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タティースJr.の「出場停止80試合」は、今シーズンの48試合と、来シーズンは10試合の可能性も!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)Jun 15, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月12日、フェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)の「シーズン全休」が決まった。薬物検査により、禁止薬物であるクロステボルの陽性反応が出て、80試合の出場停止を科された。今シーズンは開幕から故障者リストに入っていたが、8月に入り、AAで4試合にリハビリ出場。数日中にも復帰となるはずだった。

 処分の時点で、パドレスは114試合を終えていた。今シーズンはそこから48試合なので、レギュラーシーズンが終わると、タティースJr.の出場停止は、残り32試合となる。80-48=32だ。

 ただ、タティースJr.が復帰できるのは、来シーズンの開幕33試合目とは限らない。早まる可能性もある。パドレスが今秋のポストシーズンに進出した場合だ。もちろん、タティースJr.は出場できないが、パドレスがポストシーズンで行う試合も、出場停止の試合数に数えられる。

 8月12日の試合――タティースJr.の出場停止1試合目――を終え、パドレスは64勝51敗、勝率.557を記録している。ナ・リーグ西地区では、ロサンゼルス・ドジャースに16ゲーム差をつけられているものの、ワイルドカードの3番手に位置する。4番手のミルウォーキー・ブルワーズとの差は2ゲームだ。今年から、ワイルドカードは1リーグ3チームに増えた。

 ワイルドカードのチームは、ポストシーズンで少なくとも2試合、多ければ22試合を行う。前者は、ワイルドカード・シリーズで0勝2敗。後者は、ワイルドカード・シリーズが2勝1敗、ディビジョン・シリーズが3勝2敗、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズが4勝3敗、ワールドシリーズは4勝3敗あるいは3勝4敗だ。

 パドレスがポストシーズンに進出し、そこで22試合を行えば、タティースJr.の出場停止は残り10試合となり、来シーズンの開幕11試合目から出場可能となる。80-48-22=10だ。

 ポストシーズンのフォーマットについては、こちらで書いた。

「同じ地区優勝でも、そこからワールドシリーズ優勝までに必要な白星の数は同じではなく…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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