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56本塁打の村上宗隆は三冠王となったが、62本塁打のアーロン・ジャッジは…。打率1位とは4厘差

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Oct 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、歴代2位の56本塁打に加え、リーグ1位の打率.318と134打点を記録し、三冠王となった。

 一方、メジャーリーグでは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が、10月4日にシーズン62本目のホームランを打った。こちらは歴代7位だが、ア・リーグでは最も多く、その上に位置する3人(延べ6人)は、いずれもステロイドに関わりがある。それについては、「ジャッジの本塁打を「ボンズの73本塁打」でなく「マリスの61本塁打」と比べるのは薬物だけが理由なのか」で書いた。

 村上と同じく、ジャッジも三冠王の可能性がある。現時点の打率.311はリーグ2位、ホームランと打点は1位だ。ホームランは、2位のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)より23本多い。打点は、2位のホゼ・ラミレス(クリーブランド・ガーディアンズ)に7打点差をつけている。打率1位は.315のルイス・アライズ(ミネソタ・ツインズ)なので、ジャッジとの差は4厘だ。

 ただ、ここから、ジャッジがアライズを上回るのは、そう簡単ではない。ヤンキースもツインズも、レギュラーシーズンの残りは1試合だ。2人とも5打数以下の場合、アライズがヒットを3本打つと、ジャッジは5打数5安打でもアライズに及ばない。アライズが2安打でも、ジャッジがアライズを上回るには、5打数5安打が必要となり、それでも追い抜けずに終わることもあり得る。

 それぞれの打数と安打における、シーズン打率は以下のとおり(5打数以下)。1安打以下のジャッジは、5打数0安打のアライズよりも低い打率になるので、記載していない。

筆者作成
筆者作成

 なお、ジャッジは、ホームランをあと1本打つと、1999年のサミー・ソーサ(63本)と並ぶ。あと2本なら2001年のソーサ(64本)、あと3本なら1999年のマーク・マグワイア(65本)、あと4本だと1998年のソーサ(66本)と同じ本数となる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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