11月24日、フードデリバリーのDoorDash(ドアダッシュ)は2つの店舗に1回のオーダーで注文できる新サービスを発表しました。これまでのデリバリーになかった「あわせ買い」需要に応えている点に注目です。

米国最大手のフードデリバリー事業者として知られるドアダッシュは、2021年6月に日本に上陸。まずは宮城県仙台市から始め、埼玉県や岡山県など競合の少ない地方都市に展開。そして今回、展開地域に北海道札幌市が加わりました。

特徴として、アプリからの注文だけでなく、加盟店が運営するWebサイトにデリバリーやテイクアウト機能を組み込めるサービスを提供しています。加盟店にとっては自社サイトへの集客はそのままに、デリバリーだけをドアダッシュに委託できる仕組みが好評を得ているといいます。

さらに新サービスとして、8月に米国で始まった「DoubleDash(ダブルダッシュ)」を日本に導入します。これは2つの異なる加盟店に1回分のオーダーで注文できるサービスで、配送料も1回分で済むとのこと。まずは宮城県の一部において、「飲食店+ローソン」の注文が可能になります。

1回の注文で2店舗にオーダーできる「DoubleDash」(DoorDash提供画像)
1回の注文で2店舗にオーダーできる「DoubleDash」(DoorDash提供画像)

加盟店のメリットとして、注文数の増加や新規顧客の獲得、他社との共同プロモーションといった点を挙げています。配達員にとっては、配達距離が伸びることで報酬にプラスの効果があるようです。

ローソンの「からあげクン」は、他社のフードデリバリーで高い人気を誇っています。ほかにも単体ではデリバリーで注文しにくい日用品、コンビニだけのドリンクやスイーツを一緒に注文するなど、あわせ買いの需要がありそうです。

ただ、ダブルダッシュで2つの店舗を自由に組み合わせることはできないようです。これは配達距離の問題や、商品が冷めてしまう問題があるためで、品質を担保できる範囲で展開していく方針としています。

デリバリー市場ではコンビニが取り扱うような人気商品を中心に、30分以内の配達をうたう「Qコマース」が盛り上がっています。ドアダッシュとローソンの提携も、このトレンドに乗った動きといえるでしょう。

世界戦略はどう変わる?

米国本社の動きとして、ドアダッシュはフィンランド発のフードデリバリー「Wolt(ウォルト)」を買収することを11月9日に発表しています。米国市場に強いドアダッシュと、欧州市場に強いウォルトが一緒になることで、お互いの強みを組み合わせた関係になると期待されます。

DoorDashとWoltは得意とする市場が異なる(米DoorDashの投資家向け資料より)
DoorDashとWoltは得意とする市場が異なる(米DoorDashの投資家向け資料より)

ただ、この買収はまだ基本合意の段階に過ぎず、正式に承認ではないとのこと。DoorDash日本法人の代表兼カントリーマネージャーを務める山本竜馬氏は、「今後のグローバルの展開プラン、日本での展開プランについて回答できることは現時点ではない」としています。

DoorDash日本法人 代表兼カントリーマネージャーの山本竜馬氏(DoorDash提供画像)
DoorDash日本法人 代表兼カントリーマネージャーの山本竜馬氏(DoorDash提供画像)

一方で、フードデリバリーでは企業の買収や合併が続いていることから「過当競争に陥っているのでは」との見方について、山本氏は否定しています。「デリバリーはまだまだ浸透しておらず、市場はそれを上回る勢いで伸びている。注文するのは半年に一回という人も多く、もっと頻度を上げてもらえるように取り組んでいる。配達業務を増やすことで、配達員にはもっと稼ぐ機会を提供したい」と語っています。