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マイナポイント第2弾が好調 工夫次第で「現金化」も

山口健太ITジャーナリスト
マイナポイント第2弾の申し込みは好調という(Webサイトより、筆者撮影)

7月6日、総務省は「マイナポイント第2弾」の申し込みが開始後5日間で約338万件と発表しました。第1弾を上回る注目度の高さがうかがえるだけでなく、ポイントの「現金化」や、「1ポイント=1円」以上に価値を高める方法など、話題が広がっています。

決済サービスによっては「現金化」可能

総務省が発表した開始後5日間の申し込み件数は、カード新規取得者に対するポイントが約44万件、健康保険証利用の登録が約314万件、公金受取口座の登録が約292万件で、いずれか1つ以上の申し込みを合計すると約338万件としています。

マイナポイント「第1弾」は、開始後5日間の申し込み件数が約78万件だったことと比べると、大幅に注目度が高まっていることがうかがえます。

よく誤解されていますが、「マイナポイント」という名前のポイントがもらえるわけではなく、受け取る決済サービスは複数の事業者から選ぶことができます。

また、第2弾で加わった健康保険証と公金受取口座の条件については、ポイントをもらうために「チャージ」をする必要はなく、条件を満たせば自動的に付与されます。

このことから、決済サービスによってはマイナポイントを「現金化」する方法があることが話題になっています。

1つの方法は「au PAY」を使うものです。au PAYは、auの携帯電話ユーザーだけでなく、いまではau IDを登録すれば誰でも使えるようになっています。

マイナポイントは、au PAYの残高として付与されます。残高によっては送金や銀行口座への払い出しができないものもありますが、マイナポイントは払い出し「可能」となっています。

au PAY残高の払い出しには「auじぶん銀行」の口座が必要です。払い出しには手動と自動があり、自動での払い出し機能をうまく使えば、手数料無料で払い出しが可能です。

つまりau PAYを使っていて、auじぶん銀行の口座も持っており、自動払い出しの仕組みを理解している人なら、間接的にマイナポイントを現金化できるというわけです。

ほかにも「JCBデビットカード」は、2022年9月以降、付与ポイント相当の金額を支払い口座に「入金」するとの説明があることから、より直接的に現金で受け取れるようです。

マイナポイント事業の目的の1つが「消費の活性化」であることを考えれば、現金は貯蓄に回される可能性があるため、目的にそぐわない印象はあります。

ただ、現金化できるのは一部の決済サービスの仕様による例外的なケースであり、大半はポイントや電子マネーとして消費に回ると思われるので、それほど問題になることはないでしょう。

「1ポイント=1円」以上の価値を引き出すには

マイナポイントをポイントや電子マネーとして受け取った後、いかにして活用するかも話題になっています。

最近、筆者はWAONの残高を増やしたいので、マイナポイントはau PAY残高として受け取り、au PAYプリペイドカードからApple Payを経由してWAONにチャージしました。

これだけでも0.5%のPontaポイントが付与されますが、さらに「楽天ギフトカード」の取り扱いがあるミニストップがあれば、WAONで支払うことで1%のWAON POINTが付与されます。

楽天ギフトカードは楽天キャッシュとしてチャージできるので、楽天ペイでの支払いや楽天証券での積み立てに使うことで、合計1.5%〜2.5%の還元を得られるというわけです。

旅行が好きな人なら「JRE POINT」でしょう。最近、JRE POINTからSuicaへのチャージが一時停止しており、不満が高まっていましたが、7月6日に再開しています。

それに加えて、JRE POINTは新幹線のチケットに交換したり、座席をグリーン車にアップグレードしたりと、航空会社のマイレージのように活用できるようになっています。

7月5日には、東京から行き先がランダムに選ばれる「ガチャ」要素のあるチケットが発表されました。マイナポイントを狙い撃ちしたかのようなタイミングといえます。

もらえるポイント自体は他の人と同じですが、そこからひと工夫して、「1ポイント=1円以上」の価値を引き出す方法を考えてみるのも面白そうです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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