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雪の受験に備える〜持ち物と心構え

矢萩邦彦アルスコンビネーター/知窓学舎塾長/多摩大学大学院客員教授
(写真:アフロ)

東京・神奈川では明けて2月1日から中学受験が本番を迎える。大学受験も私大の前期日程が目白押しだ。そんな中、本州の南海上を通過する発達した低気圧の影響で1日午後から2日朝をピークに、雪の予報が出ている。特に中学受験では、初めての受験が雪という厳しい洗礼を受ける受験生と保護者も多い。今回は、特に雪や悪天候時の注意事項についてまとめてみた。

●交通について

一番気になるのは交通機関への影響だが、電車やバスが遅れることを危惧して、車などで試験に会場に向かうのは避けた方が良い。公共の交通機関の遅れであれば、試験時間をずらすなどの対応も考えられる。試験会場へのルートが複数ある場合は確認しておき、電車の遅れに備えて30分から1時間程度早めに家を出ることを心がけたい。あまり早く着きすぎると、寒い中待たねばならない可能性もあるので注意が必要だ。

受験生が多い学校の場合、駅から混雑することも考えられる。高台にある学校の場合、路面凍結による転倒などにも注意が必要だ。自分が転ばなくても、前の人が転んで巻き込まれる可能性もある。参考書などを見ながら歩いている受験生も散見するが、気をつけたいところだ。

●防寒について

服装はできるだけ重ね着をして、自分で温度調節ができるようにしておく必要がある。最近はエアコンなどの環境も整っているので問題になることは少ないが、それでも窓際とエアコンの当たる場所では体感温度も湿度も大きく異なる。重ね着をするときは、英語や漢字のプリントなどがないものを選ぶように気をつけたい。

また、靴に浸水して靴下が濡れてしまうと、かなり体力・集中力を奪われてしまう。ブーツや長靴で出かけるという方法もあるが、足下のコンディションの変化は思いのほか影響が大きい。靴下の替えを持って行くのが無難だろう。

朝一番のテストでは、カイロが効果を発揮する。手を温めておくだけで、スムーズに手を動かすことができる。中学受験の場合最初の教科は国語か算数であることがほとんどだが、どちらも手の動きがものを言う。忘れずにポケットに入れて出かけたい。

●筆記用具について

受験では普段よりも速く字を書くことになるので、シャープペンシルより軽量で芯が太く安定している鉛筆の方が良いと言われるが、慣れない道具を使うこともリスクがある。受験に向けてすでに鉛筆使用に慣れているのでなければ、普段から使っているシャープペンシルをしっかりメンテナンスして、万が一の予備として同じ道具を何組か用意しておくくらいが良いだろう。

注意したいのは、芯の折れやすさだ。寒い上と力の加減が上手くいかず、また緊張している場合も同様だ。気温が低ければ物理的にも普段より芯が折れやすくなる。主流である0.5mmのシャープペンシルよりも、0.7mmや0.9mm芯のものが試験には向いているが、特に女子生徒の場合、細く堅い芯を選びがちで、緊張や筆圧によっては解答用紙を破ってしまい、それで動転してしまったという話も聞く。

消しゴムなども、落としてしまった時に挙手して試験官に対応してもらうのは時間の無駄になり、余計なプレッシャーになるので、転がりにくい四角く新しい物を、多めに持っていくようにしたいところだ。

以上、雪の中、受験に臨むために必要なことをまとめてみた。当たり前のことばかりだが、焦っていると抜けが出る。様々なことを想定しておいて、余裕を持って受験に集中して欲しい。(矢萩邦彦/知窓学舎教養の未来研究所

アルスコンビネーター/知窓学舎塾長/多摩大学大学院客員教授

1995年より教育・アート・ジャーナリズムの現場でパラレルキャリア×プレイングマネージャとしてのキャリアを積み、1つの専門分野では得にくい視点と技術の越境統合を探究するアルスコンビネーター。2万人を超える直接指導経験を活かし「受験×探究」をコンセプトにした学習塾『知窓学舎』を運営。主宰する『教養の未来研究所』では企業や学校と連携し、これからの時代を豊かに生きるための「リベラルアーツ」と「日常と非日常の再編集」をテーマに、住まい・学校職場環境・サードプレイス・旅のトータルデザインに取り組んでいる。近著『正解のない教室』(朝日新聞出版)◆ご依頼はこちらまで:yahagi@aftermode.com

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