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「どうせこんな僕なんか」、自信のない子供達に見せるべき風景

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真はイメージ)(写真:アフロ)

■今の子供達

可愛くて聡明そうな、小学校二年生の女の子でした。でもその子が言います。「私は馬鹿だから」。一体どこの誰が、この小さな女の子に「おまえは馬鹿だ」と思い込ませてしまったのでしょうか。わたしは、とても悔しく悲しい気持ちになりました。

「どうせこんな僕なんか」と語る子供達が大勢います。自分は頭が悪い、運動神経がない、音痴だ、不器用だ、ブサイクだと、そんなふうに感じている人は、たくさんいます。子供でも大人でも、自分はダメな人間で、この先もずっとダメ人間だと信じて疑わない人たちがいます。

でもこれは、事実でしょうか。たしかに、成績の悪い人や歌や運動が苦手な人はいます。でも、これからもずっとそうでしょうか。いいえ、人は変わるのです。能力も伸びます。それが、心理学が導き出した科学的事実です。

■子供はなぜ自信を失ったか:偉そうにしている子供ですら

優しい時代です。個性尊重の時代です。それなのに、現代の子供達は自信を失っています。様々な国際調査でも、日本の子供は学力が高く悪いこともしないのですが、自信(自己肯定感、自尊感情)だけが、欧米の子供と比べても、アジアの子供と比べても、低くなっています。この結果は、多くの調査で繰り返し確認されています。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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