子どもたちのためにできること:こどもの日の心理学

◆こどもの日

5月5日は「こどもの日」。私たち国民みんなで、子どもの人格を重んじ、子どもの幸せを願う日です(祝日法・端午の節句の精神)。ゴールデンウイークの他の祝日が何の日か忘れる人はいても、「こどもの日」はみんなわかっているでしょう。

◆子どもは希望、子どもは未来

子どもたちこそ、私たちの未来です。

エネルギーも食料も、何もかも豊富にあったとしても、もしも子どもがいなかったらどうでしょう。

映画『トゥモロー・ワールド』は、子どもが生まれなくなった世界を描いています。

何がどれだけあっても、世界は希望を失い、崩壊しようとしています。

私は、わが子が生まれた瞬間に立ち会って、「この子が育つこの世界を、良い世界にしなくては」と感じました。

◆子どもは誰が育てるのか

「子育ては女(母親)の仕事」といった言葉がありますが、明らかに間違っていると思います。人間の赤ん坊は、3キロもある大きな赤ん坊ですが、馬のようにすぐ立ちあ上がることはできません。サルのように自分でお母さんに抱きつくこともできません。

もしも人間という生物が、母親一人で子育てをするの生き物だとしたら、大昔のお母さんは、何年ものあいだ子どもを抱きかかえながら食べ物を探し、ライオンから逃げ回らなくてはなりません。そんなことをしていたら、人類は滅んでいたでしょう。

だから、人間は家族で子どもを育て、さらにいくつかの家族が一緒になって、子どもたちを守ってきました。

現代は、母子家庭でももちろん生活していけますが、一人ぼっちの子育てはが耐えられないでしょう。大家族でも孤独な子育てをしている母親はいます。母乳を出せるのはお母さんですし、両親が子育ての第一責任者ですが、両親が子どもを育て、他の家族が夫婦を支え、そして社会全体で家族を支えていくことこそ、人間本来の姿ではないでしょうか。

だから、国民の祝日として「こども日」があると思うのです。

◆子どもに何を与えるべきか

大人が子どもにしてあげられることは、そんなに多くはないと思います。たっぷりと愛し、そして多くの経験をさせることです。子どもの健康な成長に必要なのは、「癒しの場」「活躍の場」でしょう。

癒しの場とは、無条件で愛され、守られ、大切にされる、かけがえのない「世界に一つだけの花」として扱われることです。

活躍の場とは、苦しくてもがんばる、上を目指す、使命や役割がある、世のため人のために努力することです。

愛の土台がなくてがんばらせるだけでは、心が壊れてしまうでしょう。でも、チャレンジャーにならなければ、子どもも、社会全体も、成長が止まるでしょう。

子どもは、愛を求めています。子どもは競争が大好きです。子どもは、父さんや母さんや、みんなに認められたい、役割がほしいと願っています。

福島県の、ある青少年事業の関係者が言っていました。震災後、福島県の子どもたちを招待してくれるところがたくさんある。大変ありがたい。でも、至れり尽くせり、上げ膳据え膳の、ただ与えられるだけのことが繰り返されると、子どもたちの心が腐っていく。そうでなくて、一緒に苦労して、一緒に工夫して、一緒に成し遂げるような、そんな企画だと、子どもたちは輝き始める。

◆鯉のぼりの心・輝く瞳

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鯉のぼりの鯉は、鯉の滝登りの鯉です。男の子も女の子も、そのぞれの年齢と能力に応じて、元気に飛び跳ねようとしています。

子どもたちの中には、愛されている実感がなく、慰められる癒しの場がない子どもたちがいます。この子達は、小さくなっていたり、乱暴になったりします。一方、愛されてはいても、過保護にされている子もいます。活躍の場がなく、決断力や勇気を養うことができていない子がいます。

こどもの日、たっぷり愛して、思う存分活動させることができますように。あちこちで、子どもの日のイベントがあることでしょう。地域みんなで、社会全体で、子どもを愛し、活躍の場を与えることができますように。

親の優しい視線に守られながら、汗をかいている子どもたちの目は、みんなすばらしく輝いています。

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東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。テレビ新潟番組審議委員。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』は総アクセス数5千万。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』など。

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