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達成なら「最も投球数の少ない完全試合」になっていたのか。79球で24者連続アウト

宇根夏樹ベースボール・ライター
ドルー・ラスマッセン(タンパベイ・レイズ)Aug 14, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月14日、ドルー・ラスマッセン(タンパベイ・レイズ)は、史上24度目の完全試合まで、あと3アウトに迫った。9回表の初球をホルヘ・マテオ(ボルティモア・オリオールズ)に打ち返され、それが三塁線を破る二塁打となったが、試合開始から24人続けて討ち取っていた。

 しかも、8回表を終えた時点で、ラスマッセンは79球しか投げていなかった。

 どの試合でも投球数をカウントするようになった1988年以降、完全試合は12度達成されている。それらのうち、最も投球数が少なかったのは、1999年7月18日にデビッド・コーンが記録した88球だ。ラスマッセンは、マテオと続く2人をいずれもアウトに仕留め、計9球で9回表を終わらせていれば、コーンと同じ投球数の完全試合となっていた。

 ちなみに、1988年以降の12度中、100球未満の完全試合は4度。コーン以外には、1991年7月28日のデニス・マルティネスと2012年4月21日のフィリップ・ハンバーが96球、1994年7月28日のケニー・ロジャースは98球だ。一方、2012年6月13日のマット・ケインは、最も投球数が多く、125球を投げた。

 また、1987年以前の投球数は不明ながら、1956年10月8日のドン・ラーセンは、97球という記録が残っている。この試合は、ワールドシリーズの第5戦だった。

 なお、現時点における、最後の完全試合は、2012年8月15日だ。フェリックス・ヘルナンデスが達成した。

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)と菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)は、フェリックスの完全試合からちょうど10年後となる、8月15日の先発マウンドに上がる。他の先発投手は、ノア・シンダーガード(フィラデルフィア・フィリーズ)、ジョー・マスグローブ(サンディエゴ・パドレス)、サンディ・アルカンタラ(マイアミ・マーリンズ)、ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)、スペンサー・ストライダー(アトランタ・ブレーブス)、ジョニー・クエイト(シカゴ・ホワイトソックス)、フリオ・ウリーアス(ロサンゼルス・ドジャース)、ルイス・カスティーヨ(シアトル・マリナーズ)……。マスグローブは、昨年4月9日に、パドレス史上初のノーヒッターを達成した。マスグローブと投げ合うアルカンタラは、今シーズン、ナ・リーグ・ベストの防御率2.01を記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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