リクルートと三菱UFJ銀行が、新たな決済アプリ「エアウォレット」の提供を開始しました。しかし多くのPayアプリが競い合う「ポイント還元」はないとのこと。消費者にとって、どのようなメリットがあるのでしょうか。

エアウォレット」は、リクルートと三菱UFJ銀行が共同出資する「リクルートMUFGビジネス」が提供するiOS/Androidアプリの名前です。QRコード決済のブランドとしては「COIN+」の名前で展開しています。

特徴として送金や入出金が無料となっており、三菱UFJ銀行や三井住友銀行、複数の地方銀行の口座を登録できます。使える場所は全国22万店の「Airペイ」導入店舗で、対応しているかどうかはCOIN+のロゴが目印になります。

COIN+のロゴ(リクルートMUFGビジネス提供画像)
COIN+のロゴ(リクルートMUFGビジネス提供画像)

特徴がこれだけなら、すでに使い慣れているPayPayで十分という人も多いのではないでしょうか。しかしCOIN+の面白いところは、他社のアプリに組み込める点にあり、2022年春には無印良品の「MUJI passport」アプリと連携する予定です。

こうした連携機能を含め、決済手数料は税別0.99%、税込1.08%となっており、他の決済サービスに比べて大幅に安い水準です。たとえばPayPayの場合、中小店舗向けには税別1.60〜1.98%の手数料で業界最安水準をうたっていました。

ここまで手数料を安くできた理由として、「銀行直結」で中間コストを削減できたことに加え、「ポイントなどの販促費を除外した」と説明しています。Payアプリで定番のポイント還元をなくすことで、決済手数料を引き下げたわけです。

ただしCOIN+としてのポイント還元はありませんが、導入店舗や企業側で独自の施策を提供できるとのこと。店舗や企業にとっては他のPayアプリよりも安い決済手数料で導入しやすく、必要に応じて還元などのキャンペーンも打てる、合理的な仕組みという印象です。

スーパーアプリとは逆に、既存アプリと連携

携帯キャリアなどが展開するPayアプリは、さまざまなサービスやミニアプリを統合した「スーパーアプリ化」を進めています。消費者には、まずPayアプリを開いてもらいたいという考え方です。

これに対して、良品計画のようなB2C企業は消費者向けに独自のアプリを提供しています。こうした既存アプリに決済機能を組み込む方式は、かつてOrigami Pay(現在はメルペイに統合)が構想を打ち出したことがあります。最近ではセブン-イレブンのアプリがPayPayを組み込み、2021年9月時点で700万人以上が利用しています。

このような組み込み方式であれば、消費者はエアウォレットという新しい決済アプリを入れることなく、慣れ親しんだ無印良品などのアプリを使って支払いまで完結できるメリットがあります。

また、無印良品の店舗で買い物をする際には、まずは無印良品のアプリでポイントをため、次に別の手段で支払いをするという二度手間がありました。COIN+との連携により、こうした手間を省くことができれば利便性の向上も期待できます。