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鈴木誠也のランニング本塁打は、他2人のホームランと「合わせ技」の史上初

宇根夏樹ベースボール・ライター
鈴木誠也(シカゴ・カブス)Jul 4, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月4日、故障明けの鈴木誠也(シカゴ・カブス)は、7回表のシングル・ヒットに続き、9回表にランニング本塁打を記録した。この試合でホームランを打ったのは、鈴木の他に2人。どちらも、フェンスをオーバーした。ネルソン・ベラスケス(カブス)は、3回表にメジャーリーグ初本塁打。ビクター・カラティニ(ミルウォーキー・ブルワーズ)は、10回裏にサヨナラ本塁打を記録した。

 スタッツ社(スタッツ・バイ・スタッツ)によると、同じ試合で、メジャーリーグ初本塁打、ランニング本塁打、サヨナラ本塁打を、それぞれ違う3人が打ったのは、史上初だという。

 ホームランということは共通しているので、この合わせ技による史上初は、3本以外のホームランがない点も含め、トリビアとしてありだと思う。なお、スタッツ社の書き方からすると、違う3人でなければ、過去に起きているのかもしれない。

 あくまでもトリビアの観点だが、惜しまれるのは、カラティニのサヨナラ本塁打が、昨年6月17日に続く2本目だったことだ。ベラスケスは、メジャーリーグでホームランを打ったことがなかった。鈴木も、ランニング本塁打を記録したことはなかった。

 また、3人がチームメイトであれば、こちらもトリビアの価値を高めていた気がする。ただし、ベラスケスと鈴木のチームメイトが、この試合でサヨナラ本塁打を打つ可能性は、最初からなかった。

 なお、鈴木以外の2人は、ともにプエルトリカンだ。23歳のベラスケスは、2017年のドラフト5巡目・全体165位。今年5月30日にメジャーデビューし、その日の2試合に出場後、6月1日にAAAへ戻り、6月20日に再昇格した。鈴木と同じく外野手なので、今後は、出場機会が減るか、降格の可能性もある。鈴木の復帰に伴い、AAAに降格したのは、ルーキーの外野手、ナルシーソ・クルックだ。

 28歳のカラティニは、2013年のドラフト2巡目・全体65位。ちなみに、直後の全体66位は、加藤豪将(現ニューヨーク・メッツ)だった。

 カラティニは、2014年の夏にアトランタ・ブレーブスからカブスへ移り、2017年6月にメジャーデビュー。2020年の年末にダルビッシュ有とともにサンディエゴ・パドレスへ。今シーズンの開幕直前にブルワーズへ移った。移籍は、3度ともトレードによるものだ。この試合は、一塁手として出場し、8回表からマスクをかぶった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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