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「サヨナラを含む1試合3本塁打」はそう珍しくないのか。今月はこの選手が2人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャック・スウィンスキー(ピッツバーグ・パイレーツ)Jun 19, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月19日、ジャック・スウィンスキー(ピッツバーグ・パイレーツ)は、4回裏と6回裏に続き、9回裏にもホームランを打った。いずれも、ソロ。それぞれ、同点打、勝ち越し打、サヨナラ打となった。

 今月1日には、ブレンダン・ロジャース(コロラド・ロッキーズ)も、サヨナラ本塁打を含む1試合3本のホームランを記録している。

 MLB.comのサラ・ラングスによると、2000年以降では、ロジャースが7人目、スウィンスキーは8人目。彼らの前の6人は、2001年4月15日のトッド・ホランズワース、2006年4月16日のアルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)、2012年5月13日のジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)、2016年5月17日のクリス・デービス――イニシャルはK、2017年8月18日のマニー・マチャド(当時ボルティモア・オリオールズ/現サンディエゴ・パドレス)、2018年6月3日のエディ・ロザリオ(当時ミネソタ・ツインズ/現アトランタ・ブレーブス)だという。

 決して多くはないものの、皆無に近いというほど少なくはない。2000年以降に限っていることからも、それは窺える。なかでも、2016~18年の3シーズンは、1シーズンに1人ずつが記録している。

 ただ、今シーズンは、その頻度が違う。すでに2人。それも、同じ月の19日間に2人だ。

 また、イライアス・スポーツ・ビューローは、1試合にサヨナラ本塁打を含む3本のホームランを打ったルーキーは、スウィンスキーが初、と謳っている。スパンは区切っていないので、1999年以前にもいなかったということだ。

 スウィンスキーは、4月下旬にデビューしたばかりの外野手だ。2016年のドラフトで、サンディエゴ・パドレスから15巡目・全体444位指名を受け、昨年の夏、アダム・フレイジャー(現シアトル・マリナーズ)の交換要員の一人として、パイレーツへ移籍した。

 ここまでは、47試合に出場し、打率.230と出塁率.296、OPS.782を記録している。ホームランは、6月19日に打ったのが、通算9本目と10本目と11本目だ。

 1試合に2本以上のマルチ本塁打は初めてだが、サヨナラ本塁打は2本目。6月4日に打った、通算6本目のホームランがそうだ。ちなみに、ホームラン以外を含めても、今シーズン、パイレーツでサヨナラ安打を記録した選手は、他にはいない。スウィンスキーが2本、彼以外は計0本だ。

 ちなみに、通算4本目のホームランは、捕手のヤディアー・モリーナ(カーディナルス)から打った。こちらは2人目。1人目は、チームメイトの筒香嘉智だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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