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今シーズン最初の「二桁本塁打トリオ」がヤンキースに誕生。次はエンジェルス!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャンカルロ・スタントン(手前)とアンソニー・リゾー May 12, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月16日、アンソニー・リゾー(ニューヨーク・ヤンキース)は、シーズン10本目のホームランを打った。ヤンキースでは、すでに2人が二桁本塁打を記録している。アーロン・ジャッジが12本塁打、ジャンカルロ・スタントンは10本塁打だ。ジャッジの10本目は、両リーグ最速。それについては、「ジャッジの「リーグ最速10本塁打」は2度目。5年前はシーズン52本でタイトル獲得」で書いた。

 今シーズン、10本塁打以上の選手は、他に2人、どちらも11本塁打のヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)とバイロン・バクストン(ミネソタ・ツインズ)しかいない。

 リゾーのホームランが二桁に達したのは、ヤンキースの35試合目だ。MLB.comのサラ・ラングスによると、35試合目までに3人が二桁本塁打は、1964年のミネソタ・ツインズ、1970年のシンシナティ・レッズ、1994年のコロラド・ロッキーズ、2003年のテキサス・レンジャーズとレッズ、2009年のレンジャーズ、2020年のシカゴ・ホワイトソックスに続き、今シーズンのヤンキースが8チーム目だという。ちなみに、2003年のレッズの3人は、オースティン・カーンズアダム・ダンに、現在はヤンキースで采配を振っているアーロン・ブーンだ。

 今シーズン、ヤンキースに続き、二桁本塁打トリオが現れそうなチームは、誕生までに少なくともこれだけは必要な本数からすると、ミルウォーキー・ブルワーズかロサンゼルス・エンジェルスだ。ブルワーズは、ウィリー・アダメスハンター・レンフローがともに9本塁打、ロウディ・テレスは8本塁打。エンジェルスは、マイク・トラウトが9本塁打、テイラー・ウォード大谷翔平はどちらも8本塁打。ブルワーズはあと4本塁打(1本+1本+2本)、エンジェルスはあと5本塁打(1本+2本+2本)ということになる。この両チームは、それぞれ、36試合と38試合を終えている。チームで4番目にホームランが多いのは、ブルワーズが5本塁打のクリスチャン・イェリッチ、エンジェルスは6本塁打のジャレッド・ウォルシュだ。ヤンキースは、各5本塁打の3人が、二桁本塁打トリオに次ぐ。

 なお、2003年のブーンは、シーズン30本塁打に届かなかった。レッズで18本塁打、ヤンキースで6本塁打。計24本塁打だ。ブーンは、パワー・ヒッターではなかった。通算126本塁打は、一家の3番目。父のボブより21本多いものの、兄のブレットは252本塁打、祖父のレイは151本塁打だ。

 とはいえ、2003年の24本塁打は、前年の26本塁打に次ぎ、キャリアで2番目に多かった。さらに、この年は、最初で最後のポストシーズンに出場し、2本塁打を記録している。その1本目は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第7戦。同点の11回裏にティム・ウェイクフィールドからホームランを打ち、ヤンキースをワールドシリーズへ導いた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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