【PR】「世界のコンテンツ市場」で日本が勝つために 「世界の常識」と「日本の強み」とは

『動画時代に知るべき「世界の映像コンテンツ市場」の動きと攻め方』

日本のテレビドラマやバラエティなどは国内向けに独自の進化を遂げ、現在は成熟期に突入している印象です。

一方Netflixなどのストリーミングサービスが勢いを増し、海外では積極的にコンテンツの国際流通が進んでいます。日本のコンテンツも、今後はより海外市場を意識しながら発信していく必要性が高まってきました。

そんな中、海外コンテンツの最先端のマーケットトレンドに対していち早く情報としての価値を見いだし、フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツの国際見本市である「MIPTV/MIPCOM」などの取材を長年続けている唯一の存在が、テレビ業界ジャーナリストの長谷川朋子さんです。

番組コンテンツなどの海外流通ビジネスを得意分野とし、ヤフーニュース個人でも2016年から記事を執筆している長谷川さんは、極めて変化の速い国内外のコンテンツ市場の現状をどう見ているのか。じっくりとお話を伺ってみました。

「自国のコンテンツをどう活用し、ビジネス化するか」の意識こそが、世界との差

日本に欠けているのはコンテンツ活用によるビジネス化の視点だ、と語る長谷川さん
日本に欠けているのはコンテンツ活用によるビジネス化の視点だ、と語る長谷川さん

――コンテンツの海外市場に関心を持たれたきっかけを教えてください

長谷川:私がMIPTV/MIPCOMの現地取材を始めたのは2009年でしたが、当時は日本を含め、世界中がリーマンショックの影響を受けての深刻な不況の真っ只中。どの国も自国のコンテンツ市場に限界を感じ、海外への展開を必死で模索していたような時期でした。

それにもかかわらず、会場の各国担当者たちに悲愴感はなく、むしろ「何とか情報を共有して、ともにこの苦境を乗り切ろう!」という前向きな姿勢が感じられました。

それを見た私は、日本もIP(知的財産権)の活用方法として、海外展開に力を入れる必要があると考えるようになったのです。

――現在関係者が注目している国や地域はどこでしょうか

長谷川:存在感を増しているのは、やはりアジア圏です。私はMIPTV/MIPCOMだけでなく、香港フィルマート、シンガポールのATF(アジア国際見本市)、クリエイティブの祭典であるSXSWや上海のBilibili Worldなども取材していますが、すべての会場においてアジア圏のパワーを感じますね。

ただ、決して特定の国だけが影響力を広げているわけではありません。アメリカはもちろん、イギリス、イスラエル、トルコ、カナダ、ロシアなど、大小さまざまな国が独自の戦略で海外展開に取り組んでいます。国の強力なバックアップ体制や細やかな戦略で勝ち続けている韓国、助成金制度を整えたフランスも要注目です。

そして、それらの国全てに共通しているのは「自国のコンテンツをどう活用し、ビジネス化するか」を真剣に考え、それぞれ特徴あるセールスを展開している点でしょうね。

――世界展開といえば、Netflixの影響はいかがでしょうか

長谷川:リーマンショック後の世界のコンテンツ業界において、最大の事件となったのは間違いなくNetflixの登場でした。市場の流れそのものが変わったと言っていいでしょう。

日本以上に、海外のTV業界が一時的に追い詰められ、「ユーザーがどこでコンテンツを見るのか」を注視するようになりました。そしてその結果、日々変化を続ける市場に対し、海外のテレビ局やプロダクションはアップデートして対応できる力を身につけていきました。

――結果として、むしろ日本が世界市場から取り残されてしまったことに?

長谷川:はい。日本の多くは国外から得られる情報が少なく、海外との人脈作りなども出遅れています。そうした事実を伝えていく必要がありますが、継続的にカンヌで現地取材をしている日本人は今のところ限られています。

非常にまずい状況だと思う一方で、「世界市場から日本が取り残されないために、私が最新情報を届けなければ」という責任感も生まれてきました。

参照記事:日本のドラマはNetflixと韓国から学ぶ時代

豊かな発想力とガラパゴス化は表裏一体 日本のコンテンツ制作の現状

日本と海外、双方の良いところを取り入れながら、果敢にチャレンジしていくことが大切
日本と海外、双方の良いところを取り入れながら、果敢にチャレンジしていくことが大切

――コンテンツ単体でみれば、日本にも『SASUKE』のような成功例がありますね

長谷川:日本のコンテンツ作りは欧米にはないアイデアがあり、発想力が面白い、という声はよく耳にします。世界のコンテンツ市場で「スポーツバラエティ」のトレンドを作ったきっかけは『SASUKE』でもあります。

フード系のリアリティショーが今、世界的なトレンドになっていますが、それも日本ではずいぶん前から親しまれていますよね。日本の番組はアイデアの宝庫と、しっかりと認識されてもいます。

――バラエティ以外のコンテンツはいかがでしょうか

長谷川:たとえばドラマであれば世界から評価された作品として、日本テレビ制作の『Mother』があります。日本での視聴率結果に関係なく海外で大成功したケースのひとつです。

『Mother』の場合は、まず世界第2位のドラマ輸出国であるトルコでリメークされて大ヒット、そこから35カ国以上へ展開され、世界的なヒットとなりました。

「親子の絆、子どもの虐待」について深く考えさせられる社会派ドラマは、「ドロドロの恋愛劇」のようなメロドラマが主流だったトルコの人にとって、とても新鮮に映り、国境を越えてドラマのメッセージがしっかりと伝わったようです。

このような「コンテンツづくりにおける豊かな発想力」は、日本にとっての大切な資産だと思います。

――では逆に、日本の課題はどういう部分でしょうか

長谷川:日本のコンテンツビジネスは、制作の現場もセールスの現場もすべて含め、いわゆる「ガラパゴス」になっているところです。

コンテンツづくりへのこだわりはあるのですが、「この作品でどうやって利益を生み出していくか?」「自国だけでなく海外からはどう見られるか?」という視点が欠けており、「作品の展開をいかに広げていくか」という意識が、海外に比べるとかなり低いのです。

――いわゆるマネタイズの部分の問題でしょうか

長谷川:制作形式の問題でもあります。例えば日本のドラマは、1クールごとに新作のドラマが作られ、話数は10話前後が基本。結果として、主人公1人にフォーカスしたストーリーが主流となります。

一方海外では、大ヒットした『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ウォーキング・デッド』のように、魅力的なキャラクターの物語を複数名同時に展開し、コンテンツの広がり方を計算しながら、世界観を拡大させていきます。

これが可能となるのは、企画段階からシリーズ化を前提としているから。つまり、ひとつのコンテンツを制作するにあたり「この作品だけでどれだけ稼ぐか」という意識に大きな差があるのです。

日本でも『半沢直樹』や『逃げ恥』など、社会現象と呼べるレベルでヒットするドラマは定期的に生まれていますが、勢いを味方に何シーズンにもわたって継続させていくことが難しいのです。

――日本でも海外のような制作手法を取り入れるほうがいいのでしょうか

長谷川:グローバル展開を目指すなら、検討したほうが良いと思います。

ただ、日本はガラパゴス的なドラマづくりをおこなってきたからこそ、世界のトレンドや利益を意識し過ぎることのない、発想力豊かなオリジナリティの溢れたコンテンツが生まれてきたという側面もあります。

だから日本のドラマづくりのすべてをただ否定するのではなく、うまく強みとなる部分を見出しながら、日本独自のやり方を模索していかなければいけません。一番良くないのは現状維持です。コンテンツに対するニーズの発見も発信の方法も、全てが遅れたままになってしまいます。

そもそも成功するための戦略も、決して1つではないはずです。失敗を恐れずいろいろなやり方で果敢にチャレンジしていくことで、また新たな成功事例が生まれるのではないでしょうか。

世界のコンテンツ市場の最新情報を知ることは、あらゆる海外展開の商機につながる

他では伝えられない本当の海外市場の話なども配信していきたい、と意気込む
他では伝えられない本当の海外市場の話なども配信していきたい、と意気込む

――長谷川さんはテレビ業界ジャーナリストとして、今後どのような情報を発信していきたいと考えていますか

長谷川:先ほど「世界市場から日本が取り残されないために、私が最新情報を届けなければ、という責任感がある」とお答えしたように、コンテンツビジネスに関わる情報は今後も積極的に発信していきます。

また、カンヌのMIPや米オースティンのSXSWといった海外の展示会は、世界のカルチャーが集結し、新しいトレンドが生みだされていく場所でもあります。だからこそ、現地取材を積み重ねて知見を得て、できるだけわかりやすく情報を伝えていきたいと思っています。

――2020年2月より配信開始の『動画時代に知るべき「世界の映像コンテンツ市場」の動きと攻め方』という連載は有料版となりますが、特にどのような情報を発信されていく予定でしょうか

長谷川:テレビジャーナリストの視点から「この情報は知るべき価値がある!」という情報を発信していきます。

映画、音楽、小説、漫画、アニメ、動画など、その気になれば誰でも世界に向けてコンテンツを発信できる時代になりましたが、ビジネス展開を具体化していくためには海外マーケットに足を運ぶことが重要です。

海外展開を始めたばかりの場合は「マーケットの歩き方」も必要でしょう。時間が限られるケースは効率的に情報を得たいはず。

こうしたニーズにできるだけお応えし、コンテンツ業界の方はもちろん、サービスや製品を海外展開させたいと考えている全てのビジネスパーソンにとって、有益な情報をお伝えしていける連載になればと考えています。

10年以上にわたり定点観察している私の視点はきっと価値のあるものだと自負しています。

また、『動画時代に知るべき「世界の映像コンテンツ市場」の動きと攻め方』は有料版ということもあり、リアルタイムでの商機を紹介していく予定です。

インバウンド、アウトバウンドに力を入れる自治体関係者や、世界で勝負したいと考えるクリエイターやプロデューサーの方には特におすすめしたいです!

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長谷川朋子(はせがわともこ)

1975年生まれ。2003年から放送業界専門誌の放送ジャーナルでテレビ、ラジオ担当記者。国内外のドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。東洋経済オンライン、オリコン、マイナビ、日経クロストレンド、WIRED、講談社ミモレなど。得意分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。仏カンヌの番組見本市MIP取材を約10年続け、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティーとして活動。業界で権威あるATP賞テレビグランプリの総務大臣賞審査員や、業界セミナー講師、行政支援プロジェクトのファシリテーターも務める。

『動画時代に知るべき「世界の映像コンテンツ市場」の動きと攻め方』

【この記事は、Yahoo!ニュース 個人の定期購読記事を執筆しているオーサーのご紹介として、編集部がオーサーにインタビューし制作したものです】