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【速報】「ナイキの厚底」が全日本大学駅伝の区間賞を総なめに! 独壇場はいつまで続くか?

山口一臣THE POWER NEWS代表(ジャーナリスト)
ナイキの「スーパー厚底」でフィニッシュする駒澤大・田澤康選手(テレビ朝日より)

■素晴らしいレース展開だった全日本大学駅伝

 秩父宮賜杯 第52回全国大学駅伝対校選手権大会がついさっき(11月1日13時過ぎ)終了した。いやあ、順位が目まぐるしく代わる手に汗握る凄まじいレースで、昼食時にもかかわらず、お腹が空いてもテレビの前をまったく離れることができなかった。

 この大会は、箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)、出雲駅伝(出雲全日本大学選抜駅伝競走)と並ぶ大学駅伝の3大レースで、名古屋市の熱田神宮西門前から三重県伊勢神宮内宮宇治橋前のゴールまで106.8kmを各校8人の選手がたすきをつなぐ。

 今年は出雲駅伝(10月)が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止となった。それだけに、陸上ファンにとっては久々にテレビ観戦が楽しめる大型長距離レースだった。

 1区から8区まで本当に目が離せない見どころが満載だったが、なんと言っても最終8区、俗に「3強」と呼ばれる青山学院大、駒澤大、東海大のアンカー対決は見ものだった。最初に脱落したのは青山学院大、そして残った駒澤大、東海大のデッドヒートがゴール直前まで続いた。最後にレースを制したのは駒澤大の田澤康選手で、同大が6年ぶり13度目の優勝を決めた。3位が明治大、青山学院大は4位だった。

東海大と駒澤大のデッドヒートは「ナイキの厚底」同士のデッドヒートでもあった(テレビ朝日より)
東海大と駒澤大のデッドヒートは「ナイキの厚底」同士のデッドヒートでもあった(テレビ朝日より)

 さて、そんな素晴らしいレース内容もさることながら、2018年以来の「ナイキの厚底」ウォッチャー(笑)である筆者としては、今年、ナイキが満を持して市場投入した「スーパー厚底」こと「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」や「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ ネクスト%」がどこまで活躍するかが気になっていた。いや、こちらも凄い、あまりに凄すぎる結果となった。

【参考記事】「フルマラソン2時間切り」達成時のシューズ 業界騒然のナイキ「アルファフライ」、ついに市販へ

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■区間新記録のすべてが「スーパー厚底」によって叩き出された

 確認できた限りだが、区間賞のすべてが「ナイキの厚底」着用選手だったのだ。以下、あくまでも目視で確認できた限りの“速報”と受け止めてほしい。誤認や追加新情報があれば、順次修正していきたい。

 まず、1区で彗星のような駅伝デビューを果たし区間記録を18秒更新する27分07秒を叩き出した順天堂大の三浦龍司選手が履いていたのが、アルファフライだ。

 2区区間賞の為替翔矢選手(皇学館大)は区間新こそ逃したものの、17人抜きの素晴らしい走りで4位まで順位を上げた。記録は31分24秒。着用シューズはヴェイパーフライ ネクスト%だった。

 33分42秒で3区区間賞の中谷雄飛選手(早稲田大)はアルファフライである。

 4区は早稲田大の太田直希選手が区間記録を25秒更新する33分23秒の新記録を叩き出したが、東海大の石原翔太朗選手がさらに7秒更新する33分16秒で走り切る。両選手ともアルファフライを履いていた。

 5区では、やはりアルファフライ着用の青山学院大の佐藤一世選手が35分47秒の力走で区間新記録を達成した。

 6区は東海大の長田駿佑選手が37分22秒のこれまた区間新記録で首位に立つ。そして、シューズはまたもや「スーパー厚底」のアルファフライだ。いや、いったいどこまで続くかと思って見ていたが……。

 7区の区間賞(51分17秒)の青山学院大・神林勇太選手はヴェイパーフライ ネクスト%だった。

 そして、手に汗握った8区をご覧になっていて気づいた人も多いだろうが、「3強」のアンカーは全員ナイキで、優勝した駒澤大の田澤選手は区間賞(57分34秒)でマンゴーカラーのアルファフライ、最後の最後まで接戦だった東海大の名取燎太選手はヴェイパーフライ ネクスト%、青山学院大の吉田圭太選手は黒緑のアルファフライだった。

 

優勝した駒澤大学のアンカー、田澤選手が履いていたマンゴーカラーのアルファフライ(画像提供:ナイキ)
優勝した駒澤大学のアンカー、田澤選手が履いていたマンゴーカラーのアルファフライ(画像提供:ナイキ)

 以上、終わってみると区間賞のすべてが「ナイキの厚底」着用で、区間新記録のすべてがアルファフライ ネクスト%が叩き出したものだった。何度か確認したが、これは間違いないと思う。区間賞のすべてが「ナイキの厚底」で、新記録のすべてが「スーパー厚底」だったのだ。すべて、である。

 1区の三浦選手の区間新を見たところで、ある程度の予感はあったが、これは想像以上だ。相変わらずの「強さ」を見せつけられたかっこうで、ため息しか出てこない。一刻も早く、陸上ファンのみなさまにこのことをお知らせしたいと思ったしだい。

 しかし、この「ナイキの厚底」の独壇場はいったいいつまで続くのだろう……。

【11月2日追記】その後入ってきた情報によれば、参加選手200人中、186人が「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」もしくは「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ ネクスト%」を着用していたという。着用率なんと93%だ。だとしたら、区間賞のすべてがナイキ着用選手になるのも当たり前と言えるかもしれない。しかし、区間新記録のすべてがエアバッグを搭載したアルファフライだったことは特筆に値する。

 それにしても93%という数字は驚異的だ。他メーカーもナイキを追撃すべく続々とカーボン入りシューズを発表している。年明けの箱根駅伝はどうなるか。まずは選手に履いてもらうことだ。各メーカーの奮起に期待したい。

THE POWER NEWS代表(ジャーナリスト)

1961年東京生まれ。ランナー&ゴルファー(フルマラソンの自己ベストは3時間41分19秒)。早稲田大学第一文学部卒、週刊ゴルフダイジェスト記者を経て朝日新聞社へ中途入社。週刊朝日記者として9.11テロを、同誌編集長として3.11大震災を取材する。週刊誌歴約30年。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。2016年11月末で朝日新聞社を退職し、東京・新橋で株式会社POWER NEWSを起業。政治、経済、事件、ランニングのほか、最近は新技術や技術系ベンチャーの取材にハマっている。ほか、公益社団法人日本ジャーナリスト協会運営委員、宣伝会議「編集ライター養成講座」専任講師など。

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