判定にも使われています。3か月で6001ポイント以上を獲得すると最上位のレベル5になり、クーポンなどがもらえるため、au PAYを利用する機会になっていました。

サービス内容の改定はau経済圏に限った話ではないものの、最近ではau PAYカードからau PAY残高へのチャージ請求書支払いでポイント還元がなくなるなど、au PAYに関する「改悪」も続いています。

1つ1つは小さな変更であっても、それが積み重なっていくことで、経済圏との付き合い方を見直す人が出てくるかもしれません。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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