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深い心の傷(心的外傷)を癒す:同情と弱者扱いを超えて

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真はイメージ:誰もが傷つくことはある)(写真:アフロ)

人の心は、深く深く傷つくことがあります。耳触りの良い美しい言葉など、何の役にも立たないほどに。

■深い心の傷(心的外傷)の中心的問題

深く深く心が傷つく心的外傷の中心問題は、自信や自尊心やチャレンジ精神を失う「無力化」と、周囲の人々から切り離される「離断」です。

だから、この深い心の傷を癒すために必要なことは、力を回復し勇気づけを与える「有力化:エンパワーメント」と他者との新しい人間関係を作る「新しい結びつき」です。

心の傷の回復は、人間関係の中で起きます。人々とのつながり、みんなの支援の中で起きます。孤立状態では、心の傷は癒されないのです。

深く傷ついた人は、本来持っている心の力を失っています。友人を作る、深い話をする、相談をする、好きになる、自己主張をする、チャレンジする、そんな心の力を、人間関係の中で回復していくのです。

■回復すべき心の力:癒しとは

回復すべき心の力を、もう少し専門的に見てみましょう。これらの力を回復することが、心の傷の癒しです。

回復すべき心の力の第一は、「基本的信頼を作る能力」です。この基本的信頼感こそが、生きる力であり、人間関係のもとになります。

1基本的信頼

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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