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恋愛・結婚・婚活の心理学:交際相手も異性の友人もいない男性6割・女性5割の幸せのために

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
積極的に動けば、出会いはあなたにも(photoAC)

◇交際相手いない若者、男性6割・女性5割◇

2013年版の厚生労働白書案が26日、明らかになった。~〈1〉18~39歳の未婚者の9割弱が結婚願望を抱いている。〈2〉異性の交際相手も友人もいない割合は男性で約6割、女性で約5割に上っている。

出典:交際相手いない若者、男性6割・女性5割 読売新聞 Y! 8月26日(月)14時34分配信

結婚願望はあるのに、交際相手はいない現状が明らかにされました。白書は、少子化につながる若者の晩婚化や未婚率上昇について、「自力で『理想の相手』を見つけることの難しさも一因」と分析しています。

◇婚活とは◇

婚活とは、現代においては、結婚するためには自分から活動しなくてはいけないということを表す言葉です。

以前は、普通の男女は普通に結婚出来ていました。年頃になれば、親戚や近所や会社に、「お節介な人」がいて、見合い話、結婚話を持ってきてくれました。

結婚における「お見合い率」は、1930年代は70パーセント。1960年代になると恋愛結婚と見合い結婚が半々。1980年ごろには25パーセントにまで下がりますが、良い人なのだが恋愛に不器用といった人には、どっかのお節介が見合い話を持ってきて、そんな二人を結びつけ、結婚の段取りを進めてくれたことでしょう。

ところが、今や見合い結婚はわずか数パーセント。お節介な人は絶滅危惧種で、それに以前と違って、結婚の条件が厳しい人ほど、見合いも難しいかもしれません。

現代は、自分から動かなければ結婚できない、婚活(結婚活動)が必要な時代になってしまいました。

◇恋愛と結婚に関する調査◇

インターネット調査会社の株式会社マクロミルの調査(2011)によれば、20代から30代で「恋人がいない男女は、約6割。'自分から積極的にアプローチしない男性'が7割」となっています。

少し前なら、若い人には交際相手がいて当たり前、いないことは恥ずかしいと感じられてしていましたが、実際は違います。今回の白書では、「異性の交際相手も友人もいない割合は男性で約6割、女性で約5割」と報告されました。恋人どころか、仲良しの異性の友達すらなかなかできないわけです。

たしかに、私の周囲にもとても魅力的で結婚を望んでいるのに、交際相手がいない人は、たくさんいます。

◇幸せな結婚のための婚活◇

さて、嘆いていても仕方ありません。お節介な人がいないなら、自分で活動しましょう。幸い、「婚活」はだいぶ市民権をえています。婚活が恥ずかしいことだとは思わなくなってきているでしょう。多くの異性と会い、多くの異性と話す機会を探しましょう。信頼できる結婚相談所もいいかもしれません。

あなたの考えや、キャラクターに合った出会いの場を探しましょう。スポーツや、音楽、ボランティア、学校、勉強会、研修会などに参加しましょう。出会いの場がないと嘆くヒマがあったら、出会いの場を作りましょう。

◇人はどんな人を好きになるか◇

あなたが美男美女である必要はありません。心理学の研究によれば、たしかに第一印象では外見が大切です。でも、第二印象では違ってきます。

ミス日本の候補者を選ぼうとすれば、男たちの意見はそれほどばらばらになりません。スタイルの良いいわゆる美人を選びます。ところが、まじめに誰と付き合いたいかとなると、必ずしもモデルのような人ばかりを選ぶわけではありません。好みは、人それぞれです。にぎやかなグラマーが好きな人もいれば、地味で小柄な人を好きになる人もいます(地味な人は早く幸せな結婚をしたりもします)。

女性が男性を選ぶのも同様です。スポーツマンタイプはモテるでしょうが、筋肉隆々をみんなが好きになるわけではありません。ひょろっとしたコンピューター青年を嫌いな人もいれば、好きな人もいるでしょう。人それぞれです。みんなに好かれようなどと思う必要はありません

恋愛心理学のマッチング理論によれば、人は自分とつりあう人を好きになります。

社会心理学対人魅力に関する研究によれば、人が好きになるのは、こんな人です。近くにいる人、いつも会う人、自分と似ている人、そして、自分のことを好きになってくれた人です。

どこでどんな出会いが待っているか、わかりませんね。

◇恋の告白◇

恋愛においては、女性が主導権を握ることも多くなっています。女性からでも、交際を申し込みましょう。結婚も、同様です。女性からのプロポーズもOKです。ただ調査によれば、結婚はまだやはり男性のリーダーシップが求められることが多いようです。

男たちが、勇気を持って「結婚しよう」と告白しないと、なかなか結婚にはいたりません。ある結婚相談所の人が言っていました。結婚を望んでいるのに結婚できない男性は、良い人が多い。良い人なのだが、決断ができない、リーダーシップを発揮できないと。

さて、恋愛をしてもしなくても、結婚をしてもしなくても、失恋をしても、あなたの価値は変わりません。どちらにせよ、結婚してもしなくても、あなたは幸せになれます。

だから恐れずに、アプローチしましょう。失恋を怖がりすぎると、良い恋愛ができません。無理をして不幸な恋愛や結婚をしてもいけませんが、良い恋愛(自分や相手にウソをつかない、利用したり利用されたりしない互いに誠実な恋愛)をすれば、たとえ結果がどうであれ、あなたは成長できます。失恋したとしても、良い思い出になるでしょう。

素敵な恋を、しましょうね。

幸せな結婚生活を、送りましょう。

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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