【PR】「検索では得られないリアルな情報を」 在米ジャーナリストが伝える本当の現代アメリカ社会

『在米ジャーナリストと見る 誰も書かない現代アメリカ』

2020年の国民的行事といえば日本では「オリンピック」ですが、アメリカではやはり「大統領選挙」でしょう。

前回選挙では大方の予想を裏切って当選したトランプ大統領ですが、就任後の強硬派路線や景気拡大対策に対し、国民はどのような評価を下すのか。予備選が始まり対抗馬も絞られる中で、現地の空気はどう変化していくのか。そして最終的に、前回のような「サプライズ」は起こり得るのか。

アメリカ国内だけでなく、世界中の人々の注目を集める大統領選挙の動向を「最前線」で発信しているのが、ニューヨーク在住のジャーナリスト・津山恵子さん。2003年からアメリカに移住し、大統領選挙を取り上げるのは4回目。ニュース個人でも2016年から記事を発信しています。

今回は、在米ジャーナリストとしてアメリカの「今」を追いかけ続ける津山さんに、日本では取り上げられる機会の少ない「ミクロな視点」を中心に、じっくりとお話を伺いました。

メディアが伝えるイメージだけではわからない「本当」のニューヨーク生活

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――2003年よりニューヨークを拠点にジャーナリストとしての活動を続けている津山さんですが、現地ではどういう生活をされているのでしょうか。

津山:ドラマの登場人物みたいに、ニューヨークの中心街でセレブな生活をして……というわけではありませんよ(笑)。クイーンズ区という、マンハッタン島から少し離れた地区にある築80年のアパートに住んで生活しています。いわゆる下町のようなところでしょうか。

ただし、日本で「築80年の物件」というと相当レトロな木造物件となりますが、こちらでは石造りの重厚な物件なので全く問題ありません。非常に頑丈で長く住める造りとなっているため、リーマンショックによる資産価値減少などもほとんどなかったそうです。

エレベーターがなかったり空調が古かったりと難点も多少ありますが、歴史的な建築物に住めている気分に浸れますし、何よりコスパが良い。もっとも、ニューヨークでは築80年ぐらいなら「比較的新しい物件だね」と言われるんですけどね(笑)。

――マンハッタンには、どういう人たちが住んでいるのでしょうか。

津山:マンハッタンの中心街は「普通の人が住める場所ではない」と言われています。狭い1LDKの部屋でも家賃は3,500ドルを超えてしまうため、本当のお金持ちしか住めないのです。俳優やミュージシャン、ショービジネスに関わる人たち、あとは金融証券に関わる人たちぐらいでしょうか。いわゆる「セレブ」たちですね。

ドラマや映画の影響で「若者の街」というイメージも強いかもしれませんが、実際は住人たちの高年齢化が進んでいます。街を歩いているミレニアル世代は、地下鉄で郊外からやってきた人たちばかりです。

あと、マンハッタンは物価も高いんですよ。ベーグルのツナサラダ入りのサンドイッチが10ドルで、イチゴのパッケージが6ドル。郊外と比べ1.5~2倍近い価格で売られています。生活をするには本当に厳しい街ですよ。

――日本とは考え方が違うな、と感じられたニューヨークでの身近な事例を教えてください。

津山:いろいろありますが、例えばマッチングアプリが常識化しているという点が挙げられます。日本でも、「出会い系」と呼ばれていた頃よりはイメージは良くなったと聞いていますが、こちらでは既に「日常習慣のひとつ」という位置付けです。

実際の利用について、日本では未だ抵抗感のある人も多いようですが、こちらでは最良最善のパートナーを見つけるための「正しい出会い方のひとつ」として定着しているんですよ。

なお日本でも有名なTinderは、あまり人気がない印象です。現在のマッチングアプリは「人種」や「地域」はもちろん、「宗教」、「趣向」、「収入」、「社会的地位」、そして「支持政党」など細分化が進んでおり、各々が自分にあったアプリを利用しています。

――支持政党までマッチングアプリで、というのは驚きですね。

津山:忙しいニューヨークのエリート層も、マッチングアプリを上手に活用していますよ。

例えば「高学歴、高収入のエリート女性」が自分にぴったりな相手と出会いたいと思った場合、従来ならバーに行き、となりに座った男性とコミュニケーションを取ってスクリーニングするしかありませんでした。でも、その男性が「自分と同じかそれ以上の年収」を持ち、「社会的地位」もあり、しかも「支持政党が一緒」なんてことはほとんど奇跡ですからね(笑)。

マッチングアプリを使って相手を探すほうが、よほど合理的なんです。このあたりの感覚や考え方は、日本とは大きく違いますよね。

世代を問わず、大統領選挙を「楽しめる」のがアメリカ社会

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――今回の大統領選では、どの陣営が有利と見られているのでしょうか。

津山:非常に難しい質問ですが、現時点ではトランプ陣営が有利と見られています。ただ、これはあくまで2020年2月末時点での話です。民主党陣営で誰が対抗馬となるか次第で、逆転の可能性も十分にあります。

なお、大統領選の行方を追いかけるうえで特にチェックしておきたいのが、「政治資金」の集まり具合です。コマーシャル、イベント、遊説ほか、何をするにもお金がかかるため、より多くの資金を集められた陣営ほど選挙戦を優位に進められるようになります。

民主党はまだ指名候補が確定していないということもあり、現時点では政治資金の集まり方が候補者ごとに分かれています。最新の数字では、バーニー・サンダース上院議員が1月末時点で現金が1700万ドル、ジョー・バイデン前副大統領候補が890万ドルですが、トランプ陣営は9200万ドルと大きく差をつけており、この点でもトランプ陣営有利と言えるでしょう。

ちなみに大統領選に関して、世論調査やアンケートデータ以上にリアルな数字が動くとされるのが、電子市場サイトです。そこでも今のところはトランプ再選に賭けている人が多いですね。

――大統領選の最初の山場はどこになるのでしょうか。

津山:予備選挙前の「テレビ討論会」が重要になります。民主党の候補者たちの討論会は2月時点ですでに7回おこなわれ、討論力という点ではエリザベス・ウォーレン上院議員とサンダース氏が若干有利と思いましたが、ウォーレン氏は予備選を撤退しました。トランプ氏との1対1の討論会で勝つのは難しいと見られています。なお支持率では、現在サンダース氏が頭ひとつ抜けているのですが、これまでの代議員の獲得数では、バイデン氏がリードしています。

なお討論会には毎回生中継が入り、若者の視聴を促すためにアプリやWeb上でストリーミング配信もされています。本選挙に入れば各地のスポーツバーでも討論会の中継が流されるようになり、みんながその様子をかじりつきで眺めます。「我らの陣営から立候補した未来の大統領を応援しよう!」と、支持者同士で集まるホームパーティーも開催されるんです。ちょっと日本では考えられない状況ですよね。

――アメリカにおける大統領選とは、いわゆる「お祭り」といった面もあるのですね。

津山:日本人の私たちからすると、選挙にこれほど関心を持てること自体が羨ましいですよね。日本では討論会のような位置付けのイベントはなく、決まった原稿を決まった時間に読む「政権放送」がおこなわれるだけで、何も面白くありません。

一方アメリカの討論会では、有権者一人一人が「リーダーを選ぶ権利を持っている」という感覚が強いため、会場は非常に盛り上がります。候補者同士による熱く鋭い言葉の応酬、まさにショーを超えた知的な闘いが繰り広げられる場なんですよ。

届けたいのは、在米ジャーナリストだからこそ伝えられる現代アメリカ社会の「リアル」

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――2020年2月より連載開始の『在米ジャーナリストと見る 誰も書かない現代アメリカ』という連載シリーズは有料版となりますが、どのような情報を配信されていくのでしょうか。

津山:まずは大統領選挙に関連した情報を中心に、ミレニアル世代の声、現地の空気感などがしっかり伝わるような配信をしていきたいですね。アンケートや有識者インタビューからは決して見えてこない、現代アメリカ社会の「リアル」な声を届けていけたらと思っています。

普段私が寄稿している雑誌やニュースのWebサイトの記事は「アップデート型」のものが多く、読む側の前提知識が必要となってしまう場合もあります。また、弾劾裁判や選挙結果など、スピード感が最優先される場合も多くなります。

だからこそ、今回の『在米ジャーナリストと見る 誰も書かない現代アメリカ』という有料連載では、現地でさまざまな人から話を聞くことではじめて浮かんでくる現代アメリカ社会の姿を、じっくりと腰を据えながら執筆していきます。

私は渡米後、ジャーナリストとして毎日何かしらのコミュニティで話をしつつ、インタビューもしています。それらの多くは、例えばヨガの後であったり、パンとワインを楽しみながらであったりと、日常生活の中での自然な会話としておこなわれるものです。

さらに私が住んでいる地区では、バーがコミュニティセンター的な役割を持っており、そこに集う若者たちからも直接多くの話を聞いています。毎日のように彼らから「ケイコ、選挙はどうなっているの」と聞かれます。

それら日常生活の中でしか聞くことができない自然でリアルな声というものは、検索ではどうやっても得ることができない情報ですよね。そういう価値の高い情報を、今回の有料版ではメインとして発信していく予定です。

――まさに「在米」ジャーナリストにしかできない取り組みですね。

津山:あわせて、海外への移住に関心がある人全般に向けて、ニューヨーク発の「暮らし」関連の話も発信していきたいと思います。現地で暮らすことで世界が広がっていくというイメージは、ネットや旅行では決して体験することができないですからね。

例えば、日本ではよく炎上のきっかけとなる「電車の優先席を譲らない(奪われた)問題」ですが、こちらの地下鉄には優先席自体が存在しません。それでも小さな子どもや妊婦、お年寄りが近くに来れば、自然に2,3人が立って席を譲る習慣があります。ドライな都会というイメージとは裏腹に、ウェットな人間関係やさりげなさが、ニューヨークには存在しているんです。

そういう「リアル」を伝えるレポートの発信が、アメリカに限らず海外での暮らしに興味がある人たちにとっての「最初の一歩を踏み出すきっかけ」となれたら嬉しいですね。

『在米ジャーナリストと見る 誰も書かない現代アメリカ』

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津山恵子(つやまけいこ)

ニューヨーク在住ジャーナリスト。「アエラ」「週刊ダイヤモンド」などに、米社会、経済について幅広く執筆。共同編著に「現代アメリカ政治とメディア」(東洋経済新報社)、近著は「教育超格差大国アメリカ」(扶桑社 amzn.to/1qpCAWj )など。2014年より、海外に住んで長崎からの平和のメッセージを伝える長崎平和特派員。元共同通信社記者

【この記事は、Yahoo!ニュース 個人の定期購読記事を執筆しているオーサーのご紹介として、編集部がオーサーにインタビューし制作したものです】