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人の心はなぜ移ろうのか

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真はイメージ)(提供:ペイレスイメージズ/アフロ)

外からの刺激、脳の中からの刺激、絡みあう刺激に翻弄されるのが、人の心です。

■心は変わる

「明日からダイエットしよう」と思ったのに、その明日になると、やっぱりできない。今日は好きだったものが、次の日には好きでなくなる。言うことが、その日によって変わる。人の心は移ろうものです。なぜ、人の心は変わっていくのでしょうか。

■心と外の環境

心(脳)は、様々な「刺激」によって反応します。刺激というと、普通はチクチク刺すようなものを言いますが、心理学や脳の話では、そよ風もささやき声も刺激です。心や脳に影響を与えるものは、全て刺激と呼びます。

心は、環境からの様々な刺激に対する反応で変わっていきます。私という人間自身も、私の考えも感情も、一瞬一瞬の環境からの刺激によって常に変わり続けるのです。

物の世界であれば、100キロの鉄の塊はそよ風では動きません。でも、心の世界、人間の世界は違います。まっすぐ歩いていた人が、爽やかなそよ風を受けた時に、思わず立ち止まり、きれいな青空を見上げることもあるでしょう。

さらに私たちに影響を与える刺激とは、物理的な刺激だけではありません。人間にとって最も影響力のある環境は、「人間」です。

学校でも病院でも、建物は大切です。オンボロな建物よりも立派な建物の方が良いでしょう。でも、ちょっと建物は古いけどスタッフみんながとても有能で良い人の場合と、建物は最新で大理石の床だけれどもスタッフは能力も人格も最低の場所。人々はどちらを選ぶでしょう。きっと、良いスタッフたちがいる場所を選ぶでしょう。

人間の体が風で飛ばされることもありますが、でもそれは稀なケースです。会社を辞める主な原因は、人間関係です。

■人間関係と移ろう心

男性だけで会話していた時は、うだうだと話していたのに、そこに一人女性がやってくると、男性たちの会話が途端に活気付くことがあります。

女性だけで食事をするよりも、そこに男性(特にイケメン)は入ってくると女性の食事量が減るという研究もあります。わざと減らすのではなく、自然と減るのです。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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