楽天モバイルによる「0円廃止」が大きな話題になっている裏で、基本料0円の「povo2.0」に申し込みが集中。本人確認に時間がかかる事態が起きています。各社の思惑が交錯する「3GB料金」にも注目です。

楽天の発表後「povo2.0」に申し込み集中

楽天モバイルは「1GBまで0円」だった料金プランを7月1日に変更し、既存ユーザーを含めて税込1078円からになります。

これに対してKDDIの「povo2.0」は、基本料金が0円で、そこに「トッピング」と呼ばれる音声通話やデータ容量の有料オプションを追加していく料金プランです。

データ通信は30日間使える3GBが税込990円、24時間の使い放題は330円など。ほかにも「DAZN」の1週間使い放題パックなど、独自のサービスがあります。

楽天の発表を受け、povoはネットで流行しているミーム画像(に似せて作ったと思われるオリジナル画像)をSNSに再投稿し、「基本料0円」をアピール。5月15日時点で4700件のリツイートと2万件のいいねがついています。

これが盛り上がりすぎたのか、povoのWebサイトでは申し込み集中により本人確認に時間を要する事態になっていることを告知しています。

申し込みが集中していることを発表した(povoのWebサイトより)
申し込みが集中していることを発表した(povoのWebサイトより)

楽天が新料金に移行するのは7月1日で、最初の4ヶ月は実質無料となることから本格的な移行需要とは考えにくいものの、SNSで話題になったことにより予想外のタイミングで申し込みが増えたことがうかがえます。

また、楽天の決算では三木谷氏による「0円でずっと使われても困る」との発言が反響を呼びましたが、povo2.0も基本的な考え方は似通っており、180日間有料トッピングの購入などがない場合は利用停止になるとの注意事項があります。

とはいえ、サブ回線としてなるべく0円で維持したい人にとって、povo2.0は最有力候補といえます。使いたい分だけ買う方式は、慣れれば分かりやすく、筆者もときどき24時間の使い放題を活用しています。

5月13日に開かれたKDDIの決算説明会で、povo2.0の契約数は120万件と語られています。楽天が新料金に移行することで、この数字にどのような変化が現れるのか注目されそうです。

「3GB料金」で各社の思惑が交錯

povo2.0以外にも、3GBの料金プランに注目が集まっています。各社が競合する税込990円に対して、楽天モバイルの税込1078円(税抜980円)は高いのではないか、との指摘もあるようです。

3GBプランで各社の料金を比較(筆者作成)
3GBプランで各社の料金を比較(筆者作成)

楽天は発表会などで「税抜980円」を強調しており、他社の「税込990円」より少しでも安く見せたい思惑が感じられます。ただ、メディアや店頭に掲載される比較表では「税込」表記が主体と思われることから、値下げ圧力は高まるかもしれません。

また、楽天には「データを3GBで止める」機能がなく、使いすぎると1つ上の段階である「3GB〜20GBまで税込2178円」になります。これを防ぐにはデータの使用量をアプリで確認したり、Androidの設定で上限を設けたりするなど、ユーザー側で工夫が求められます。

音声通話では楽天に優位性があります。「Rakuten Link」アプリで国内通話は無料(0570のナビダイヤルなどを除く)になり、パートナーエリアを含めてデータ通信の容量としてもカウントされないため、無制限に使えます。

一方、Rakuten LinkにはiPhoneで使いにくい点があることから、楽天はOS標準の電話アプリを用いた「10分(標準)通話かけ放題」を税込1100円で提供してきました。これが7月1日からは「15分」に延長されます。

先ほどの表に音声定額の料金を加えると、以下のようになります。

各社の3GBプランに音声定額を加えて比較した(筆者作成)
各社の3GBプランに音声定額を加えて比較した(筆者作成)

今回は3GBと音声定額に注目して比較しましたが、楽天がモバイルの新料金とあわせて楽天市場でのポイント倍率を引き上げたように、Eコマースや金融サービスとの連携を考慮した場合には別の見方もできそうです。

その中で、携帯値下げで市場をリードする立場だった楽天モバイルが、ところどころ値下げ圧力を受ける側になりつつあるのは面白い点といえます。