■Yahoo!ニュース 個人、8月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターによるニュースへの理解が深まるコメントとして「月間MVC」も選出しました。厳選4本の記事と3本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

※※※

8月のMVA

金メダルへの挑戦<前編>見る者の心を奪った「速くて美しい女子バスケ」はこうして作られた(小永吉陽子)

筆者による受賞コメント:女子バスケの銀メダルは、これまでの土台を継承したうえで、どこの国もやっていない「スモールボール」という戦術を徹底させて戦ったものです。急に強くなったわけも、奇跡でもなく、これまで積み上げてきたものを時代に沿ってパワーアップさせたからこそ、つかんだ銀メダルなのです。そして何より、目標に向かってチームが一つになって戦う姿勢は見る者の心を捉えました。そんな女子バスケの魅力を伝えたくて執筆しました。今後、日本の女子バスケは今までより陽の目を浴びると思いますが、東京五輪を振り返る時に再び読んでもらえたらうれしいです。選定していただき、ありがとうございました。(小永吉陽子

選出理由:東京五輪で銀メダルを獲得した女子バスケットボール日本代表。世界と戦うために磨き上げた日本のプレースタイルや選手それぞれの特徴など、快進撃の背景を丁寧に解説しています。長年バスケを取材し、選手やコーチの特徴、そして世界のバスケの潮流をつかんでいるからこそ書き込める情報が記事につまっています。

※※※

「99%詐欺被害の返金は難しい」の言葉を覆し、海外からお金を取り戻した女性が、1%にかけた行動とは?(多田文明)

筆者による受賞コメント:ロマンス詐欺の被害が多く寄せられるなか、被害届が受理されず、返金の難しさから諦める方もいます。取材女性の「絶対に諦めない」という強い思いが不可能を可能にしたということを、心が折れかけている被害者に届けたいと書き進めました。「お金は返って来ないと思ったけれど、希望が出た」「勇気が出ました」などの前向きな言葉を頂き、彼女の思いを受け継いだ第二、第三の返金者が生まれる道がみえてきた思いがしています。(多田文明

選出理由:昨今、日本でも被害が増加している「国際ロマンス詐欺」。この記事は、海外に送金してしまった被害金を取り戻した非常に珍しいケースを伝えるもので、詐欺事件をカバーしているオーサーだからこそ取材できた内容です。生々しい体験談もさることながら、「泣き寝入りせずに被害届を出すこと」がとても大切であることを教えてくれます。

※※※

中小企業淘汰の時代~最低賃金大幅引き上げの衝撃(中村智彦)

筆者による受賞コメント:コロナ禍の中での最低賃金の引き上げに加えて、2022年には100人超の企業でも社会保険適用拡大が始まるため、中小企業経営者にとっては大きな懸念材料となっています。記事に対しては、経営者の方々だけではなく、パートなどの従業者の方たちからも、様々なご意見をいただきました。多かったのは、総合的な見地から制度を見直すのではなく、その場、その場だけで不都合な部分のみを修正するという積み重ねが齟齬をきたしているのではないかという指摘でした。急激な労働力人口減少の中で、私たちがどういったことができるのかを改めて考えるきっかけになれば幸いだと思っています。(中村智彦

選出理由:今秋、労働生産性を向上させるべく全国一律で行われる最低賃金の大幅な引き上げ。その帰結は地方中小企業経営者への負担となるだけではなく、労働人口問題にまで波及することを解説しています。さらに、来年には社会保険適用範囲が拡大されることで、健全な中小企業の淘汰(とうた)にまで及ぶ可能性を指摘。専門家視点から政府の方針の長期的な影響についてわかりやすく解説し、地方経済の復興や中小企業経営者へ警鐘を鳴らす内容です。

※※※

ディズニーのジャングル・クルーズ「現実は約90%の確率で帰ってこれる」探検家・関野吉晴氏が解説(まいしろ)

筆者による受賞コメント:ジャングルクルーズという人気アトラクションを生み出したディズニーと、そのモデルとなったアマゾン流域の住民の方々のどちらにも敬意をはらった記事にしたいと思い、あれこれ言い回しや構成に気をつけて書いたものなので、選出いただけて大変嬉しいです。お忙しい中、この変わった取材を快く受けてくださった関野さんにも感謝申し上げます!(まいしろ

選出理由:エンタメの気になるポイントや魅力を独自の視点で切り取り、自らその分野の専門家に丁寧に取材する筆者の持ち味が、存分に発揮されています。矛盾点などへのツッコミありきではなく、対象コンテンツへの愛や敬意ありきの執筆であることが、文章全体からよく伝わってきます。それゆえ読後は多くの人が、「実際に(映画やアトラクションに)行ってみたい」という気持ちになるのではないでしょうか。

※※※

8月のMVC

『<W解説>米・豪の代表監督が福島産のモモを絶賛、不安をあおってきた韓国メディアは沈黙(WoW!Korea)』の記事へのコメント(石川智久)

筆者による受賞コメント:この度は月間MVCに選出して頂き、誠にありがとうございました。この記事へのコメントは、福島の農家の努力と、経済という視点を加えることによる見方の変化や面白さを知って頂きたいと思って作成しましたが、皆様に伝わったのであれば幸いです。そして、経済は一部の専門家のための難しい話ではなく、Yahoo!ニュースを見ておられる皆様全員に関係するものであり、エコノミストとして分かりやすく伝えていく重要性も再認識しました。今後も様々なニュースに経済というスパイスを加えて、少しでも有意義な情報提供となるように尽力して参ります。(石川智久

選出理由:東京オリンピックに出場する海外選手団が福島産の桃を絶賛したという記事について、東日本大震災後初めて福島産の桃がUAEに輸出開始になることや、日本の食品の輸出額が8年連続で伸びていることなど経済的な切り口から解説。風評被害の課題についても、データに基づいた安全性を開示することの重要性を伝えています。

※※※

『退任の井上康生監督は号泣 威信失墜した日本柔道をユニーク手法で復権に導く 全柔連の内規で任期満了(西日本スポーツ)』の記事へのコメント(溝口紀子)

筆者による受賞コメント:コロナ禍の影響を受け、開催直前まで二転三転した東京2020。一年の延期を経て行われた「TOKYO2020」は迷走五輪だったと思います。混迷した理由は、何と言ってもコロナウイルス感染症の影響です。コロナで分断され日常の景色が一変し、日本中で五輪開催反対という声が日増しに大きくなった中での開催でした。そのような中で開催されたオリンピック、パラリンピックは、日本代表のメダルラッシュとなりました。連日、超人的なパフォーマンスを披露し国民に感動を与えた選手たち。試合後「開催していただいたことに感謝してます」といった、アスリート達のインタビューに感銘を受けた人たちも多くいたことでしょう。とりわけ井上監督の言動はアスリートファーストで選手に寄り添うものでした。彼の人間力は、選手だけでなく、コロナで分断された多くの日本国民にも響いたのではないでしょうか。(溝口紀子

選出理由:柔道日本代表監督をつとめた井上康生氏が退任するニュースを受け、自身も五輪メダリストで女子柔道フランス代表コーチの経験も持つ筆者がコメントしました。井上康生監督の功績がよくわかる内容で、柔道業界の内情や課題をつかんでいるからこその視点が光ります。

※※※

『アフガン武装勢力タリバンが再び権力の座に、出国急ぐ人々で空港混乱(ロイター)』の記事へのコメント(川上泰徳)

筆者による受賞コメント:米軍のアフガン撤退期限よりも、かなり前倒しでタリバンがカブールを陥落させ、首都では大きな混乱が生じました。中東でもアフガンでも、戦争も革命も幕切れはいつも急です。最後は大騒ぎになり、いきなり大変なことになったかのようにニュースになりますが、問題は、なぜ、そこに至ったかということです。9・11事件の後、米国の戦争でタリバンが追われてからの20年、欧米がアフガンでつくったのは「腐敗した失敗国家」だということが分かるように、引いた視点から図式が見えるようなコメントにしました。評価していただいたことはうれしく思います。(川上泰徳

選出理由:混迷を続けるアフガニスタン情勢。ユーザーの関心が集まる話題に対して、過去と現在の状況、そしてタリバンと向き合っていかなくてはならない国際社会の今後の予測を要点をおさえて簡潔に伝えてくれました。

※※※