歴史だけではない鎌倉の良さを伝えたい~学生が提案するブランド野菜チップスの可能性

試作品の野菜チップス『鎌倉の恵』

大船観音寺にて盛大に行われた第3回鎌倉市プランコンテスト決選大会
大船観音寺にて盛大に行われた第3回鎌倉市プランコンテスト決選大会

2015年に学生主導でスタートした「鎌倉市まちづくりプランコンテスト」。そもそも大学が少ないという鎌倉市の状況を逆手に取り、鎌倉以外の学生を巻き込むことで、地元では見えにくい新たな鎌倉の魅力を発見しようという意図もあるといいます。6月19日に行われた第3回決選大会では関係者や観覧者も増え、鎌倉での認知度も上がってきたようです。

「鎌倉ことは右も左も分からなかった」という、東京造形大学の垣内勇人さん、武中茉菜美さんは、「敷居の高い鎌倉野菜を手軽に」をコンセプトに第1回コンテストで鎌倉野菜のチップスを提案。審査員からも「小町通りに置いてあったら普通に売れそう」との評価を得て、実現に向けてプロジェクトを進めてきました。

●カラフルで美味しい鎌倉野菜に注目

プランを提案した東京造形大学の武中茉菜美さん(左)と垣内勇人さん(右)
プランを提案した東京造形大学の武中茉菜美さん(左)と垣内勇人さん(右)

「鎌倉といえば観光。 そのイメージが強すぎて、たくさんある鎌倉の魅力が発信できていない」。プランコンテストを取材する中で、とても良く聞かれる意見です。

鎌倉に観光に訪れた際に「鎌倉野菜という素晴らしい野菜があるのにも関わらず、自分自身あまり知らず「他の人も同じように詳しく知らないのかなと思った」という垣内さん。「“歴史ある場所”という視点以外から、魅力を発信できないか」と思いついたといいます。

実際鎌倉野菜は「ブランド野菜」の一つとして、注目を集めています。海と山の両方の恵みを受けて育った鎌倉野菜は、味も濃厚で、色も鮮やかであるという特徴があります。無農薬で美味しいと評判の鎌倉野菜ですが、直売所でしか扱われていないため、地元の人以外は中々手軽に食べることができない現状です。

●デザインを活かして鎌倉野菜の魅力を伝えたい

パッケージは裏も内側もアイデアが盛り込まれてデザインされている
パッケージは裏も内側もアイデアが盛り込まれてデザインされている

「普段見ている鎌倉と違う魅力を引き出しながら、いかに野菜チップスを痛めにくい包装にするかで悩みました」という武中さん。少しでも身近に感じて貰えるものになるように、中身が見えるようにしたり、簡単レシピなどの掲載をしたりデザインの工夫をしたといいます。

垣内さんは、鎌倉野菜自体の色も楽しんで欲しいといいます。野菜の色素には、病気の原因になる活性酸素の働きを抑える働きがあります。特にオレンジの色素であるβカロテンや紫の色素アントシアニンは熱に強く、チップスになっても免疫力を高めたり、抗アレルギー効果が期待できます。

●クラウドファンディングで商品化を目指す

決選大会にて総評をする松尾崇鎌倉市長
決選大会にて総評をする松尾崇鎌倉市長

・敷居の高い鎌倉野菜を、手に取りやすい形に

・鎌倉の豊かな自然の恵みを感じてもらう

・鎌倉野菜の栄養価の高さを知ってもらう

の三つをコンセプトにして、商品化を目指す「鎌倉の恵」野菜チップス。試食会では玉ねぎのチップスが一番美味しかったという松尾崇鎌倉市長も「『鎌倉の恵』を通して、安全で安心な「鎌倉野菜が多くの方々の手に届き、より身近に感じてもらえること、そして、新たな鎌倉の魅力が発信されることを楽しみにしております」と期待を寄せます。

「珍しく栄養価の高い野菜が手軽に取れるだけでなく、たくさんの方々の思いが詰まってる」という武中さん。しかし、実現のためには、野菜の確保や工場での調理とパッケージ、配送など様々なハードルがあります。お洒落でヘルシーな『鎌倉の恵』、果たして実現するのでしょうか。学生たちのまちづくりは、次のフェーズに差し掛かろうとしています。(矢萩邦彦/studio AFTERMODE・教養の未来研究所)

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