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前年45本塁打のスラッガーが、開幕45試合目に今シーズン1本目のホームランを打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーカス・シミエン(テキサス・レンジャーズ)May 28, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月28日、マーカス・シミエン(テキサス・レンジャーズ)は、5回表に満塁本塁打を打った。開幕45試合目、出場44試合目にして、ようやくシーズン1本目のホームランだ。

 昨シーズン、シミエンは、45本のホームランを打った。この本数は、ともに48本のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)とサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)、46本の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に次ぐ。この4人以外に40本塁打以上は、42本のフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)しかいなかった。

 ブルージェイズからFAになったシミエンは、7年1億7500万ドル(2022~28年)の大型契約で、レンジャーズに迎えられた。だが、前日までホームランはなく、打撃全体も、打率.193と出塁率.246、OPS.497と低迷していた。

 スタッツ社によると、1シーズンに40本以上のホームランを打った選手が、翌シーズンの1本目までに40試合以上を要したのは、シミエンが史上初だという。

 ちなみに、ゲレーロJr.の今シーズン1本目は開幕3試合目、ペレスは5試合目、大谷は8試合目だった。タティースJr.は、開幕から故障者リストに入っている。

 5月18日~28日の10試合に限ると、シミエンの打撃成績は、打率.317と出塁率.356、OPS.819だ。まだ予断は許さないものの、シーズン初本塁打が出ただけでなく、復調しつつあるのかもしれない。

 なお、シミエンは、今シーズン最初のホームランをオークランド・コロシアムで打った。この球場でのホームランは、通算45本目。全161本の4分の1以上を占める。2015年から2020年まで、シミエンは、オークランド・アスレティックスでプレーした。その6シーズン中4シーズンは15本塁打以下ながら、2016年は27本塁打、2019年は33本塁打を記録している。

 シーズン45本塁打以上の翌シーズンについては、今月上旬にこちらで書いた。

「45本塁打以上の「翌年」。3分の2は35本塁打以上。今年のゲレーロJr.、ペレス、大谷、シミエンは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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