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デグロームら3投手を加え、レンジャーズの先発投手陣は万全になったのか。あるいはさらなる補強も!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンドルー・ヒーニー Sep 23, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、テキサス・レンジャーズは、3人の先発投手をローテーションに加えた。

 アトランタ・ブレーブスからジェイク・オドリッジを獲得したのに続き、FA市場に出ていたジェイコブ・デグロームアンドルー・ヒーニーを、それぞれ、5年1億8500万ドルと2年2500万ドルの契約で迎え入れた。また、オフに入った直後には、マーティン・ペレスに年俸1965万ドルのクオリファイング・オファーを申し出て、受諾されている。現時点でローテーションを組むなら、順序はさておき、この4人と、昨オフに4年5600万ドルの契約を交わしたジョン・グレイになるだろう。

 今シーズン、レンジャーズは、リーグ5位の707得点を記録した。一方、防御率はワースト4位の4.22。ブルペンの3.72は8位ながら、先発投手陣の4.63はワースト3位に位置した。94敗を喫したレンジャーズは、ロサンゼルス・エンジェルスより下のア・リーグ西地区4位に終わった。

 昨オフは、コリー・シーガーマーカス・シミエンを手に入れ、併殺デュオを一新している(「レンジャーズに誕生する「5億ドルの併殺デュオ」は史上最高額ではない!? この2人は計6億ドル近く…」)。今オフの補強は、それに続く動きというわけだ。

 5人が揃って150イニング以上を投げ、今シーズンと変わらない防御率を記録すれば、トップクラスのローテーションになる。2018~19年に続けてサイ・ヤング賞のデグロームについては、「デグロームの5年1億8500万ドルは高いのか。年平均3700万ドルはシャーザーに次ぐ史上2位」で書いた。今シーズン、ペレスはブレイクを果たし、10年前のドラフトで全体9位指名を受けたヒーニーも、スライダーを武器に資質を開花させた。

 ただ、5人のうち、規定投球回に達したのはペレスだけだ。あとの4人は、いずれも故障に見舞われている。今オフに呼び戻したマイク・マダックス投手コーチの指導などにより、他の先発投手がステップアップするかもしれないが、実際にそうなるかどうかはまだわからない。

筆者作成
筆者作成

 ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールは、「どれくらい本気なのかはわからない」と記しながら、デグロームと契約を交わした翌日に、レンジャーズがカルロス・ロドーンと会ったことを報じている。その後、同じ左投手のヒーニーをローテーションに加えたので、ロドーンを手に入れる可能性は消滅したように見えるが、皆無と断言することはできない気もする。

 なお、マダックス投手コーチについては、こちらで書いた。

「「マダックス効果」はあるのか。8年ぶりに球団復帰の投手コーチは、殿堂投手の兄」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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