楽天が電子マネー「楽天キャッシュ」のサービスを拡充し、投信積立や楽天Edyとの相互交換が始まります。ポイント還元などで消費者にメリットはある一方、「難しすぎる」との声もあるようです。

「楽天キャッシュ」はEdyと相互交換も可能に

楽天といえば、買い物やサービスの利用でもらえる「ポイント」を思い浮かべる人が多いでしょう。これとは別に、電子マネーとしては「楽天Edy」が広く使われています。

ここにオンラインの電子マネーとして加わったのが「楽天キャッシュ」です。始まったのは2008年と、Edyが楽天グループに加わった2010年よりも前から存在していたといいます。

現在では楽天キャッシュの用途はオンラインだけでなく、「楽天ペイ」アプリによるコード決済を通してオフラインにも広がっています。

さらに、今夏には楽天キャッシュと楽天Edyの相互交換に対応する予定です。2つの電子マネーを統合するまでには至らないようですが、Edyギフトを介して簡単に交換できるようになるとのことです。

楽天キャッシュと楽天Edyの相互交換が可能に(楽天ペイメント提供資料)
楽天キャッシュと楽天Edyの相互交換が可能に(楽天ペイメント提供資料)

オフライン利用が広がるといっても、iDやQUICPay、Visaのタッチ決済などに対応する予定はなく、楽天ペイや楽天Edyの加盟店ネットワークを活用する方針としています。この点はユーザーとして不便に感じる場面があるかもしれません。

チャージ方法も広がります。コンビニなどで買えるPOSAカードとして「楽天ギフトカード」を5月30日に提供開始。今夏には、全国2万6000台のセブン銀行ATMからの現金チャージにも対応する予定です。

新たな使い道としては、楽天キャッシュによる「投信積立」が6月19日に始まります。これまでの楽天カードとあわせて、ポイント還元のある積み立て枠が月10万円に広がることになります。

これにあわせて「残高キープチャージ」も加わります。楽天キャッシュを日常的に使いつつ、積立の際に残高が不足することがないよう、オートチャージする機能といえます。

楽天キャッシュに「残高キープチャージ」機能が加わる(楽天ペイメント提供資料)
楽天キャッシュに「残高キープチャージ」機能が加わる(楽天ペイメント提供資料)

最近はカード投信積立に参入が相次いでおり、ポイント還元に目移りしそうになりますが、楽天ギフトカードをおトクに買う方法とあわせて、楽天証券にユーザーをつなぎとめる効果を期待できそうです。

サービスの複雑化が課題か

楽天キャッシュについての基本的な疑問として、すでに楽天カードや楽天Edyがあるのに、わざわざチャージしてまで使う必要はあるのでしょうか。

楽天では、メリットとしてポイント還元を強調しています。楽天カードを普通に使えば1%還元ですが、楽天キャッシュにチャージしてから楽天ペイで使うと1.5%還元になります。これは他社を上回るといいます。

楽天ペイを他社と比較。A社はPayPay、B社はd払い、C社はau PAYとみられる(楽天ペイメント提供資料)
楽天ペイを他社と比較。A社はPayPay、B社はd払い、C社はau PAYとみられる(楽天ペイメント提供資料)

使いこなせばおトクというのは分かりますが、楽天の電子マネーが全体的に難しくなりすぎている感は否めません。

楽天が開催した報道関係者向けの勉強会では、参加した記者から「各サービスの関係が分からない」との質問が挙がりました。日頃から取材している記者が理解できないものは、一般の人にとってもハードルが高いと考えられます。

楽天ペイのアプリは「オールインワン」をうたうが、複雑すぎる?(楽天ペイメント提供資料)
楽天ペイのアプリは「オールインワン」をうたうが、複雑すぎる?(楽天ペイメント提供資料)

やむを得ない面として、たとえば楽天Edyはスマホを持たない人でもプラスチックカードで使えることを利点としているなど、幅広いユーザーに対応するためというのはありそうです。

似たような問題は携帯の大手3キャリアでも指摘されてきましたが、最近はブランドを分けることで乗り越えようとしています。楽天にも、そろそろシンプルで分かりやすい入り口が求められているのかもしれません。