学習障害 定員割れでも不合格報道から考える子供の進路と学びの場:学校不適応生徒のための学校案内
■学習障害 定員割れでも不合格
定員内不合格の問題は、全国各地で起きてきた問題です。地域によっては、大きな運動となったところもあります。
■すべての子供にふさわしい学びの場を:学校案内
〇特別支援学校
かつては大きな騒ぎにもなった定員内不合格問題も、地域によっては大きな騒ぎにはならなくなってきたように感じます。
その理由の一つに、特別支援学校高等部の存在があるでしょう。近年、偏見も小さくなっており、普通学校よりも充実した教育が受けられるとの認識も高まっています。
生徒一人当たりの予算も、普通学校よりも潤沢です。
このように評判が高まり、希望者が増えているので、地域によっては分校を作るなどして入学定員増を図っています。
それでも、希望者みんなが入学できるわけではありません。能力が高すぎても低すぎても、入学は困難でしょう。また知的障害の場合、特別支援学校高等部は、中学校の特別支援学級からの進学になります。
〇合理的配慮
発達障害や身体障害など、様々な障害に対しては、「合理的配慮」が求められます。高校入試においても、別室受験、受験室の下見、問題文の読み上げ、問題用紙の拡大コピー、試験時間の延長などが認められることがあります。
これは、えこひいきではなく、合理的配慮です。
〇サポート校(広域通信制高校等と連携)
特別支援学校の対象ではないけれども、学校適応が難しい子の中には、サポート校(広域通信制高校と連携)に進学する子も増えています。
サポート校は数も増え、内容もバラエティーに富んでいます。しっかり勉強させて、国立大学を目指させるような学校もありますし、勉強よりも自然体験を重視する学校もあります。家庭教師のような指導をする学校もありあます。
ただし、費用はかかります。
〇通信制高校、定時制高校、理解のある私立高校
公立の通信制高校、定時制高校もあります。かつては働きながら学ぶ学校でしたが、現在では様々なニーズの生徒たちが集まります。
通信制、定時制高校の先生方は、熱心な先生方が多いと感じます。
また一般の私立高校の中にも、発達障害や不登校に理解のある学校もあります。中学校は一日も登校しない完全不登校だったけれども、高校は皆勤賞で卒業する子もいます。
ただし、中学校は登校しなくても卒業できますが、高校は授業に出て試験を受け、単位をとらないと卒業できません。
■ふさわしい学びの場とは
様々な障害を持っている子に、どんな教育を受けさせるべきか。できるだけ、普通学校、普通学級と願う親子もいます。それが適している子もいます。
一方、無理して普通学校普通学級に通うよりも、特別支援学校、特別支援学級、サポート校の方が良いと判断する親子もいます。
中学校の普通学級で小さくなっているよりも、特別支援が急でのびのびしている方が良いと考えるときもあります。普通学級で、授業が理解できないまま、お客様扱いされるよりも、特別支援学級でその子に合った教育を受けた方が良いという考えもあるでしょう。
知的な問題はないもののクラスになじめない子のための、適応指導教室もあります。
いずれにせよ、希望に応じて普通学級との交流を持つことができます。
盲学校聾学校に進学するべきか、普通学校に行くべきかを迷う親子もいます。
小学校、中学校、高校。進学のたびに、悩みます。大切なのは、子供にとってどこが一番ふさわしいか、良い教育が受けられるのかです。
正しい判断のためには、親子と学校との、相互信頼関係に基づく相談が大切です。