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友達の作り方:友達ができない子の支え方

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ(友達っていいですよね)(写真:アフロ)

<友達が欲しいと切望するだけでは、かえって逆効果。では、どうしたら良いのか、心理学からお伝えします。>

■友達ができるか不安

現代の生徒学生は、入学前に「友達」を作ります。SNSで、「春から○○大学(高校)」などのハッシュタグ をつけて、ネット上で友達作りをします。大学生協が、入学式前に「友達作ろう会」などを主催することもあります。

進級進学、新しいクラス、新しい学校。誰もが不安になりますが、友達ができるかどうかという不安は、以前にもまして大きくなっています。進級したクラス替えで、仲良しと一緒のクラスになれなかったと泣いてしまう女子高生もいます。

就職の時も同様です。友達ができるかどうかという不安を持って入社し、新人研修会などで友達ができて、ほっとする新入社員は大勢います。

保育園幼稚園の進級に伴うクラス替えで、同じクラスに親しい「ママ友」がいなかったからといって、涙の抗議をするお母さんもいます。

■友達が欲しいと強く願う人々

友達が欲しいとか人気者になりたいと強く願うのは、それが上手くいっていない子でしょう。クラス一の嫌われ者が、一番人気者になりたがっていたりします。実際のクラス一の人気者は、人気者になろうなど思ったこともなかったりします。

人気者でなくても、ありのままに自然のままでは友達ができないかもしれないと、現代人は不安がります。昔よりも友人作りの不安は強くなり、「一人ぼっち回避傾向」が高くなっています。

子供に関する調査によれば、中学生の7割が普段よく遊ぶのは同じクラスの子です。また女子中学生の9割以上が仲良しグループに所属しています。身近にいるクラスの仲間の中に友達がいるかどうかは、子供たちにとって切実な問題です。

仲間関係が薄いと不適応を起こしやすいとも言われています。さらにグループ内の地位が低いと、グループ外の人間関係も上手くいきにくいという研究もあります。クラスに友達がいて、楽しく遊べることは重要です。

■チャムグループからピアグループへの成長

発達心理学的には、チャムグループからピアグループへと成長していくと言われています。友達作りは、個人も問題もありますが、集団も大きな問題になります。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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