オセロ中島マインドコントロールされていない?:"激白"を読み解く

オセロ中島さんマインドコントロールに関する様々な報道

■オセロの中島さん、2年ぶりのテレビ出演

2年ぶりにテレビに出演(テレビ朝日『ワイドスクランブル』、自らの"洗脳(マインドコントロール)騒動"について激白したお笑いコンビ「オセロ」の中島知子さん。以前のスマートな体形にすっかり戻っています。表情も明るく、笑いも出るようです。

番組コメンテーターの中には、「きわめて普通にしゃべっている。だから、マインドコントロールは誤報ではないか。」と話している人もいます。(これが、本心なのか、独占インタビューに応じてくれた中島さんへの配慮なのかはわかりませんが。)

しかし、今回のインタビューを受けて、騒動はなおさら大きくなっています。オセロ中島さんは、マインドコントロールの被害者なのか、違うのか、そして、私たちにはどんな態度が必要なのでしょうか。

オセロ中島さんの発言

出演した『ワイドスクランブル』で放送された内容、また様々な報道によると、中島さんは、次のような発言しています。

「Iさん(同居していた女性、自称霊能者、占い師)は、悪くない。悪いのは私」

「自分は被害者じゃなくて、加害者。自分がまいた種」

「女性占いは世話になっている友人」

「マインドコントロールされてはいない。生活が楽しくなるように人生相談」

「マンションに来たのは警察官だけ」(以前の報道とは異なるが)

「警察官に促されてすぐに部屋から出た」(以前の報道とは異なるが)

「数年前の相方の独立が閉じこもるきっかけ」

(相方の松島さんはお互い納得したうえでの独立だったと反論し、コンビは続けたいと)

「入院をしたことも“洗脳”ではないことを家族に証明するため」

「入院中に会った苫米地さんも、この人はマインドコントロールされていないと」

「自分の散財に付き合ってもらった」(と明るい表情)

「貯金ははないです。すぐ使います。率先してなくしてたんで」

「服に1回350万円使います」(と淡々と話した)

「友人だと今でも思ってるし、私ばっかり世話になった」

「コンビなのに独立した。それで悩んでいることもあった」

「(家賃滞納問題については)やけになったら休ませてくれるかなと思った」

不動産屋からは「意味が分からない」「常識外れ。滞納を止めた方がいい」と。

「(滞納を)止められないんです。自分で決めた、自分の生き方にかかっている」と。

「(周囲へ迷惑を掛けることは承知の上で)自分自身で決めたことで貫き通したかった」

「すぐにでも」(と芸能界への早期復帰を熱望)。

「新しい自分を見ていただけたらと思ってます」

「(一連の騒動には)後悔はしてないです」(と言い切った)。

「いろいろ迷惑をかけてしまった。テレビで説明すればいいんだと、急に気がついた」

「(世間からの批判は)意味が分からない。(マインドコントロールは)されていない」

「(浪費癖については)税金対策だった」

「同居していた女性を歌手にしたい」

「(自宅を出るまでの“空白の1年”については)待っていた」

「仕事をしたい」しかしこれは、「“謹慎”の意味を含んていた」

「気付くのが遅かった。本当のことを言わなきゃ」(と今回のインタビューに応じた。)

■オセロ中島さんの発言から考える。

中島さんの発言内容は、次のようにまとめられると思います。

  • 同居していた女性占い師(自称霊能者)をかばう発言。
  • 洗脳、マインドコントロールを否定する発言。
  • ことさら、自分自身で決めたことを強調。
  • 迷いのない、断言する口調。

これらのことをそのまま聞けば、マインドコントロールなど受けていないように思われます。しかし、これらの発言は、マインドコントロールを受けている人たちの典型的な発言です。

もし、あなたが何かの理由で世間を騒がせ、周囲に迷惑をかけたとしましょう。本当にマインドコントロールを受けていなかった、だまされていなかったとしても、こんな大騒ぎを起こし、体調を崩し、仕事仲間にも家族にも大きな迷惑をかけ、多くの仕事もお金も失ったとしたら、どうでしょう。

仮に信念に基づく行為だとしても、やはり、迷いや、謝罪の気持ちがわくのではないでしょうか。それが、人間というものです。ところが、マインドコントロールされていると、迷いを表現しません。一見、非常にしっかりと筋が通っているかのような態度をとるのです。

■周囲の関係者の反応

一般の人たちも、何かおかしいと感じている人が多いようですが、

芸能界の人から見ると、どうなのでしょう。

「綺麗だった。普段着でノーメイクで、本当に普通だった。ギャグを言ったら笑ったりしていた」「マインドコントロールがかかった人には見えなかった」という発言もありますが、一方、やはりおかしいと感じる芸能界の方もいます。

  • 笑福亭鶴瓶さん

「(中島は)堂々と(テレビに)出て(服に)350万円使いましたとか、おかしい。常識から考えたらそうやん」

「洗脳解けてないて、あんなん。解けてるんなら樹木希林さんとこに謝りに行かな。そこが先やん」

「(洗脳が)解けてても解けてなくてもええけど、まだ(テレビに)出したらいかん」

  • テリー伊藤さん

「(中島が出演した『ワイド!スクランブル』を)見させていただいたが、まったく(病気が)治っていないと思った。洗脳とかマインドコントロールなどと言われているが、そもそも中島さんが精神バランスを崩していたというのが大前提。テレビに出るということは、1回切りではなく、継続して出るということ。不健康なままで彼女が追い込まれていくことも当然予想される。今の段階で彼女を出演させたテレビ局のほうも罪深い。今、注目されているのは(騒動が)面白いからというだけ。(今後、テレビに継続して出演していく中で)変人扱いされて、消えていくのはかわいそう。僕は(中島と)一緒に仕事をしていたから」(『サンデージャポン』)

  • お笑いコンビ・TKO さん(中島さんと同じ事務所の先輩)

「(復帰について)順番が間違ってる。まず(連絡すべきは)松嶋(尚美)ちゃうの」(と穏やかな口調ながら、怒りをにじませ)「見てるか!お前」(と中島に呼びかけた)。

「ぼくらの知ってる中島とは違った」(微妙な変化に気付いた)

*マインドコントロールに懐疑的なご意見も当然あります。そのご意見のご紹介と反論は、次の記事で(字数制限があるため)。

→記事をアップしました。(2013.4.2)

「オセロ中島はマインドコントロールではない」に反論!:芸能ニュースではなく社会問題として

■マインドコントロール問題に詳しい紀藤正樹弁護士

取材に答えてのコメント、またご自身のブログで、次のように語っています。

「インタビューを聞く限り、Iさんを擁護する発言を繰り返しているのは(マインドコントロールが)解けていないと思われる」

「問題なのは、中島さんの主張だけを述べることができる独占インタビュー。これではリポーターや番組出演者も鋭く突っ込めない。彼女はまだ自分を客観視できておらず、自分の世界と現実世界の境界線がない状態。それを目覚めさせるには、インタビューではなく記者会見です。記者からの批判的な質問にさらされてこそ、現状を把握することができる」

自分から見た自分(「芸能界に復帰したい」自分)と、世界から見た自分(「とても復帰できる状況にない」自分)が、極端に遊離している状態は、夢を見ているような状態で、とても精神的に、リハビリができた状態だとは思えません。 普通に回りから見れば、「利己的」に見える状態です。 もともとのオセロ中島さんが「利己的」な人というならともかく(もともと「マインドコントロール」されていないというなら、こういうことかもしれません。)、家族が知人が、そうではないというなら、やはりまだリハビリはうまくいっていないというべきでしょう。

出典:弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版

■マインドコントロールとは

マインドコントロールとは、洗脳のような強制によらず、あたかも自分の意思で選択したかのように、ある結論へと誘導する技術、またその行為のことです。

一つ一つの手法自体は、特殊なものではないのですが、それらが総合的に使われるとき、マインドコントロールが起きてしまいます。周囲は、以前とは別人になってしまったと感じます。

マインドコントロールの説明については、

オセロの中島知子さんのケースから考えるマインドコントロールの解き方」(Yahoo!ニュース個人「碓井真史の心理学でお散歩」)をご覧ください。

■マインドコントロールされている人とは、どんな人か。

一般的にマインドコントロールされていると言われている「破壊的カルト」の信者さんたち。私も何人も会ってきました。今回の中島さんのケースのような、個人カルト(少数カルト)被害者のお話も聞いてきました。

みなさんも、テレビでオウム真理教の信者さんを見たことのある人も多いでしょう。

奇妙な服を着て、奇妙な修行などしていたら、普通の人とは違うと感じるでしょうが、普段着でテレビのインタビューに答えているときは、どうだったでしょうか。一目でおかしいと思ったでしょうか。

マインドコントロールされている人たちの多くは、普段は普通の生活をしています。仕事もしています。ぼんやりしているわけではなく、訳のわからない言動を取るわけでもなく、楽しく笑いながら、おしゃべりもできます。

けれども、その教祖や組織のためならば、平気で嘘もつきますし、違法なこともします。オウム真理教事件では、人殺しさえしてしまいました。

この自称霊能者に夫婦でだまされていたと述べている千主ひかるさんも、被害者だったのですが、最後には(違法ではないのものの)、彼女の手伝いまでしてしまっています(千主 ひかる著『自称霊能者に支配された561日:中島知子さんもかかった罠』:私も本書の最後に解説を書きました)。

実は、法的にはなかなかマインドコントロールは認められないようです。しかし、マインドコントロールという言葉は使わなくても、いくつもの裁判で、法的道義的に許されない勧誘方法がとられていたと認めらています。

心理学者、弁護士、宗教家など、問題意識を持った人たちが、被害者を守るために様々な活動を行っています。

■これからのオセロ中島知子さん

マンションからの奪還までは、すばらしい事例だと思っていたのですが、そう簡単ではないようです。まだテレビに出るのは早かったと思います。テレビでの発言に怒っている関係者もいるようです。ただ、これらの発言は、本来の中島さんが述べているのではないと、思います。

もう一度、家族や親友との人間関係を取り戻し、脱マインドコントロールと、心理的なリハビリが行えることを願っています。

今回のケースで、マインドコントロールをとくこと、特に個人カルトの対処法の難しさを私も痛感しました。

日本中で、今も、巨大な破壊的カルトによって心が支配されている人がいます。その人のために心を痛めている家族がいます。さらに、個人カルト、少数カルトに、健康もお金も人生も奪われている人、苦しんでいる家族の皆さんがいらっしゃいます。

<引き続き、関連記事を準備中>

公開しました(2013.4.2)

「オセロ中島はマインドコントロールではない」に反論!:芸能ニュースではなく社会問題として

(2013.4.7)

オセロ中島知子さん解雇! マインドコントロール被害者の心理と脱会の難しさ」 

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東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。HP『こころの散歩道』。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「とくダネ!」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ビートたけしのTVタックル」「ホンマでっか!?TV」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』など。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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