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結婚→引退報道の山岸舞彩、彼女らしい決断に納得!

山田美保子放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー

「私たち、“セント・フォースの異端児”って言われてるんです」

同社の八田亜矢子キャスターがまだ東京大学在学中の頃、日本テレビのある東京・汐留でランチをした時のこと。私が当時『やじうまプラス』(テレビ朝日系)で山岸舞彩ちゃんと一緒に仕事をしていることを伝えると、八田ちゃんは弾けるような笑みを浮かべ、冒頭のコメントを口にした。

そんな八田ちゃんは2013年のクリスマスイブ、公立大学医学生である夫の学費を八田ちゃんが出してあげる……という男前なエピソードと共にゴールイン。現在は京都在住だ。

ちょうどその頃、某美容健康雑誌で対談させてもらったのだが、異端児どころか、すっかり落ち着いた八田ちゃんは、秀才らしく、新たなジャンルの勉強に前向きだった。

一方、舞彩ちゃんは、『やじうまプラス』の土曜日のお天気キャスターを担当中、コメンテーターだったジャーナリストの萩谷順さん、タレントの清水圭さん、そしてテレビ朝日のアナウンサーらにとても可愛がられていた。

確かに、セント・フォースらしからぬルックスとファッション。そして、抜群の度胸と瞬発力を誇った彼女は、ただ、お天気の原稿を読むだけではなく、アナウンサーからの問いかけにも的確に答えられるし、アドリブも完璧で、出演初回からタダモノではないオーラを出していた。

もっとも印象的なのは、週末の彼女の普段着で、特に夏場は驚くほどの露出度とスケ感の装いで、「こんな格好したら、あかんで!」と、よく清水圭さんに叱られていた(苦笑)。

その後の彼女の活躍は皆さん、ご承知のとおりだろう。NHKの『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』で「ミニスカの美脚キャスター」と大評判になったかと思えば、ネットでは、その肩幅の広さから「肩さん」というニックネームで呼ばれていた彼女。そんなこともバラエティー番組でネタにしてしまっていたし、その広い肩をカバーするでもなく、あえて露出して見せていた肢体の迫力は、これまた男性たちから絶大な人気を博したものである。

日本テレビの『ニュースZERO』に移籍してからも、スタンバイ中の彼女と日テレ内で何度も会ったが、オンエアでは封印したミニスカや露出度の高いアウター、そして高いヒールの靴で報道フロアやタレントクロークを闊歩。もともと、長身なうえに、10センチ前後のヒールを履いているから、その迫力はスーパーモデル並みだった。

途中、セクハラ、パワハラ騒動で世間を騒がせたが、私はあの報道にはやや違和感を覚えていたクチ。舞彩ちゃん本人は、実にサバサバしたタイプで、そうしたことは吹き飛ばしてしまうように見えていたからだ。

真相は出入り業者の私には分からないが、恐らく周りが心配しての“結果”だったのだろう。

いわゆる恋多き女には見えなかったが、若い頃からキチンと恋愛をしてきた人だと思う。このことで覚えているのは、『やじうまプラス』時代、土曜日のキャスターを務めていたテレビ朝日の大木優紀アナの恋愛相談に、年下の舞彩ちゃんがのってあげていたことだ。

また、やはり、同番組を担当していた男子アナが異動になり、出演者が送別会を開いた時のこと。舞彩ちゃんは当時のカレが用意したクルマで店まで横付けし、堂々と遅刻してきたのである(笑)。店の2階の窓から全てを見ていた私たちは、彼女が運転手さん付きの外車の後ろの席から降りてきて、カレに見送られていた様子をバッチリ見届けたのだが、「あ、見えてました?」と、舞彩ちゃんは、あっけらかんとしていた。

『ニュースZERO』を見ていて、あぁ、舞彩ちゃんはちっとも変わっていないと思うのは、インタビューをする時である。相手がどんなに有名だったとしても、大物だったとしても、「ちょっと近いんじゃない?」という距離まで寄っていって、表情豊かに話を聞くこと。

また、企業のイベントに出演する時の舞彩ちゃんは、クライアントにペコペコするようなことはなく、堂々と自分の仕事をし、サービス精神もタップリあって、記者ウケがよくて、結果、「あの子は、ちゃんと分かっている」と、とても評判がよかった。

実家が築地の卵焼き屋さんという家庭に育ち、子供の頃から水泳やゴルフを習わせてもらい、明るく、すくすく育った太陽のような性格のお嬢さんだからこそ、どんなに大物が相手でも、怯(ひる)むことなく、大らかに振る舞えるのだろう。

7月28日付のスポーツニッポン一面の「結婚していた」「引退」なる見出しの記事を『とくダネ!』(フジテレビ系)のトップで紹介した際、司会の小倉智昭さんは「もったいないよね」と言った。

小倉さんは、アナウンサー→ナレーター→キャスターとして、それなりに苦労もしてきたし、同業の女性たちもたくさん見てきたからこそ、舞彩ちゃんの才能や魅力を分かっていたであろう。私もそこはおおいに認めるが、東京生まれ、東京育ちで、女子アナ経験もなく、「上昇志向」という四文字には無縁のキャスター人生を送ってきた山岸舞彩が、仕事への未練がないということも理解できる。たとえば地方局出身の女子アナなどには絶対にできない“芸当”だろう。

報道後、正式に結婚・引退を発表したが、いずれ、何か別のカタチで“話題”にされることは間違いないはず。とはいえ、28歳で結婚→引退というのは、実に舞彩ちゃんらしくて、カッコイイ。

舞彩ちゃん、結婚おめでとうございます!

放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー

1957年、東京生まれ。初等部から16年間、青山学院に学ぶ。青山学院大学文学部日本文学科卒業後、TBSラジオ954キャスタードライバー、リポーターを経て、放送作家・コラムニストになる。日本テレビ系「踊る!さんま御殿!!」、フジテレビ系「ノンストップ!」などの構成のほか、「女性セブン」「サンデー毎日」「デイリースポーツ」「日経MJ」「sippo」「25ans」などでコラムを連載。「アップ!」(名古屋テレビ)などに、コメンテーターとしてレギュラー出演している。

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