【Yahoo!ニュース 個人】7月の月間MVAとMVCが決定

(写真:アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、7月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC」も選出しました。厳選5本の記事と1本のオーサーコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

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7月のMVA

日本球界にとって損 “田沢ルール”はすぐに無くすべき(上原浩治)

筆者による受賞コメント:※後ほど掲載いたします。

選出理由:独立リーグのルートインBCリーグ・埼玉武蔵ヒートベアーズに、田沢純一選手が入団したことによって再燃したいわゆる「田沢ルール」問題。NPB・MLBの両方でプレイした経験を持ち、MLBでは田沢選手と同じポジション・同じチームでプレーした筆者が“怒りを覚える”とまで記して田沢ルールに突きつけた「NO」には、何にも勝る説得力がありました。

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三浦春馬さん突然の訃報 報道を見てつらい人の心の回復法(海原純子)

筆者による受賞コメント:ひとりの青年の死が若い世代を中心に大きな衝撃を与えていることを知り、「ネガティブな同一化」だけは何としても止めなくては、という思いで記事にしました。心の問題はみなさん関心がありながら表立って語り合う機会がなく、そのために正確な情報が行きわたらず、もどかしい思いをしてきました。ですから多くの読者を持つYahoo!ニュースという場で記事を書けることの幸せを感じています。ありがとうございました。(海原純子

選出理由:衝撃的な報道から3日、「ショックで眠れない」「気分が沈む」といった声がSNS等にあふれる中、身近に感じていた人の自死という悲痛から心を癒やす方法を紹介してくれました。本人の状況を想像することで陥る「ネガティブな同一化」のリスク解説やその対処法リストなど、わかりやすく実践的な内容に仕上げています。

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南北朝鮮に「使われる」個人...脱北3年で再び故郷に戻った青年から見えるもの(徐台教)

筆者による受賞コメント:韓国から直接、北朝鮮に入るためには、広い河口地帯(海)を越えるか陸続きの地雷原を突破するしかありません。「越北した」というニュースが出た後、真っ先に「どう行ったのか」と思い現場に行くと、後ずさりするような光景が広がっていました。北朝鮮に戻った男性がどうなったか、コロナの疑いで隔離された以降の話は分かりません。韓国社会の反応も極めて冷淡です。70年以上続く分断に「国単位での思考」が染みつき、互いの心も頭も鈍くなってしまったかのようです。今回の取材は私自身にとっても「人間」という原点を捉え直す貴重な時間でした。人気ドラマ『愛の不時着』と重ね合わせ、南北分断に思いを馳せる読者の反応が興味深かったです。(徐台教

選出理由:「脱北」して韓国に住んでいた男性が、新型コロナウイルスに感染した状態で再び「越北(北朝鮮への入国)」した、との報道を巡り、男性個人に焦点を当ててその背景を考察した記事です。越北に使ったとされる排水路の現場を訪れての取材は、越北のリアリティを伝え、当事者の心境にも迫っています。国家間の政治的な駆け引きのために、個人が軽視されつづけることに対する筆者の問題意識が強く感じられます。

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30歳老衰で天寿全う、GI3勝のビワハヤヒデが教えてくれたこと(花岡貴子)

筆者による受賞コメント: 月間MVAは私には到底無縁の賞だと思い込んでおりましたので、選出の知らせにはただただ驚きました。このコメントを書きながらジワジワと実感し始めているところです。わたしの専門は競馬とITでYahoo!ニュースでは競馬のオーサーとして取り組ませていただいておりますが、この媒体の記事は特に競馬に興味のない方にも楽しんでいただけるように心がけて書いております。今回、私の意向を読み取って下さり、さらに評価までいただいたことにとても感激、そして感謝しています。競馬にはスポーツとギャンブルの側面があります。日本中央競馬会競馬施行規程に「第81条 競走に勝利を得る意志がないのに馬を出走させてはならない」と明文化されていることもあり、騎手や調教師はポジティブなコメントに終始するのが常です。しかし、競馬の主役である馬は言葉を発せられません。だからこそ、成績や態度で競馬のポジティブとネガティブの両面を包み隠さずに示してくれますし、それこそが魅力だと私は考えております。また、1頭とて同じ性格の馬はいません。いまはコロナ禍ゆえ、筆者のようなフリーの執筆者はJRA施設内での取材ができない状況が続いておりますが、いつかまたそんな競走馬たちの個性に触れられる日が来ることを願っております。(花岡貴子

選出理由:1993年菊花賞などGI3勝を挙げた名馬・ビワハヤヒデの永眠に寄せて、現役時代の映像とともに功績を振り返りながら、その魅力を改めて伝えてくれました。故障・引退のきっかけとなった1994年天皇賞(秋)での走りからビワハヤヒデの賢さや力強さを語る描写には、当時を知っている読者はもちろん、当時を知らない読者でもぐっと感情移入してしまうような説得力があります。筆者のビワハヤヒデに対する敬意が感じられる1本です。

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仙台 謎の気球は新型気球の実験か!?(森田正光)

筆者による受賞コメント:月間MVAに選んでいただき、ありがとうございます。仙台上空、謎の気球の一報を聞いた時、私は直感的に気象観測用のノンリフトバルーンだろうと思いました。というのも私は若い頃、このバルーンでの観測業務に従事した経験があったからです。当時から、ノンリフトバルーンは動力が無いので複雑な動きをし、UFOや不審物に間違えられたりしていました。今回、気球にドローンらしき付属物があるとの報道を受け、もし動力付きのノンリフトバルーンだったらどうだろうと考えました。とすると、その謎の気球は無線基地局になったり、長時間観測や定点観測ができるなど、多くのメリットがある事が想像できました。そこからハイブリッドドローンの実験ではという推測に至った次第です。(森田正光

選出理由:6月に仙台市上空で謎の飛行体が目撃されてから1カ月のタイミングで、気象予報士である筆者が、その正体を考察した記事です。当日の気象条件をもとにした解説や、気象観測用気球の製作会社などへの取材から丁寧に重ねられた推論は、真偽は闇の中とはいえ説得力があり、知的好奇心をかきたてられます。

7月のMVC

『速報:俳優の三浦春馬さんが死亡 自殺か(日本テレビ系(NNN))』の記事へのオーサーコメント(原田隆之)

筆者による受賞コメント:思いがけず大変光栄なことで驚いています。深く御礼申し上げますとともに、三浦さんのご冥福を改めてお祈りします。多くの人々が関心をもつ著名人の自殺という速報に接したとき、かつての人気芸能人の自殺とその後の社会の動きが思い出されました。センシティブなテーマだけに、故人の尊厳を守りつつ、データを踏まえながら、いかに冷静に対処するべきかということに心を砕きました。特に「自殺対策の充実が必要です」などという型に嵌ったコメントではなく、単に相談窓口を整備するだけでは現実的に機能しない点を指摘しました。限られた字数でのコメントにはいつも苦労しますが、短いからこそ伝わるインパクトのあるコメントを今後も心掛けたいと思います。(原田隆之

選出理由:三浦春馬さんの自殺の一報という、多くのユーザーの関心を集めたニュース記事に対して、問題点や課題感を寄せてくれました。記事の中では自殺の手法についての記載がありましたが、日本では他国と比較しても自殺する若者が多いという事実と支援への「アクセス」の重要性に触れ、冷静な議論を提示。ユーザーがショッキングな内容に引きずられずに問題点を考えるきっかけになるような、理想的なオーサーコメントです。