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マリナーズのルーキー本塁打トップ5。フリオ・ロドリゲスは歴代4位の城島健司に並ぶ

宇根夏樹ベースボール・ライター
フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)Jul 27, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月27日、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)は、前日に続いてホームランを打った。

 ロドリゲスがメジャーデビューしたのは、今シーズンの開幕戦だ。4月は0本塁打ながら、オールスター・ブレイクまでに16本のホームランを打った。また、ホームラン・ダービーでは、最終ラウンドでホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)に敗れたものの、3ラウンドで計81本塁打。これは、2019年にブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が記録した91本塁打に次ぐ。前半戦の最後の試合で、ロドリゲスは、二盗を試みてベースに左肘をぶつけ、後半戦のスタートから4試合続けて欠場したが、7月26日に復帰した。そこから、2試合連続のホームランということだ。

 今シーズンが始まる前、マリナーズのルーキーによるシーズン本塁打のトップ5は、27本のアルビン・デービス(1984年)、25本のダニー・タータブル(1986年)、24本のルパート・ジョーンズ(1977年)、18本の城島健司(2006年)、16本のケン・グリフィーJr.(1989年)とミッチ・ハニガー(2017年)だった(メジャーリーグ1年目とは限らない)。ロドリゲスは、後半戦の1本目でグリフィーJr.とハニガーを追い越し、2本目で城島に並んだ。トップのデービスとは9本差だ。ルーキーの球団記録を塗り替える可能性もある。

 一方、マリナーズのルーキーによるシーズン盗塁は、イチロー(2001年)の56が最多だ。ロドリゲスは、ここまで21盗塁。こちらには届きそうにない。

 ただ、30-30を達成すれば、2012年に30本塁打と49盗塁のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)に続き、ルーキーでは史上2人目となる。今シーズンのロドリゲスと10年前のトラウトを比べると、年齢(6月30日時点)は21歳と20歳だが、トラウトは2011年の夏にデビューしているので、ルーキーながら、当時はメジャーリーグ2年目だった。センターを定位置とする点は、2人とも共通する。

 記録以上に重要なのは、マリナーズにおける存在だ。7月27日を終え、マリナーズはワイルドカードの2番手につけている、ロドリゲスがいなければ、この位置にいたかどうかには、疑問符がつく。今秋のポストシーズンにたどり着くには、ここからもロドリゲスが不可欠だろう。

 ロドリゲスが生まれたのは、2000年12月29日だ。その翌年を最後に、マリナーズはポストシーズンから遠ざかっている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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