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不安とは:役立つ良い不安、困った悪い不安:不安と緊張から自由になる方法

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真はイメージ:不安にも良い不安、悪い不安がある)(写真:アフロ)

役立つ良い不安は、私たちの心身を最高の状態にします。困った悪い不安は、心と体を痛めつけ、失敗をもたらします。では、どうすれば心が解放されて自由になれるのでしょうか。

■不安とは:役立つ不安、困った不安

ディズニー/ピクサーアニメ「インサイドヘッド」。この映画は、一人の女の子の頭の中が物語の舞台になります。

一人の赤ん坊が生まれると、感情も生まれます。ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、そしてビビリです。

それぞれの感情には、役割があります。「ビビリ」は、危ないところで「不安」や「恐怖」を起こしてビビらせ、行動を慎重にさせる役割があります。

対象が具体的だと恐怖、漠然としていると不安です。

不安は、何となく怖いのです。暗闇は、お化けや不審者が怖いと感じるかもしれませんが、具体的な脅威が何もなくても、何となく不安になります。

飛行機が墜落すると思えば恐怖ですが、墜落すると思っていなくても、何となく不安になることはあります。特に怖いことは起きないと理屈ではわかっていても、不安がわいてくることはあるでしょう。

不安は、正体がはっきりしないからこそ、厄介です。

■正しい不安は私たちを守る

アニメ映画に登場するビビリは、ちゃんとご主人である女の子を守ります。正しい不安は必要です。たとえば、災害への不安があるからこそ、災害への備えができます。適度な犯罪不安は、防犯のために必要です。

自動車運転中の正しい不安が、安全運転を導きます。無理な追い越しは危ないと思わせてくれるわけです。

不安は、心の警報装置です。その行動をやめるだけではなく、慎重な態度と、心身の程よい緊張によって、適切な行動が取れるのです。

■不安は私たちの能力を引き出す・・・けれども

 

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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