韓国交通事故事情と安全文化の育成:韓国アイドルグループ「LADIES' CODE」の交通事故から
■韓国アイドルグループ「LADIES' CODE」が交通事故・メンバーのウンビ亡くなる・リセは重態
芸能人は、目立つ存在です。アイドルは、身近に感じる存在であり、明るく元気な存在です。そんな彼女たちの交通事故、死亡、重態、重症。多くの人たちがショックを受けていることでしょう(日本でも、昨年の桜塚やっくんの交通事故死で衝撃を受けた人が大勢いるように)。
重態のリセさんは、福島市で生まれ育っています。多くの友人知人、親戚や、ファンの人たちがいることでしょう。日韓の架け橋になり得る人でしょう。それだけに、とても痛ましい事故です。
■韓国交通事故事情:日韓比較
韓国は残念ながら交通事故の多い国です。
日本と韓国を比較する次のようになります。
人口
日本:1億2千万。韓国:5千万
自動車台数
日本:8千万台。韓国2千万台。
道路の長さ
日本:120万キロ。韓国10万キロ。
年間交通事故死亡者数
日本:4千人。韓国5千人。
韓国の方が、交通事故死亡率は、ずっと多くなっています。
日本も1970年ごろは、年間1万6千人もの交通事故死亡者がいました。その後も1万人前後の犠牲者がいましたが、この十数年の関係者の努力の結果、ここまで減らしてきました。
韓国も、1990年には1万2千人だった交通事故死亡者をここまで減らしましたが、この数年5千人代で高止まり状態が続いています。
日本も韓国もこの数十年で自動車の数が増えています。
日本では、1970年には1800万台だった自動車が今では8千万台になりました。
ところが韓国では、
1980年と比べても、何と100倍です。
このものすごい自動車の増加に、おそらく、環境整備や安全文化が追いついていないのでしょう。
様々な人が、韓国では自動車の運転が乱暴だといってことを述べています。
■安全文化の育成
日本も、かつて急激な経済成長の中で、交通戦争と呼ばれるほどに自動車事故が増え、また公害が増えていきました。しかし今は、社会の成熟と共に交通事故の少ない、環境を大切にする社会となりました。
韓国をはじめ、アジア諸国も、今後の改善を期待したいと思います。韓国では、セウォル号沈没事故が国全体を揺るがしました。この機会に、安全文化の育成が必要でしょう。
交通事故を減らすためには、自動車の改善、道路の改善、法律の改善も必要です。しかし、人はしばしばあえてルールを犯し、危険な運転をします(交通事故の心理学:人はなぜミスを犯しルールを破り危険に近づくのか)。
だから、これらの整備と同時に、長い目で見れば、交通安全教育と安全文化の育成が必要です。
交通、運輸においては、利益やスピードよりも、安全こそが大切です。日本もまだ道半ばです。福知山線脱線事故が起こり、小樽市飲酒運転ひき逃げ事件が起きています。
タイタニックの沈没から、最近の事故まで、多くの事故は、急いでいることと、技術やテクニックの過信から発生しています。運動神経の良い人が、意外と交通事故を起こしやすいのです(交通事故の心理学:事故を起こしやすい人とは?)。
今回の事故で亡くなられたウンビさんのご冥福をお祈りいたします。リセさんをはじめ、治療中の方の回復をお祈りいたします。