さ~て、今週のサザエさんは?:サザエさんで学ぶ心理学

(写真:アフロ)

8月2日のフジテレビ「サザエさん」を見て、ちょっとおしゃべり。:ストレス解消・ほめ上手・協力し合う家族。

■第1話「中島くんは時代劇」:切られの波ちゃん

カツオくんと中島くんが、チャンバラをして遊んでいます。最近はチャンバラ遊びをする子も減りました。チャンバラ遊びは、なかなか危険な遊びです。ちょっと間違えて相手の手でも打ってしまえば、かなり痛いですね。そのあたりの、手加減というか、上手さがないと、チャンバラ遊びはできません(最近はやりの「スポーツチャンバラ」の刀は、打たれても痛くありません)。

二人がチャンバラで遊んでいると、お父さんの波平さんが現れます。そして、切られ方が上手くないと言います。こう見えても、昔は「切られの波ちゃん」と言われていたのだと、チャンバラに参加して、見事な切られ役を見せてくれました。

普段は、ユーモラスな部分はあるとはいえ厳格な父である波平さん。でも子ども達のチャンバラを見て、昔を思い出し、童心に帰ったのでしょう。「切られの波ちゃん」と呼ばれていたのも、忘れていたかもしれません。しかし、記憶は、何かをきっかけに芋づる式に蘇るものです。

ストレスがたまる中年サラリーマン(磯野波平54歳、山川商事課長)。子どもと無邪気に遊ぶことは、ストレスを発散し、柔軟な心を取り戻すのに、とても良い方法です。

■第2話「カツオは迷コーチ」:まだ練習を始めたばかり

カツオくんがワカメちゃんに水泳を教えます。ちょっとイラついたカツオがワカメに言います。「ワカメは水泳に向いてないんじゃないか」。

そんなことを言われたワカメちゃんは、「まだ練習を始めたばかり」と言い返します。

ワカメちゃんは、ちょっと気の弱いところもありますが、いつも前向きで一生懸命ですね。もしもここで、私は泳ぐ能力がない、運動神経が悪いからダメに決まっていると思い込めば、それで終わりです。最初は上手くいかないのが普通ですが、そんな時、私たちは簡単に、向いていない、能力がないなどと思ってしまいます。でも、本当は「まだ練習を始めたばかり」なのです。

算数などの勉強も同じです。自信を失っている子には、教えようと思ってもなかなか上手くいきません。「大切なのは、問題の解き方を教えるだけではなく、自分の能力がないと考える「心のくせ」を直すことなのです」(大切なのは「まだ練習していないから」と思うこと:学習意欲の心理学:Yahoo!ニュース有料)。

さて、自宅の子ども用プール(ふくらませタイプ)で、タラちゃんに水泳を教えるカツオくん。顔を水につけるのが怖というタラちゃんに、カツオくんが水遊びをしかけます。ピューと水をかけるカツオくん。笑いながら水遊びをするタラちゃん。タラちゃんは、だんだん水が怖くなくなります。

カツオくんは、遊びの天才ですね。どんなことでも、遊び、ゲームにすると、人は不安や緊張がやわらぎ、楽しく練習することができるようになります。

おじいちゃん(波平)に、「顔を水につけられるですよ」と自慢するタラちゃん。「すごいじゃないか!」と、派手に驚き、ほめてくれるおじいちゃん。やさしく教えてくれる人がいて、ほめてくれる人がいる。やる気もあがりますね。

さらに、この話を聞いたお父さん(マスオさん)が、明日は大きなプールに行こうと、提案します。やる気がでたところで、さらに大きな場所を提供します。やる気も練習も、さらに進みます。

さて、ちょっとすれ違っってしまったカツオとワカメ。でもカツオも譲歩し、ワカメもクロールが泳げるようになりたい一心で、もう一度カツオにコーチを頼みます。

一生懸命がんばるワカメちゃん。「私、泳げてた?」と問われて、カツオくんは「すごいぞワカメ!ちゃんと前に進めてたじゃないか」とほめます。水泳のほめ言葉で、「前に進めてた」はよく分からないほめ方です。あまり上手な泳ぎ方ではないのでしょう。しかし、ワカメにとっては大きな進歩。カツオも、精一杯ほめました。

家に帰れば、ワカメの頑張りと、カツオの名コーチぶりをみんながほめてくれます。

サザエさんの家では、基本的にみんなが応援し合います。

■ 第3話「うちのヤマトナデシコ」:付き合ってくださいませな

サザエさんが、頼まれてお茶会に行くことになりました。もちろん、家族全員が協力して、練習相手になります。家族全員で練習に付き合った後、夜帰ってきたお父さん(波平)にお母さんが事情を話し、頼みます。

「(サザエの練習に)付き合ってくださいませな」。

波平さんも、マスオさんも、お茶を飲みすぎて眠れなくなるほど、協力しました。

こうして、「本番に強い」(マスオさん談)サザエさんは、大成功。ただし、足がしびれすぎて歩いて帰れないというオチがつきますが。

サザエさんの家庭は理想的すぎるという批判もありますが、私たちもこうありたいと思わせる話がありますね。最後にオチがつくことで、説教臭さもやわらぎます。

■関連ページ

永井一郎さん(波平さん)最後のサザエさんから学ぶこと:伝える・生まれ変わる・変化する

東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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